今日はこの話題を極々簡単に……
この程、Jパワーは北九州市の若松研究所に藻から燃料油を生産する実証設備を設け、5月をめどに稼働させると発表しました。
藻の培養から油の抽出まで一貫生産することで、二酸化炭素排出量を実質ゼロに抑え、抽出した油をジェット燃料の原料として使えるか検証していくようです。
藻の培養池と抽出設備をポンプなどでつなぎ、油を一貫生産し、1日あたり4リットル程度を製造するとしていますけれども、量産に向けてコスト低減に取り組み、2030年に1リットルあたり500円程度での生産を目指すとしています。
藻による油の生産については、「藻が出す油」などで取り上げたことがありますけれども、Jパワーは海洋珪藻を使っています。
珪藻とは、ワカメや昆布などの海藻と同じ、藻類に分類されるのですけれども、その中でも特に細胞の周りにガラス質の殻をもつものを、珪藻と呼んでいます。
珪藻の細胞は、ガラス質の上半被殻と下半被殻で包まれ、弁当箱の蓋と中身のように合わさった構造になっています。
珪藻は水のあるところなら熱帯から極地まで、いたるところに生育する単細胞の光合成生物で、平たくいえば、植物プランクトンのことです。
珪藻を初めとする微細藻類を用いたグリーンオイルの生産技術は、1970年代から開発が進められてきたのですけれども、早期に開発された淡水微細藻類による油の生産は広大な土地と豊かな水源を必要とすることなどの課題があり。それらを解消するために海を使って生産する、いわば、海洋藻類の利用研究も進められてきました。
尤も海で藻を繁殖される、といってもそう簡単な話ではありません。日本近海でいえば、冬には水温が下がって、藻の培養速度が遅くなりますし、海水だけでは藻の繁殖に必要な栄養が足りません。
そこで、普通の藻だけでなく、寒さに強い藻も併用したりするなどの工夫をしているようです。
なんでも、春から秋は鹿児島県の奄美大島で発見した水温15~45度にすむ「ソラリス株」、冬は九州で見つけた水温4~25度でも育つ「ルナリス株」を使い分けることで、培養から抽出まで一貫生産できる体制を整える目途が立ったようです。
まぁ、藻とはいえ、生き物ですからね。やはりそれなりの環境を整えないと駄目だということです。
如何に安定した生育環境を準備できるかが課題といえそうですね。
コメント
コメント一覧 (2)
藻の繁殖速度的な限界がネックなのですかねぇ?
kotobukibune_bo
t
がしました
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