今日は雑談エントリーです。



鳩山由紀夫氏がまた国際的騒動を巻き起こしています。

突然クリミアに行ったかと思えば、ロシアのクリミア併合を肯定する発言を連発。クリミア併合を住民投票で決めたことについて「民主的に行われた住民投票で領土問題を解決した。…世界史上で最も画期的な出来事のひとつ」になるだろうとまで述べています。

案の定、鳩山氏はロシアにいいように使われました。ロシア国営放送などはトップで特集。鳩山氏はロシアTV第一チャンネルのインタビューに対し「私はクリミアの状況を理解したい。東京に戻った後、日本の人々に、クリミアの人々がロシアを受け入れ、ロシアの中でよい気分でいる事を説明する。ここには戦争はない。人々は楽しんでおり、自分達はロシアの一部だと認識している」と答えています。

いうまでもなく、鳩山氏のこれら発言は日本政府の公式見解とは真逆のものです。当然ながら、鳩山氏に対して、政府は元より、与野党問わず批判が集まっています。

菅官房長官は「これは我が国は絶対認められないし、それは米国だけなく欧州周辺国、世界がこうした力による現状の変更は絶対に認めないというのが、当然のこと。…そういう中で、我が国の総理大臣まで務められた方がですね、このような行動を取ることはあまりにも軽率すぎる。呆れ果ててコメントさえしたくない」とバッサリ。

身内で弟の鳩山邦夫氏に至っては、「宇宙人らしい人間が本物の宇宙人になった。少なくとも日本人ではなくなった」とボロクソです。

民主党の岡田代表も「まあ、あんまりコメントしないほうがいいと思いますね。…一私人とは言え、元総理ですから、あってはならないことだと思います。それを言うことが、果たしていい結果につながるかどうか...」と批判してますけれども、民主党にとって元党首であり、民主党政権時の首相の一人でもあったことを考えると、少し他人事のように聞こえなくもありませんけれども、関わり合いになりたくないのでしょうね。

それをもっと露骨に発言しているのが枝野幹事長です。鳩山氏のクリミア訪問について枝野氏は「その方は元自民党の議員でもあり、元民主党の議員でもある。今は少なくとも民主党に属している方ではない」と述べ、記者から「鳩山氏に話を聞かないのか」と質問されても「話を聞く立場でもない」と一切関知しないと突き放していますけれども、追及されると途端に無関係だと言い張って責任逃れするような態度は、政党としては極めて甘い態度であり、政権与党になる資格はないと判断されても仕方ありません。

なぜなら、政権与党は国家運営について責任を負っているからです。

民主などの野党やマスコミは政権与党に対して、何かといえば結果責任だの、任命責任だのを追及します。近いところでは、ISISの邦人殺害事件については結果責任を問い、献金問題で大臣が辞任すると、任命責任を追及していましたね。

去年「『明日、ママがいない』問題と責任の条件について」のエントリーで述べましたけれども、責任には、仕事を始めるに当たって負う責任(遂行責任)と、その仕事の結果に対する責任(結果責任)の2つがあります。

遂行責任は、たとえ、何某かの仕事が途中で問題を起こして、うまく進まなかったとしても、最後までやり遂げること並びにその能力のことです。野党がいうところの"任命責任"はこちらに該当するといっていいでしょう。

一方、結果責任は起こってしまったことに対する責任ですから、対象に対する釈明または補償など、結果に対する後始末を要求されます。

こうしてみると、遂行責任は未来に対する責任であり、結果責任は過去に対する責任である、ともいえます。

そして更に、政権は国が直面する今現在の事柄についても責任を負っていることはいうまでもありません。

要するに、野党のいう任命責任と結果責任を政権与党が常に負っているとするならば、政権与党は過去にも現在にも未来にも責任を負っているということになります。それはそれで否定はしません。

けれども、政権政党を狙う野党がこのロジックを使うのであれば、自らに対しても同じく、任命責任と結果責任を問う姿勢がなければ、政権政党としての資格に疑念が生じます。

3月11日、自民党の高村副総裁は、民主党の枝野氏が鳩山氏を「元自民党議員でもある」と発言したことについて「鳩山氏のクリミア行きは、元議員でなく『元首相』だから問題なのだ。民主党が鳩山氏を首相にしたことが、在任中だけでなく国益を害していることに、少しは責任を感じてもらいたい」と述べていますけれども、これは民主党が政権時代に鳩山氏を首相にした「任命責任」を問い質したということですね。

それに対して、民主党は何もしていない。ですから、このまま無関係だと無視を決め込んだとしても、鳩山氏が暴走を続ける限り、元民主の首相としての任命責任は問われ続けるでしょうね。

また、民主党は任命責任だけでなく、結果責任の部分についても未だ問題があることを先日暴露しました。メルケル会談を巡る岡田代表の発言がそれです。

3月10日、岡田代表は、来日したドイツのメルケル首相と会談し、その中で「戦後70年だが、日本は中国、韓国との和解が成し遂げられたとは言えない。ドイツの場合はどうだったか」と尋ねたところ「過去のことについて完全に決着をつけるのは不可能だ。常に過去と向き合っていかなければならない」と答え、メルケル首相自ら「東アジアの状況を考えると、日韓関係は非常に重要だ。きちんと解決した方がいいのではないか」と促された、と説明していた。

ところが、このメルケル首相の慰安婦発言について、3月13日、ドイツのザイベルト報道官は「独政府は否定した。私自身がした」と完全否定。同じ日、菅官房長官も会見で「メルケル首相が過去の問題に対して『日本側がどうすべきか』というような発言をしたというのは事実でないという説明をドイツ側から受けた」と発表。岡田代表の発言は、両政府から公式に否定されました。

これを受けて、どういうことだ、と岡田代表に批判が集まっているのですけれども、これは、自身の発言が間違っていたことに対して結果責任(説明責任)を問われているということですね。

これに対して、岡田代表はどういう対応をとっているか。

3月13日、岡田代表は記者団に対して「問題を解決した方がよいという話があった。私もかなり丸めて言っているが、慰安婦問題を取り上げたことは紛れもない事実だ。…一般論としてドイツの話を説明していく中で日本についても言及した。そういう説明をしたということは、日本のことについて当然念頭に置いて発言しているということだ」と述べ、自分は間違ってないと反論しています。

けれども、「一般論として」だとか「かなり丸めて」という枕詞をつけている時点で、正確な発言ではないということを白状しています。それに加えて、「日本のことについて当然念頭に置いて発言しているということだ」と自分の解釈込みの発言だったとも言っていますから、本当にメルケル首相が日本政府に慰安婦問題を解決するよう促したのかどうか疑問が残ります。

そして、岡田代表は14日の会合では「慰安婦問題はメルケル氏が持ち出し『日韓両国は非常に大事な関係だから、この問題を早く解決した方が良い』と…『日本政府に』とは言っていない。誰がとは言っていないが、解決した方が良いという話だった」と述べていますけれども、「『日本政府に』とは言っていない」などと、どんどんトーンダウンしています。

けれども、果たしてこれで、結果責任を取っているといえるのかどうか。

当初、岡田代表がメルケル首相から慰安婦問題を解決するように言われたと発言したとき、国内外で騒ぎになりました。国内では、メルケル首相は日本とナチスを混同するとは無知も甚だしい、と批難されましたし、韓国では、そらみたことかと大騒ぎになっています。

岡田代表の一言で、これだけの結果と責任が生じているのですね。その責任が、謝罪でも訂正でもなく、トーンダウンだけで済ませられると思うのは、ちょっと甘い。

国民はあの民主党政権時代で、死ぬかと思う程、お灸を据えられました。ですから、そうそう簡単に支持が集まることはないと考えるべきですね。

3月15日、民主党の枝野氏は高知市で開かれた県連パーティーで、「1回目の教訓を踏まえ、安倍首相でさえ2回目は政権運営をうまくできた。われわれにできないはずがない」と述べたそうですけれども、それを言う前にまず自らがどれだけ、任命責任と結果責任を取っているのかを自問するべきだと思います。

コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. 白なまず
    • 2015年03月16日 01:55
    • 一度目は悲劇(近衛文麿)二度目は喜劇(鳩ポッポ)、政治家の哲学や論理ではなく、結論は決まっていてロシアの為に働く御仁なんでしょう。ネットのおかげで騙される人が少なくなり本人だけが踊る結果となるんでしょうね。
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