今日はこの話題です。
1月20日、アメリカのトランプ大統領が、米連邦議事堂で開かれた式典で宣誓し、正式に第45代米大統領に就任しました。
就任演説の内容は既に色んなところで報じられていますから、詳しくは触れませんけれども、一言でいえば、やはり「アメリカ・ファースト」の一言に尽きると思います。
トランプ大統領は、かねてからの宣言通り、TPPからの離脱を表明。NAFTAの再交渉にも触れました。更にオバマケアの撤廃に向けた大統領令に署名。各省庁に現行制度による経済的負担を軽減するよう指示しました。
「オバマケア」 とは アフォーダブル・ケア・アクト(ACA)という、アメリカの医療保険制度を改革する法律のニックネームで、より多くのアメリカ国民に医療保険に加入してもらう主旨で設けられた法律です。このオバマケアによって保険に加入していない人でも職場を通じて自分の保険を買うことができるようになります。この法律は2010年3月にオバマ前大統領が署名しました。
共和党は国民皆保険につながるオバマケアを「社会主義的」として批判。1月13日にアメリカ下院はオバマケアの撤廃手続きを容易にする予算決議案を賛成227、反対198の賛成多数で可決しています。
オバマケアの廃止の是非は兎も角として、いきなりの方針転換。「チェンジ」を唱えたオバマ大統領より、トランプ氏の方がずっと「チェンジ」するのではないかとさえ思わせますね。
けれども、トランプ大統領への支持は芳しくありません。
1月17日、ワシントン・ポストは最新の世論調査で、トランプ次期大統領に対する印象が「好意的でない」と回答した人が54%で、「好意的」の40%を上回るなど、就任直前としては、「過去40年以上で最も不人気」と報じています。
更に、「大統領としての資質を備えていると思う」と答えたのは44%、「備えていない」の52%とここでも不人気ぶりが見て取れます。
これは、他の世論調査でも同じで、米ギャラップ社の世論調査でも、半数を超える51%が「支持しない」と回答しています。
就任直前の大統領に関する調査が始まった1992年以降、歴代の支持率はクリントン氏が68%、ブッシュ氏が61%、オバマ氏が83%あったことを考えると苦難のスタートといっていいかもしれません。
実際、就任式が行われた20日、ワシントンの中心街で抗議デモが警官隊と激しく衝突し、警察官2人が負傷し、200人を超える人々が逮捕されるという事件が発生しています。
デモ隊についてロイターによると、黒い服を着て覆面をした約500人の集団がトランプ大統領の就任に抗議して、「MAKE RACIST AFRAID AGAIN(差別主義者を再び恐れさせる)」などと書かれた旗などを掲げて行進。一部がスターバックスやマクドナルドなどの飲食店や銀行の窓ガラスを割ったり、車を破壊したことから、警官が一部で催涙ガスを使い、衝突が起きたようです。
黒服に黒覆面など、どこのイスラム過激派ですかといわんばかりの出で立ちで、器物損壊をしたのですから、逮捕は当然の処置です。
ただ、トランプ大統領が歴代の大統領よりも遥かに人気がないことは確かで、先の暴徒化したデモ隊を考えると、トランプ大統領は、就任後100日間のいわゆる「ハネムーン期間」なしで大統領職を始める懸念すらあります。
彼らを黙らせるにはもう結果を出せるかどうかのほぼ一点のみと言っていいと思われます。多難のスタートですね。
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