今日はこの話題です。



8月21日、アメリカのイージス艦「ジョン・S・マケイン」がシンガポール近くのマラッカ海峡で商船と衝突しました。

米海軍によると、衝突により左舷の船尾部分が損傷したようです。

この事故について、アメリカ海軍、制服組トップのリチャードソン作戦部長は、「ここ3ヶ月で2回目の衝突事故だ。より徹底的な対策が必要だ」と述べ、アメリカ海軍は安全対策徹底のため全世界に展開する7つの艦隊の運用を、1日から2日、一時停止すると発表しました。

リチャードソン作戦部長が、3カ月で2回と述べた1回目は、2017年6月、伊豆半島沖で、同じイージス艦「フィッツジェラルド」がコンテナ船と衝突した事故です。

短期間に同じような衝突事故が起こるなどちょっと気になります。

ただ、今回の事故と前回6月の事故は、共に、単なる事故とは少し違っているという指摘もあります。

今回の「ジョン・S・マケイン」の事故について、アメリカ海軍当局者によると、衝突直前に操舵不能に陥り、衝突後に回復した形跡があると述べています。

また、6月の「フィッツジェラルド」の事故についても、アメリカ海軍のモラン作戦副部長は、「艦橋の乗組員らがいずれかの時点で状況認識ができなくなった」と指摘しています。こちらのブログでは、衝突直前に"ブラインド"になったとし、"Was this a Chinese attack on the US navy?"とあからさまに疑念を呈しています。

わずか数か月の間に同じ様な衝突事故が起こり、どちらも衝突直前にイージス艦のシステムに異常が発生している。しかも、「フィッツジェラルド」も「ジョン・S・マケイン」も横須賀基地を拠点とする第7艦隊に所属し、どちらも南シナ海での「航行の自由」作戦に参加している。推理作家でなくても、中国によるサイバー攻撃を疑ってしまいます。

もし、この事故が中国によるサイバー攻撃だったとしたら、その意図はいうまでもなく、南シナ海に介入するなという警告以外考えられません。

今回の「ジョン・S・マケイン」の事故を受けて、アメリカ海軍のリチャードソン作戦部長はイージス艦がサイバー攻撃を受けたことを示す証拠は現段階で見当たらないと説明した上で「調査では全ての可能性について探る」と述べています。

もう、明らかに疑っていますね。

6月の「フィッツジェラルド」の事故について「落ち度はわが方にあった」といっていました。7月にCNNが米軍当局者の話として「フィッツジェラルドの乗組員が衝突を回避する作業を怠るなど複数の過失が原因だった可能性がある」と伝えています。CNNが報じたとおり、本当に乗組員が見張りをサボっていたのかもしれませんけれども、サイバー攻撃を受けてレーダーや航法装置を無力化された結果の衝突だったとしても、"アメリカ海軍の落ち度"だと言おうと思えば言えますね。

事実8月23日時点でも「フィッツジェラルド」の衝突原因は調査中となっています。

これらの事を考え合わせると、筆者にはやはり単なる事故として片づけられないのではないかと思えます。

米中の激しい冷戦は既に始まっているとみたほうがいいのかもしれませんね。
 

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