今日も雑談を極々簡単に……



2016年3月15日、人工知能が囲碁でプロの高段者を破る快挙を成し遂げました。

グーグル傘下のDeepMindが開発した囲碁AI「AlphaGo」が最強棋士の一人であるイ・セドル九段と、5度対局し4対1で圧勝しました。

最近まで、AIは囲碁のトップ棋士に勝てない、少なくとも10年はかかるだろうと言われていたんですね。

チェスでは、どの局面でも平均で35通りの打ち方があるのに対して縦横19路の碁盤では、それが250通りになります。その次の手はその一つあたりまた250通りの手があります。つまり星の数より多い手を読まなくてはならなくなります。機械ではその処理が追いつかないとされていたからです。

2014年初めに日本でAIとプロ棋士が対局するトーナメントが行われたのですけれども、当時最強ソフトの一つであった囲碁プログラム「Crazystone」は依田紀基九段と対戦し、勝利を収めています。ただこれは、依田九段に4子置かせて貰っての勝利でした。つまり完全な平手ではなかったのですね。

この時「Crazystone」の開発者であるレミ・クーロン氏は「機械がハンデなしで最強の人間を打ち負かすにはあと10年は必要だろう」とコメントしていたのです。つまりそれ程先は長いを思われていたのですね。ところがわずか2年後にその日はやってきました。凄いものです。

今回開発された「AlphaGo」はこれまで各種のAIソフトが辿ってきた道とは違うアプローチで開発されました。"ディープラーニング"と呼ばれる手法です。

ディープラー二ングとは、ハードウェアとソフトウェアとのネットワークを介してある種の処理を行うために大量のデータを分析し、自己学習させるやり方です。

「AlphaGo」は3000万種類の棋士の手を学ばせたあとで、更にネットワークを介して自分のネットワークと少し異なる亜種のネットワークと擬似的に何百万回も対戦させ、自己学習させました。

それによって、どの手が良くてどの手が良くないかを学習したのだそうです。

今回のイ・セドル九段との対局で「AlphaGo」は人間からみればミスとしか思えないような手を指したにも関わらず、気が付けばそれが布石となって効いていたという局面が何度もあったそうです。解説者も「AlphaGo」の手が理解できず戸惑っていたと聞きます。

逆にいえば、囲碁はまだまだ開拓や新手を生み出す余地が沢山あるというこのように思ったりしますけれども、もしもそうだとしたら、それを「AlphaGo」が先取りして打っていたということなのかもしれません。

大量のデータ処理による自己学習。人工知能はこれからもっと進化していきそうですね。

コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. 白なまず
    • 2016年03月18日 09:25
    • alphaGoのディープラーニングがビッグデータの処理で勝つ為の布石を人間以上に探索できるから勝てたと言うのなら、無限に記憶能力と瞬間に処理できる計算能力があれば、必ず勝つと成るように思えます。しかし、実際のAlphaGoのハードは有限な能力だし、計算能力もスーパーコンピュータは使ってないとするならば、精々PC数十台分で、それでも、勝てるのならば、全ての可能性を探索すると言うより、いち早く駄目な手を見切る事が大事なのだと思います。そして、ディープラーニングにより新たな定石を見つけたのであれば、人間もその定石を解析し理解し会得するでしょうから、今回の対戦で人間も能力が向上したのではないでしょうか、だから、今後さらに新たな定石を見つけ出さない限り、人間は直ぐに追いついて、意外と次の対戦では引き分けくらいになるかも知れません。それから、機械にはネット上のデータしかアクセスできませんが、人間には天才と呼ばれるような人に共通の天与の知恵といいますか、天使の囁きといいますか、スピリチュアルな世界との交信が可能な特別な状況になれば一人ではなくなり、それこそ数百万の魂と心がつながる無心の状態になれば機械も予測できない手を打てるはずです。天文学が望遠鏡の進化で進んだように、ゲームの世界も計算機により進めるのは面白いですね。ライバルが居る時はライバル同士で高め合い、最高の座に居て一人で次の段階へ挑戦する人にとっては機械が鏡となるのでしょう。
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