今日も極簡単に…
民主党の海江田代表は福岡市で開かれた党の会合で、今回の衆院選では、厚く豊かな中間所得層を復活させる経済政策が必要だとして、アベノミクスの転換を訴える考えを示した。
海江田代表は、「安倍総理大臣はアベノミクスの道しかないとしきりに言っているが、ほかの道がある。この道しかないと思うところに大きな間違いがある。…ぶ厚い中間層を作るために労働法制を守ることや、子育て世代への支援をしっかりと行うことが非常に大切だ。さらに社会保障制度についても、今後20年、30年たっても持続可能になるよう制度を改定し、安心してもらうことが非常に大切だ」と述べている。
これだけを聞くと、どんな凄い"新たな道"を示してくれるのかとも思うけれど、実際はそれほどでもない。
民主党の関係者が22日に明らかにしたところによると、民主党の経済政策は「厚く、豊かな中間層」復活を目指し、「国民生活に十分留意した柔軟な金融政策」、「生活の不安を希望に変える人への投資」、「未来につながる成長戦略」の3本柱だという。
だけど、この民主党の政策は、ちょうど「金融政策」「財政政策」「成長戦略」にあたる。その意味では、アベノミクスの3本柱である「金融政策」「財政政策」「成長戦略」にそれぞれ対抗したものだといえる。アベノミクスを相当意識した政策を出してきた。
というのも、民主党は今年5月27日、「ネクストキャビネット」の会議を開いて民主党の経済政策を決定している。そのときの経済政策は「厚く、豊かな中間層の再生」と「地域経済の再生」を2本柱とするものだった。それが、今回3本柱となり、更にアベノミクスの政策にそれぞれ対抗するような内容としている。或はアベノミクスに対する批判票を取り込みたいという狙いがあるのかもしれない。
アベノミクスは、これら3つの経済政策について「異次元の金融緩和」「公共事業等の財政出動」「成長戦略」として行われてきたけれど、それらに対して民主党は「異次元の金融緩和はしない」「人への投資」「成長戦略」と、アベノミクスに対して、否、否、可の政策を出した。
要するに、アベノミクスを否定しただけであり、第三の道でも新たな道でもなく、アベノミクスが「歩んできた道を戻るだけ」という経済政策のように筆者には見える。
特に財政政策である「生活の不安を希望に変える人への投資」なんてのは、聞こえはいいけれど、平たくいえば「コンクリートから人へ」ということであり、前回の民主党政権で国民が痛い目をみた政策を性懲りもなくまた出してきた。民主党の経済政策が明らかになった22日に、長野で震度6の地震があったけれど、民主党を政権につかせて、また「コンクリートから人へ」をやって、地震などの自然災害に見舞われたらなんて考えたくもない。
それ以前に、民主党は見た目は立派な"お題目マニフェスト"とは裏腹に、それらを実行するだけの力がないことは、前回の民主党政権の3年で明らかになっている。それが、海江田代表だから良くなったとも思えない。
海江田代表は、今回の解散を「安倍総理大臣はアベノミクス解散と言っているが、『安倍のリスク隠しの解散』だ」なんて批判しているけれど、自分が出した経済政策はアベノミクスを意識しまくったもの。その意味では既に民主党は安倍総理の土俵に乗っていると言えるし、アベノミクス解散を認めた、というか半ば確定させたともいえる。
最大野党の民主党がアベノミクス解散だとその政策で認めたことで、今度の選挙はアベノミクスに対する信任選挙となった。これまで進んできたアベノミクス路線を成功とみるか失敗とみるか、このままアベノミクスで進んでいいのかどうかについて信を問うという意味で安倍総理の思惑通りになった。
コメント
コメント一覧 (4)
成長戦略など中身を見れば小泉構造改革・規制緩和の焼き直し又はさらにひどい害悪をもたらしかねないものばかりで。自民党が勝利してもまたはほかの野党が勝っても97年以降にさんざん行ってきた緊縮財政、構造改革、規制緩和の呪縛から逃れる可能性は低いのでしょう。
規制緩和をすればよくなる、改革が足りないから日本はだめだとかいい加減聞き飽きました。
kotobukibune_bo
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それから、白馬から連想されるものでは、ヨハネの黙示録では、、
小羊がその七つの封印の一つを解いた時、わたしが見ていると、四つの生き物の一つが、雷のような声で「きたれ」と呼ぶのを聞いた。そして見ていると、見よ、白い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、弓を手に持っており、また冠を与えられて、勝利の上になお勝利を得ようとして出かけた。
なので、これからの時期は白騎士、白馬のような正論、正義で勝利する者が登場するとも思われます。
kotobukibune_bo
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第一の矢の金融緩和はリフレ政策(マネタリズム)。第二の矢は一応ケインズ的政策のはずですが、実際には骨抜き状態。第三の矢はいわゆる新自由主義。結局、全てがバラバラの方向に向かっているので、政策が支離滅裂になるのは当然です。
安倍政権は第一の矢を中心に、親和性の高い第三の矢を付け足して政策の基本としている。しかし本来、確実にデフレから脱却するなら、政府が積極的に需要を創出する第二の矢を政策の中心に据えなければならない。ここで最大の抵抗勢力になっているのが財政均衡主義(財務省)ということでしょう。しかも、それは今回の消費税増税で失敗が明らかになっている。にもかかわらず、それをきちんと総括もせずに、単に再増税を延期しただけでアベノミクスを信任しろと言われても、無理と言うものです。
まぁ、今回はテロ資金規制関連法案を成立させことにより、萎縮効果も含め事実上左翼系の野党の動きを封じた上での解散総選挙ですから、自民党の過半数はほぼ確実でしょう。逆に、だからこそ情勢を見極めつつ、安心して()安倍政権に対する批判票を投じることができると言うこともできます。
kotobukibune_bo
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「アベノミクスを日禎するのは結構だが、そこまでいうからには具体的な対案はあるのだろうな」という問いに民主党含め野党は答える能力をもっているように見えません。せいぜい「軍事費を削って社会福祉費」にくらいでしょう。対案なしに非難しているだけでは争点になりようがありません。与党VS野党の選挙というより、信認投票に近いというのはうなづける話゛てはありまね。
私は自民党というか政権与党の政策に全面的に賛成でないですが全否定もできない、というのが正直なところです。
特に一部の議員が積極的な、軽減税率の導入は百害あって十利あるかどうかだと思っています(実効性皆無とまではいいませんが)。財務省側はいまだ主導権を手放してないようですね。
kotobukibune_bo
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