今日は本当に時間がないので、極々簡単な感想エントリーです。
インドネシアのジャワ島の高速鉄道計画は二転三転いた後、中国方式に決まりました。
計画は首都ジャカルタと東に約140キロ離れたバンドンを結ぶ計画でユドヨノ前政権時代には日本案が先行していたのですけれども、昨年10月にジョコ政権が発足してから情勢は一転、中国が猛烈な巻き返しをしていました。
中国は「事業費の全額融資」、「政府の債務保証は求めない」など形振り構わず売り込み攻勢をかけ、とうとう日本は受注競争に敗れた形になりました。
一般には、外資に依存して建設したいインドネシアと、インフラ輸出の実績作りを進めたい中国との利害が一致したという見方が大勢のようです。
確かにそれはそうなのかもしれませんけれども、それ以外にも、インドネシア自身のインフラに対する考え方が先進国のそれとは少し違うという指摘もあるようなんですね。
インドネシアは国がインフラ整備に金をかけようという意識が想像以上に低く、在来線や有料道路の整備も国の規模に全く追いついていないという指摘がずっとされています。
昨今、インドネシアでは昨今「ジャワ偏重主義」が問題視されています。
ジャワ島には高速道路も鉄道も国際空港もダムもあるのに、例えば東ヌサ・トゥンガラ州のフローレス島にはそうしたものがまったく整備されていないといった具合に開発が偏っているんですね。
そして、ジャワ島以外に住んでいるインドネシア国民の中には、鉄道そのものを見たことがないという者もいるそうです。そうしたことから、ジャワ島に高速鉄道を作るくらいなら、少数民族の保護に資金を投じろといった声も上がっていたようです。
また、鉄道を知っているインドネシア国民でも、鉄道の安全性に対する意識が薄いという指摘もあります。というのも、日本はこれまでインドネシアに対して道路整備の支援や、古い鉄道車両の譲渡をしてきました。インドネシアの特急電車でも、日本の古い車両が使われていたりするそうです。当然、日本製だけあって、車両トラブルは少なくその"安全"であることが当たり前という一種の刷り込みがされ、それゆえ、外国の鉄道はどれも安全だ、と何となく考えているのだそうです。
つまり、安全性に対して、ちょっと鈍感なところがあるようなのですね。けれども、中国の新幹線は、昔の大事故を起こして、そのまま遺体ごと埋めようとしたいわく付きのものです。流石に今では少しはましになっているかもしれませんけれども、あれを忘れてしまうくらい鈍感では、ちょっと度が過ぎる気もしますね。
評論家の宮崎正弘氏は、これについて「前途多難で、悲惨な結果が予想される。内心、インドネシアの人々がかわいそうだ。…ジャカルタ-バンドン間は高い山や崖、川が多く、難工事は避けられない。加えて、中国の破格の融資も疑問だ。一方的に利息を上げたり、全額返済を求めたり、政治的に利用しかねない。ミャンマーやカンボジアでもモメている。インドネシアに莫大な借金だけが残るのではないか」とコメントしています。
仮に、なんとか建設が出来たとしても、それを維持・運営していくのはもっと難しいでしょう。事故を起こしたら、流石に埋めるわけにはいかないでしょうからね。
どうなりますやら…
コメント
コメント一覧 (1)
インドネシア政府が日本に支援を求めてきたそうですよ~
厚かましい。
基本的には反対ですが…いつものようにカネの支援ではなく、技術者派遣をすればいいのに…
kotobukibune_bo
t
がしました