今日はこの話題を簡単に…
ため池を利用した太陽光発電の実証実験が各地で行われている。
これは、ため池にフロート(いかだ)を浮かべて、その上に太陽光パネル設置するというシンプルなもので、使っていない水面を有効活用できる方策として注目を集めている。
既に、埼玉県の桶川市では、工業団地の中にある広さは3万平方メートルの調整池に、1.2MWの発電能力がある太陽光パネルを浮かべた水上式メガソーラーを設置して発電を始めている。
陸上での太陽光パネルの設置と違って、ため池発電にはいくつかの利点がある。
まず、平な水面上に設置するために、わざわざ造成する必要がないのに加えて、最初からある程度の面積が確保されている。
太陽光パネルは水面に浮かべるだけだから、ため池がつかえなくなることもない。ため池に対しても、パネルで直射日光を遮ることで、蒸発を減らし、水草や藻の成長を遅らせる効果も期待できる。
更に、ため池発電は、発電効率についてもメリットがある。
現在主流の結晶シリコン系太陽電池では、表面温度が1℃上昇する毎に発電効率が約0.5%低下することが知られている。夏場ともなれば、太陽光パネルの表面温度が50~60℃にもなり、発電効率が定格より10%以上低下することもある。
資源エネルギー庁が公開している「新エネルギー技術フィールドテスト事業」の評価結果によると、間隔をおいてパネルに水を流す(間歇水冷)ことで、パネル温度を下げ、発電効率を10%以上アップすることが報告されている。
ため池発電は最初から池の上に太陽光パネルを浮かべるために、自然の冷却効果が見込まれ、その分発電効率が良くなると見られている。
現在、全国には約20万カ所のため池があるのだけれど、その半分以上は瀬戸内海の沿岸地域に集中している。ため池といえば香川県というのが普通頭に浮かぶのではないかと思うけれど、意外にも、全国で一番ため池が多いのは兵庫県で、その数は4万4207ヶ所もある。香川県は1万4619ヶ所で3番目。
ただ、面積1平方キロメートルあたりの数は7.79ヶ所と香川県が全国一になる。
もちろん、香川県でも、ため池発電の導入検討が進んでいて、昨年11月から善通寺市の吉原大池で、2年計画で実証実験がおこなれている。
実験は、3種類のフロートに同じ太陽光パネルを設置し、更に設置角度を変えてそれぞれの発電量を比較する。具体的な仕様は次のとおり。
フロート1実証実験では、設置する太陽光パネルは3つ合わせても、18.36kWとそう大したものではないのだけれど、池の面積は満水時で10万平方メートルと、桶川市の1.2MWメガソーラーを設置している調整池の3倍以上ある。
フロート形式 : 樹脂製中空フロート
フロート面積 : 約129m2
発電規模 : 6.12KW
パネル枚数 : 24枚
設置角度 : 12度
フロート2
フロート形式 : 発砲スチロール製フロート
フロート面積 : 約78m2
発電規模 : 6.12KW
パネル枚数 : 24枚
設置角度 : 12度
フロート3
フロート形式 : 発砲スチロール充填パイプフロート
フロート面積 : 約56m2
発電規模 : 6.12KW
パネル枚数 : 24枚
設置角度 : 5度、12度、30度
香川県内には、桶川市の調整池に相当する3万平方メートル以上のため池が20ヶ所以上あるから、もしも、全部ため池発電に利用できるとするならば、20~30MWクラスの発電が出来る可能性がある。
なんとなれば、市営または、小中学校のプールに設置することだってできるかもしれない。
勿論、曇りや雨、強風による影響等々、どこまで安定した発電が確保できるかといった課題はあるけれど、大型燃料電池と併設して、蓄電しながら、安定供給を図るとか多少の工夫の余地はあると思うし、採算が取れるのであれば、ため池発電もそれなりの"足し"にはなるだろう。
コメント
コメント一覧 (1)
ここ迄来たのか.
日本人の発想が縮小しているのは全体の傾向だが,
太陽光発電は国民からお金をむしり取る様なものであるのは
既に良く分かっているだろうに.
採算がとれることと国民のためになるのとは違う.
原子力発電を動かして電力を十分に供給して
産業を十分に興隆させないと
隣の侵略国家に酷い目に合わされることになる.
日本人は歴史を勉強しなければならないよ.
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