今日も極々簡単に…
3月7日、内閣府は、自衛隊・防衛問題に関する世論調査を公表した。
調査は、「自衛隊・防衛問題に対する関心」「自衛隊に対する印象」「防衛体制についての考え方」「自衛隊の役割と活動に対する意識」「防衛についての意識」「日本の防衛の在り方に関する意識」をそれぞれ問うものだったのだけれど、自衛隊の増強を求める回答が29.9%と前回調査から5ポイント近く上昇した。特にここ数年での伸びが著しく、国民の意識が変わってきているのがはっきり見て取れる。
また、日本の平和と安全の面から関心を持っていることは何かという問いに対しては「中国の軍事力の近代化や海洋における活動(46.0%→60.5%)、「国際テロ組織の活動(30.3%→42.6%)」、「日本の周辺地域における米国の軍事態勢(24.8%→36.7%)」が上昇し、逆に「朝鮮半島情勢(64.9%→52.7%)」が低下した、
とうとう国民の意識の中で"中国の脅威"が"朝鮮半島情勢"を上回るようになった。まぁ、尖閣のみならず、南シナ海での無法を見せつけられたらそう感じてしまうのも無理はない。
昨年第1~3四半期の9ヶ月間の空自のスクランブル回数は実に744回。そのうち371回が中国機に対するもの。これはロシアの369回を上回り、前年同期比て29%の増加。
また、南シナ海でも着々と軍事拡張を行っている。今年1月と2月にフィリピン軍はこれらの島々を偵察し、南沙諸島のミスチーフ礁とスビ礁の2ヶ所で新たに埋め立てを行っていることが確認さされている。
去年から作業が進んでいた5つの浅瀬の埋め立てと合わせると合計7ヶ所、埋立面積は合わせて少なくとも1平方キロメートル近くあるという。中でもファイアリークロス礁には、長さ3キロ、幅200~600メートルの陸地が完成していて滑走路にするのだろう見られている。完全に軍事基地を作りに来ている。
これについて、流石にアメリカも懸念を示していて、3月9日、国務省のサキ報道官は定例記者会見で、「中国の行為は、中国が南シナ海で軍事化を進めているとの懸念を抱える周辺国の不安をあおっている。…アメリカは、中国の行動を注視するとともに懸念を伝え続ける。すべての関係国には、地域を不安定化させる行動を避けるよう強く求める」と述べ、中国の対応を批判している。
これに対して中国は、3月8日、外交部の王毅部長が記者から、「中国が南シナ海の島や礁で海の埋め立てを行っているとの報道がある。これは中国の南シナ海政策、さらには周辺外交政策の変化を意味するものか」と問われ、「中国は自国の島や礁で必要な建設活動を行っているのであり、誰かを標的にしたものでも、誰かに影響を与えるものでもない。われわれは一部の国のように他人の家の中で違法建築をすることはないし、自分の庭で工事を行っている際に勝手な批判を受け入れることもない。合法的で合理的でさえあれば、われわれにはそうする権利がある」と答えている。
要するに、自分の庭で勝手にやっているだけのことで他人が口を挟むな、ということ。「力による現状変更」を堂々とやっている。口先の抗議なんか何とも思ってない。
だから、それを止めさせたければ、やはり、その現状変更の力に対抗し、押しとどめるだけの「力」がいる。「力による現状変更」を認めない、とは、裏を返せば「現状変更させない力」を持つということ。
技術の進歩に伴って、軍事に莫大な金を必要とするようになった現代。一国でそれだけの力を持つことは段々難しくなってきつつある。現にアメリカでさえも、軍事費を減らそうと四苦八苦している。
そんな状況でも国を護るために、同盟国やそれに準ずる国同士で連携して一緒に守ろうという「集団的自衛」の考えが必要とされるようになってきた。
先の内閣府の世論調査でも、8割以上が日米安保やアメリカ以外の国との防衛協力を評価している。その中でも興味深いのは、「アメリカ以外のどの国や地域と防衛協力・交流を進展させることが日本の平和と安全にとり役に立つと思うか」という設問に対して、ASEANを挙げた人が49.0%と最も高く、前回まで6割以上の人が挙げていた韓国と中国が4割そこそこにまで減っていること。
それ以外には、イギリス・フランスなどの欧州主要国と協力すべきという回答も27.3%から、36.9%と10ポイント近くも上がっている。これらの国は、安倍総理がここ数年、積極的に外交を行ってきた国でもあり、見事なシンクロを見せている。
それらを考えると、安倍政権が「集団的自衛権」の行使容認など、他国との防衛協力が行える体制を整えようとしているのも必然といえる。
これらの動きに対して、やはりというか、いつものとおりというか、朝日が社説で反対を唱えている。
昨年政府は 武力行使の新3要件などを定めた「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」を閣議決定しているけれど、朝日はここの「切れ目のない」という文言に噛みついた。
朝日は「切れ目のない」は「歯止めのない」につながるから慎重に考えるべきだ、とし、寧ろ「切れ目を置いて、起きてしまった紛争を最小限にとどめる方策を考えるべきだ」と主張している。だけど、中国を相手に"切れ目"なんて、どうぞ襲ってくださいというようなもの。それこそ、南沙諸島のように、たちまち埋め立てでもなんでもして軍事基地を建設することは目に見えている。紛争は最小限どころか極限に向かって拡大していく。
そもそも、空自のスクランブルだって、24時間体制で運用している。それこそ"切れ目"のない守りを敷いている。だから、この朝日の"不思議ロジック"でいけば、空自のスクランブルだって不要になる。
朝日はこの社説で、中国、韓国を巻き込むような安全保障体制を目指せとし、自衛隊の軍事面の縛りを解くことにうつつを抜かすのではなく、世界のためにいま出来ることは何かを考え率先することだ、なんて、したり顔で言っているけれど、では具体的にどんな体制があるのか、ちょっと思いつかない。
かつて日米韓で構築しようとしていた極東の安全保障体制は、韓国自ら壊そうとしているし、中国だってあの調子。何でも、習近平国家主席が朴槿恵大統領に対して、アメリカの「THAAD」配備を拒否すれば、経済的インセンティブを与えると提案したなんて話も流れている。
要するに、日本の安全保障体制を構築するどころか、それをぶち壊そうとしているのが中韓であるというべきで、それならば、他の国と集団安保体制を作った方がいいと考えるのは極普通の反応だと思われる。
既に内閣府の世論調査ではASEANと防衛協力すべきという声が中韓を上回っている。どれだけ"切れ目"が欲しいのか知らないけれど、朝日は見事に、自らと国民との間に"意識の切れ目"を作ってみせている。
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【イスラム原理主義者が、スフィンクスとピラミッドの破壊を呼びかける!】
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