今日はこの話題です……
12月27日、韓国の次期大統領候補である、最大野党「共に民主党」の李在明氏が外国メディアを対象にした記者会見で、日本について「武力で侵攻、占拠した侵略国家だ……今の態度からみると、軍事的に敵対性が完全に解消されたとはいえない」とし、北朝鮮については「(金正恩委員長と)当然、会わなければならない」とこれまでの北朝鮮政策を大幅に見直す考えを示しました。
相変わらずの発言ですね。
李在明氏については、以前「李在明が大統領になったらどうなるか」で述べたことがありますけれども、「韓国のトランプ」とも呼ばれている李在明氏は、日韓軍事情報包括保護協定や慰安婦合意に反対していますけれども、その理由として「韓国国民が望まないものを正統性のない政治権力と合意をしても、損失をもたらす」と韓国世論を上げています。
件のエントリーで筆者は李在明氏についてポピュリズム的な傾向があるのではないかと述べましたけれども、昨年結ばれた慰安婦合意に対する韓国世論は否定側に触れ始めています。
12月29日、世論調査会社のリアルメーターが成人525人を対象に実施した調査では、慰安婦の日韓合意について、「破棄すべきだ」と回答した割合が59%に上ったのに対し、「維持すべきだ」は25.5%と、去年の合意直後の調査で、「合意は誤りだ」が50.7%と8ポイント以上上昇し、「評価する」の43.3%から18ポイント近く減少しています。
これは、朴政権に対する批判的な世論を反映したものだという見方もあるようですけれども、当事者の想いがどうなのかを置き去りにした意見だとしたら意味がありません。
日韓合意によって設立された「和解・癒やし財団」は12月23日までに、財団から癒やし金を受け取る意思を明らかにした34人の生存被害者のうち、29人に1億ウォンずつの支給を終え、追加で2人にも年内に支給を完了する計画だと明らかにしています。
要するに、所謂元慰安婦は、日韓合意を認めている訳です。
李在明氏はこれを引っ繰り返すといっている。ムービングゴールポストどころか、ゴールなんて無いのだと言っているようなものです。
12月2日のエントリー「デリート・ザ・ゴールポスト」で、次期大統領候補は、日韓軍事情報包括保護協定や慰安婦合意を最初から無かったことにすることを公約にするのではないかと述べましたけれども、まさにやっている訳です。
けれども、日韓合意はアメリカ立ち合いの下、交わされた二国間合意です。これを世論を理由にちゃぶ台返しするということは、前の政権で結ばれた合意事項を次期政権が引き継がずに反故にするということです。
前政権までの合意事項を踏襲しつつ、新たな見解を"上書き"するのとは訳が違います。本当にこのちゃぶ台返しをするのかどうかは分かりませんけれども、もしやってしまったら、韓国の国際的信用はゼロになりますし、外交交渉にも大きくマイナスになることは間違いありません。
李在明氏の過激発言が、単に大統領への票集めの為のものであり、大統領になれば現実路線になるのであれば、まだやりようがあるかもしれませんけれども、それまで煽りに煽った韓国世論を抑えることができるのか。
今はまだ様子見するしかありませんけれども、あまり良い未来図は浮かびませんね。
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