今日は昨日の続きです。
12月28日、安倍総理は、ハワイでオバマ大統領と首脳会談を行った後、アリゾナ記念館を訪れて献花、スピーチを行いました。
両首脳のスピーチ全文はこちらにありますけれども、報道各社は概ね好意的に取り上げているようです。
ニューヨークタイムズは「日本の首相が真珠湾を訪問し哀悼の言葉を捧げる」との見出しで報道。安倍総理のスピーチについて、犠牲者に哀悼の意を示したが「謝罪の言葉はなかった」としながらも、オバマ大統領が今年5月の広島訪問時のスピーチで、原爆投下について謝罪しなかったことについても言及した上で、とりわけオバマ政権下の外交政策において、安倍首相はアメリカとの協力関係を築き上げた」と伝えていますし、ワシントンポストも過去の行為について謝罪をしなかったと伝えるも、安倍首相は犠牲者の魂に哀悼の意を捧げ、「日本が平和の道を歩み続けることを誓った」と好意的に伝えています。
更に、CNNは、安倍首相の真珠湾訪問を「歴史的訪問」だと報じ、75年前の真珠湾攻撃を近くで目撃していたというロバート・リー氏のインタビューも掲載。「安倍首相の真珠湾訪問は、日米関係の『癒しの最高潮』だ」とのリー氏の声を伝えています。
また、アメリカ以外でも安倍総理の真珠湾訪問は広く報道されたようです。
イギリスのBBCは、安倍総理の真珠湾訪問は「画期的な出来事」とし、安倍総理が発表した所感の一部を紹介した上で、「予想通りだが、真珠湾攻撃に対して謝罪の言葉はなかった」と伝えています。
昨日のエントリーでも述べましたけれども、やはり、多くの海外メディアは、今回の訪問をオバマ大統領の広島訪問への返礼と見ているようです。
ブルームバーグは、安倍首相から真珠湾攻撃についての謝罪はなかったとした上ででやはり謝罪抜きだったオバマ大統領の広島訪問に合わせた、和解のジェスチャーとしての訪問であったと説明。フィナンシャルタイムズも、オバマ大統領の歴史的広島訪問の半年後ということもあり、安倍総理の真珠湾訪問は非常に象徴的なものだと評しています。
また、今回の訪問の成果として、ブルームバーグは、領土問題などでより強引さを見せる中国が台頭するなか、安倍首相は唯一の軍事同盟国であるアメリカとのつながりを政権発足以来強化しようと努めてきたと評価。カナダのグローブ・アンド・メール紙も、軍事力で威圧してくる中国に対して、アメリカを後ろ盾にした日本にはまだまだかなわないという警告の意図もあったのではないかと分析する一方、日米同盟にタダ乗りしていると日本を批判するドナルド・トランプ氏に、アメリカの真の友は誰かを念押しする意味もあると指摘しています。
印象としては、今回の訪問で日米同盟の強さが改めて確認されたことに着目し、その効果について評しているという感じですね。
要するに、日米の和解は既に為されていて、その前提で今後どうなっていくかという観点で見ているということです。
これに対して、和解してはいないと未だに頑張って主張している国があります。いわずとしれた中国です。
中国の環球時報英語版は、日本の第二次大戦中の行いを清算するため、安倍総理が真珠湾訪問を利用しようとするなら、それは「希望的観測」で、誠実な反省だけが和解の鍵だ、という中国外交部のコメントを掲載。また、安倍総理の興味はアメリカとの和解だけだとしてアジアの国々も同等に見るべきだ、という批判の声を取り上げています。
明らかに和解していないという前提に立った記事ですね。和解している事を認めたくないという気持ちが滲み出ています。これは、中国共産党政府がどうにかならない限り変わる事はないように思いますけれども、欧米メディアが分析するように、日米同盟が盤石である限り、中国とて軍事的においそれと手出しは出来ません。
だから、批難・中傷を繰り返して日米分断を図ってくる。その狙いを読み取った上で対応する。そうした事が大事だと思いますね。
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