今日はこの話題を極々極簡単に…


8月27日、国連の潘基文事務総長は、中国の抗日戦争勝利記念行事に出席すると発表しました。

中国によると、抗日式典には、49ヶ国が参加し、内30ヶ国が国家元首・政府首脳級、残り19ヶ国が政府代表を出席させるということですけれども、首脳級の参加は、中国と関係の深いアジア、アフリカの友好国が中心で、欧米各国からこのクラスの参加はありません。

アメリカやドイツ、カナダ、EUは中国駐在の外交使節ですし、最高でもフランスやイタリア、イギリスなどが閣僚級又は元閣僚を派遣するに留めています。

もうこの時点で、全世界が中国の抗日式典に支持を示していないのは明らかなのですけれども、そこに、代理やそこらならいざ知らず、国連トップである潘基文事務総長自ら出席するのでは、国連の中立性を疑問視されても仕方ないですね。

勿論、日本政府は強く反発しています。8月27日、日本の国連代表部は国連事務局に対し「いたずらに過去に焦点を当てる行事に対し、国連は中立的な姿勢で臨んでもらいたい」と抗議し、31日には菅官房長官が「国連は、中立であるべきだ…いたずらに特定の過去に焦点を当てるべきではない。自由、人権、法の支配を含めた国際社会の 融和と発展、未来志向の姿勢を強調することこそ国連に求められている」と述べています。当然ですね。

けれども、当の潘事務総長はそんな批判もどこ吹く風とばかり、「中国は世界の平和と安定、安全保障、国連平和維持活動、途上国間の援助で重大な役割を果たしている。…世界第二の経済大国、そして平和を愛する国である中国がさらなる貢献を果たすことを期待している」と称賛する始末。

けれども、この発言は、中国の行動、特に周辺国に軍事的圧力を加えていることを、世界の平和と安定に重大な役割を果たしていると、容認することを意味しています。つまり、中国の軍拡に国連の"御墨付"を与えるということです。実に不見識ですね。

ただ、これは、国連とは一体何なのかを世界各国に、とりわけ日本国民に知らしめる効果があるように思いますね。

まぁ、よく指摘されることですけれども、国連は、英語で「The United Nations」というように、ただの連合国組織です。

第二次大戦末期の1945年4月、米ソ英中の4ヶ国が中心となって「連合国憲章」作成のため、サンフランシスコ会議が開催されたのですけれども、その参加招待状を送る国には「1945年3月1日までに枢軸国に宣戦布告をした国」という条件がつけられていました。この時点では日本とドイツが枢軸国として戦っていたのですけれども、この会議に参加したいがために、枢軸国に対して宣戦布告する国もあり、結局、この会議に50ヶ国が参加することになります。

この会議に参加して国々の合意によって、6月に「連合国憲章」の最終案が纏められ、10月に発効しました。これが「国連憲章」です。ですから、憲章に、いわゆる「旧敵国条項」が含まれているのも、ある意味当然といえば当然なのですね。

無論、この「旧敵国条項」が今の世界情勢と全くそぐわなくなっているのはいうまでもありません。実際、国連自身が1995年に「旧敵国条項」を「時代遅れ」とし、削除する決議を賛成多数で採択しています。

けれども、実際に条項を削除するには、全ての常任理事国および国連加盟国の3分の2以上の批准が必要となっています。おそらく、いやほぼ間違いなく中国は「旧敵国条項」の削除に拒否権を発動させるでしょうから、事実上、削除は不可能だと思われます。

それどころか、中国は、アメリカに「敵国条項によって国連決議なしで日本を攻撃できる」というロビー活動を行なっているという噂さえあります。

そんな"国連"に日本はせっせと分担金を支払っています。先日、3年に1度の分担金見直しで、日本の負担率は9.68%と、10%を割ったと報道されていましたけれども、分担金比率では、依然アメリカに次ぐ2位となっています。

もう10年も前の話ですけれども、2005年11月、当時、次期国連事務総長に名乗りを上げていたタイのスラキアット副首相と会談した麻生太郎外相は「敵国条項があるにもかかわらず19.5%も負担していることに多くの国民が疑問を抱いている」と見直しが必要と発言しています。

まぁ、当時の分担比率からみれば、随分と下がったといえますけれども、それでも、世界2位の分担比率ですからね。それなりに遇していただかないと割が合わないと思うのも当然だと思いますね。

今回の抗日式典に、欧米諸国は首脳クラスの出席を見合わせました。つまり、抗日式典は、連合国内でも賛否が分かれた案件だということです。にも関わらず、事務総長の立場にある潘基文氏は、抗日式典に参加し、賞賛している。

これは、"国連"の正体を日本人に知らせるのみならず、"連合国"内にも亀裂を入れかねない行為だと思いますね。

流石、"際立って無能"と評価されるのも伊達ではありません。

コメント

 コメント一覧 (4)

    • 1. 白なまず
    • 2015年09月01日 08:56
    • これで、次期韓国大統領に潘基文が成ったら、日本との関係はどうしようもないですね。日本政府は今以上に無視するようになるでしょう。雉も鳴かずば撃たれまいに、、、機動戦士ガンダムの台詞に「出て来なければ、やられなかったのに!」と「抵抗すると無駄死にするだけだって、なんでわからないんだ?!」というのがある・・・そうである。
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    • 2. 野蛮人
    • 2015年09月01日 13:13
    • 国民以上に、相変わらず国連中心外交だの常任理事国入りだのと幻想に浸り、足元見て
      拒否権をちらつかせる中国に諂う無能外務省にとってこそ良い薬でしょう。
      正直国連は最早各国の無能外務官僚の天下り先程度の価値しかありません。こんなものに
      金を払うのは無駄です。現にどこの国も支払い拒否しておいて、大声で他国を罵る場
      として使ってるだけです。こんな無能組織の常任理事国の椅子を増やしてもますます
      何も決まらなくなるだけであり、存在理由も「わざわざ別の新組織立ち上げるのがメン
      ドクサイ」でしかありません。
      散々汚名を着せられてバカみたいに金をむしられた挙句、結局金を払わない・延滞してる
      特亜三国が反日を喚き散らかしては更にレッテル貼りされるだけ。しかも現状は事務総長が
      それを意図的に行ってる。そして欧米記者がそれを突っ込むので逆切れ・記者会見拒否の
      乱発。米国みたいに国連の組織改善・公平性の再確立を盾に支払い拒否をすべきでしょう。
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    • 3. E級駆逐艦
    • 2015年09月01日 17:17
    • ここはひとつ、どこかの常任理事国のように分担金を滞納させ
      「いやあ日本も不景気でして申し訳ないww」とかすっとぼけて
      無言の圧力を加えるくらいのことはしないといけませんね。
      パン君に関しては「国連幻想」を壊してくれたという意味では感謝ですが
      その無能によってどれだけの犠牲が出たのかを考えると陰鬱になります。
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    • 4. almanos
    • 2015年09月01日 21:04
    • 既に70年経っているんですよね。旧国際連盟の倍以上続いてきた。そろそろ、終わらせて良いんではと思います。「負担無くして権限無し」として「常任理事国が滞納していた分担金払うまで払わない」とすればさぞ面白い事になるでしょう。米中露と滞納しまくっていた筈ですし。後は明後日の北京がどうなるか? かなり香ばしい事態が起きるのではと思ってます。
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