今日はこの話題を極々極簡単に……
6月29日、萩生田光一官房副長官は記者会見で、17日に中国軍機が日本に向けて南下し、航自のスクランブルに対して「近距離のやりとりがあった」と明らかにしました。
複数の政府関係者の情報からどうやら、両機は互いの背後に回ろうと追尾し合う「ドッグファイト」のような状態に陥っていたようです。
これは、28日に織田邦男元空将が中国軍の戦闘機が空自の戦闘機に対し「攻撃動作を仕掛け、空自機がミサイル攻撃を回避した」と公表したことを受けてのものであろうことは確実ですね。羽生田官房副長官は「攻撃動作やミサイル攻撃を受けた事実はない。……国際社会に与える影響も大きく、書かれた内容は遺憾だ」と述べていますけれども、背後につく行動自体非常に危険なものです。いつでもロックオンして撃ち落とせる訳ですからね。
それに一瞬背後につかれるだけであれば、防御起動を取って回避すればそれで済むのですけれども、回避されても追尾して、何度も何度もしつこく背後を取ろうと起動すると、それが「ドッグファイト」です。
空自機は自己防御装置を作動させたということですから、チャフやフレアを撒いたのでしょう。
チャフとはレーダーが開発されて以来、古くから使用されるミサイルのレーダー誘導を妨害する方法です。やり方は至って簡単で、沢山のアルミ箔を散布するだけです。これでレーダーを攪乱してミサイルのロックを逸らさせてやります。
もう一つのフレアというのは、マグネシウムなどの金属粉末を燃焼して赤外線を発生させ、赤外線誘導ミサイルに対してロックを逸らせるというものです。
空自のF15-Jには、「J/APR-4A」と呼ばれるレーダー警報受信機[RWR(Radar Warning Receiver)]を搭載しているのですけれども、この装置が「チャフ」や「フレア」の射出警告を行います[AN/ALE-45J(チャフ・フレアディスペンサー)]。
F-15Jのレーダー警報受信機は、機体に取り付けられた4個のアンテナが受信した電波をデジタル処理しコンピュータ分析に掛けて脅威判定を行いそれを警報音でパイロットに知らせます。次の3パタンがあるようです。
1.新しい脅威 ピーという連続信号が4秒間
2.注意 ピー、ピー、ピーという断続した連続信号
3.発射 ピ、ピ、ピという断続した連続信号
ここで大事な事は、レーダー警報受信機(RWR)がやってくれるのは、脅威の警告だけで、「チャフ」や「フレア」の射出の判断はパイロットが行うようなんですね。
スロットルにチャフ・フレアの射出スイッチがついていて、上にあげれば事前に地上で設定したプログラムで発射し、下にさげれば、全ての脅威に対して最も効果があるプログラムで投下されるようです。けれども射出するかどうかの判断はあくまでもパイロットに委ねられているようです。
※但しこれはF15の場合であって、他の機種は分かりません。
今回の事件で、F15のパイロットがどういう判断をしたのか分かりませんけれども、少なくともレーダー警報受信機(RWR)が脅威の警告を出す程度には危険だった筈です。それを考えると、羽生田官房副長官が言った「攻撃動作やミサイル攻撃を受けた事実はない」というのはどこまで本当なのか少し疑問が残ります。
7月4日、今回の事件について、中国国防省は「日本のF15戦闘機2機が高速で接近挑発し、火器管制レーダーをわが方に照射した」と、日本側が「挑発行動」を仕掛けたと、白を黒と言いくるめる談話を出しています。
今回の事件は「中国は世界の脅威である」ということをはっきりと世界に知らしめました。そんな国が隣にある。国を護るためにやるべきことをやらなければ、滅びるのは私達です。それが現実であると知らなければならないと思いますね。
コメント
コメント一覧 (1)
日本の政治家の面倒を避けようとする姿勢だ.
参議院選挙への影響を考えて鎮静化を図っている
のだろうが, 結果は逆効果でしかない.
なんだ, 安倍政権も嘘付党政権と変わらないではないか.
事実を事実として淡々と述べることにより
国民の政府への信頼が高まり,
九条の第二項を無くそうと言う国民の動きが出る.
kotobukibune_bo
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がしました