今日も極々簡単に……



12月11日、「新しい歴史教科書をつくる会」は、2017年の記憶遺産登録を目指し、「通州事件」の資料をユネスコに申請すると発表しました。

 通州事件は1937年7月29日、北京東方の通州で日本人が中国人部隊に襲われた事件なのですけれども、こちらは多数の証言や抗議声明などばっちり証拠があるものです。

「つくる会」は「通州事件が忘れられている現状を意識的に変えなければならない。広く世界に知ってほしい」とコメントしています。

 ユネスコの記憶遺産への登録審査を申請できるのは一国二件までで、日本政府は2017年の登録候補を2件選定していますので、「つくる会」は直接ユネスコに申請するようです。ただ、一国から三件以上申請がある場合はユネスコから優先順位を付けるよう差し戻されます。

 日本が選定した二件の候補は、群馬県の上野三碑と第2次大戦中に「命のビザ」で多くのユダヤ人を救った外交官・故杉原千畝氏の資料です。

 通州事件が申請されると、政府はこれらの優先順位を付けなければならないのですけれども、流石に国内公募を押しのけて通州事件の優先順位を上げることはできないと思われます。
 
 ですから、2017年の登録は恐らくないと思いますけれども、万が一優先順位が上がるとすれば、政府の政治的判断か、国内世論の強力な後押しがあるかどうかでしょうね。

 今のところは、そこまでの世論の声が上がっているようには見えません。どちらかといえば、ユネスコの記憶遺産そのものに興味を失いつつあるというのが強いように思います。

 「純粋に世界遺産に選ばれた、めでたい」から、政治的道具に使われている現実を知って白けたというかそんな感じですね。

 12月8日、自民、公明両党は平成28年度予算編成大綱にユネスコへの分担金拠出の停止を「検討する」と明記する方針を決めていますけれども、分担金を停止したら、増々、世界遺産に対する国民の意識が薄れていくような気もします。
 
 以前、日本がユネスコ分担金を凍結したらどうなるかについて述べたことがありますけれども、ユネスコ分担金の支払いを2年連続で停止すると、投票権を失うという規定があります。

 けれども、日本の事情がどうであれ、世界遺産を政治的道具に使ってくる輩が無くなるわけではありません。

 政府が、投票権を失うところまで腹を固めてやっているなら、それも手かと思いますけれども、そうであるなら、猶更、情報戦レベルで如何に反撃するかも考えておくべきだと思いますね。

コメント

 コメント一覧 (5)

    • 1. おじさん
    • 2015年12月14日 05:10
    • 過去にこだわらず将来を考えると言いながらその口で80年前の事件を引っ張り出す。
      日本の大陸進出は朝鮮併合とは異なりどう言い繕っても弁解の余地がない愚策であった。
      事件の舞台は言わば今も昔も敵地でありこちらの証拠に反論できる証拠を捏造してでも用意される危険がある。
      国際社会からは「やっぱりあいつらは大東亜戦争に関係するもの全てを正当化しようとしているとのイメージだけが独り歩きする危険がある。
      全くもって余計ですよ、この申請。何一つ日本に利することがない。取り下げるのが賢明です、馬鹿馬鹿しい。
      分担金停止して投票権失ってもいいじゃないですか。
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    • 2. 泣き虫ウンモ
    • 2015年12月14日 21:54
    • 真珠湾攻撃以降を「大東亜戦争」と言いますが。
      十五年戦争史観ですかね。
      明治維新以降の全てが悪いという史観は「コミンテルン史観」と言いますかね。
      即ち、少なくとも三つの史観が日本のなかに入り乱れている感じかなぁ。
      あと、「東京裁判史観」もあるのかなぁ。
      ややこしいですね。
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    • 3. ちび・むぎ・みみ・はな
    • 2015年12月14日 22:21
    • 支那では, 周辺諸国からの侵略によって次々と
      新たな帝国が作られてきた. その中でいわゆる
      「漢民族」の帝国と言うのはごく少ない.
      現在の中華人民共和国は何とか「漢民族」帝国
      の体面を持つが経済的には既に帝国末期の状況である.
      大体にして, 周辺国からの侵入によって
      作られた中華帝国の方がまともで人民も良く従う
      のに対して, いわゆる「漢人」が作った帝国は
      非道な政策を行なうので人民の支持は低いと言われる.
      現在の「中華人民共和国」帝国は建国70年にして
      もはや一般人民の支持はない.
      「中華人民共和国」帝国の前は何かと言えば,
      支那大陸の歴史に常に現れる戦国時代であった.
      天皇を頂く日本の戦国時代とは異なり,
      支那大陸の戦国時代には本当に正当性も権威も
      何処にもなく, 「人民」が右往左往して
      支那大陸が落ち着くのをひたすら待っていた.
      だから, 「国」なぞなかった訳だ.
      その辺が諸国の一般国民には理解し難いところで
      あると言われている.
      支那大陸の「人民」が望むことは安定と安全であり,
      それは日本軍の支配地域においては殆んど達成
      されていたのである.
      しかし, 支配権の拡大をひたすらに望む共産主義や
      グローバル金融資本が米国とロシア, 国民党を
      炊き付けた結果が長引かせたが大東亜戦争であった訳だ.
      その結果, 支那以外はめでたく独立したのに,
      支那人民だけは共産主義とグローバル金融資本の
      支配下にまだに居り, 言論の自由も所有の自由も持たない.
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    • 4. ちび・むぎ・みみ・はな
    • 2015年12月14日 22:22
    • 日本が悪かったのは外務省のサボタージュと
      山本五十六の浅慮で対米開戦をしてしまったことだ.
      米国で民主主義を守ろうとしていたフーバー元大統領
      の努力はグローバル主義の下で挫折してしまった.
      その結果として欧米はグローバル主義の下で大変な
      言論弾圧の下にある. 欧米に言論の自由があると言う
      のは大間違いで, 米国はマイノリティー政策が一般
      米国住民の言論を圧迫し, 欧州では人種差別反対法案
      が住民の反移民の言論を封じている.
      日本が如何ほどに言論の自由を持っているかを理解すべし.
      それも, TPPに絡んだグローバル主義が日本を支配下に
      置くまでの灯火に過ぎないが.
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    • 5. ちび・むぎ・みみ・はな
    • 2015年12月14日 22:27
    • ここでも「外務省」が暗躍している.
      この省は敗戦にも関わらず全く中身が変わらずに来ている.
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