昨日に関連してこの話題です……



7月5日、尖閣沖合で中国海警局の船3隻が日本の領海に侵入しました。

第11管区海上保安本部によると、尖閣諸島の魚釣島の沖合で中国海警局の船3隻が相次いで日本の領海に侵入、およそ2時間にわたって領海内を航行したあと正午ごろ領海から出たとのことですけれども、依然、南小島の南南西およそ30キロの日本の接続水域を航行していて、海上保安本部が再び領海に近づかないよう警告と監視を続けているようです

先日の領海侵犯といい、着実に踏み込みを深くしてきています。

一部にはいよいよ尖閣への上陸を狙っているのではないかという指摘すらあります。

中国に関するニュースを報じる「世界論壇網」というサイトが6月27日、中国人民解放軍海軍の071型揚陸艦「長白山」をはじめとする15枚の写真を掲載。うち9枚には国営メディアのクレジットが入り、複数の水陸両用車などが陸に向かう様子が映し出されていたそうです。

071型揚陸艦については、2012年のエントリー「中国が増強する強襲揚陸艦」で取り上げたことがありますけれども、海自の「ひゅうが」並の排水量を持つこの揚陸艦は既に4隻が就役し、更に2隻が昨年起工しています。

ただ、元警視庁通訳捜査官で作家の坂東忠信氏によると、「世界論壇網」が掲載した写真は、今年5月21日にタイとの合同演習時の際に撮影されたものだそうです。それを今この時期に出してくるのには意図があるのではないかと指摘しているのですね。

前述の坂東氏は「これまでは、日本の選挙期間中に軍事行動を活発化させれば、保守政党が支持を伸ばし、親中派のリベラル政党のマイナスになるため、中国軍は目立った行動はしなかった。今回は違う。軍事行動のレベルを上げ、メディアでもアピールしている。『いまなら東シナ海の覇権を握れる』と踏んで行動しているのではないか……参院選の最中に、尖閣諸島の魚釣島や、周囲の岩礁に上陸する可能性もあるのではないか。やるとすれば、日本政府が対応を取るのが難しい投開票当日が危ない。上陸後は危険を避けるため、すぐに立ち去るだろうが、石碑などを残していき『自分たちの主権がこの島まで及んだ』と国際的にアピールするかもしれない。中国は、韓国が不法占拠している島根県・竹島を念頭に置いているようだ」とコメントしています。

坂東氏が指摘する参院選の最中を狙ってしかけてくるというのは、十分考えられます。無論、日本政府が動きにくい時期であるからです。十分警戒が必要です。

また、その一方で、自分勝手なゴリ押しアピールを平然とするのが彼の国です。

中国政府は海南島の沖合から西沙諸島一帯にかけての南シナ海の海域で、7月5日から11日にかけて軍事演習を行うと発表し、この期間、他の船舶がこの海域に入らないよう警告しました。これは12日に例の南シナ海の領有権を巡ってフィリピンが国際仲裁裁判所に申し立てを行った件の判断が12日に下されることから、その前に領有権の主張をアピールするために行っていると見られています。

けれども、これは、南シナ海で軍事演習をやるといって、航行するなと警告して、他国の船舶が航行しなくなれば、それだけで事実上の海域封鎖ができてしまうことになります。これは由々しき事態です。

何度もいっていますけれども、日本にとって南シナ海はシーレーンです。ここを封鎖されてしまったら、中東の石油・ガスは大きく迂回しての調達となります。大幅コストアップは間違いありません。

元より中国は国際仲裁裁判所の判決に従わないと宣言しています。つまり判決が出たあとも今回と同じように勝手に軍事演習をして、勝手に海域封鎖しないとも限らないのですね。

日本も現実を直視して、備える必要があると思いますね。
 

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