今日は感想エントリーです。



11月10日、アメリカ政府関係者が、先日トランプ大統領が訪韓した際の晩餐会で、いわゆる日本軍「慰安婦」被害者イヨンス氏を招待し、トランプ大統領と抱擁させた件について「米韓首脳間の親睦を深める場の国賓晩餐が、日韓の歴史論争の『政治の舞台』に転落したようで遺憾……米韓首脳が主人公にならなければならない席で、日韓の歴史問題が浮き彫りになって遺憾」とし「日韓メディアが今回のことを浮き彫りにさせるのを自制してほしい」とヘラルド経済に述べました。

流石にアメリカも韓国に利用されたと気付いておかんむりです。

11月9日、マーク・ナッパー駐韓アメリカ大使代理は記者会見で、「単純に人間的なジェスチャーだったと見ればよい。これを政治的な視点で見たくない。トランプ大統領はただ来賓を歓迎しただけ」と説明。竹島産のエビが含まれた夕食会のメニューに対する評価について「おいしい食事だった」と笑顔で述べ、明確な回答を避けています。

どうやらアメリカは韓国の態度に政治的意図はなかったことにしておくという対応で済ませようとしているようですね。

ただ、表向きはそうではあっても、本音は別です。政府関係者は「遺憾である」と外部メディアにリークしたということは、政府レベルではそれ以上の抗議があったであろうと推測されます。

10日、韓国外務省の林聖男第1次官は国会での答弁で「首脳訪韓時のメニューや儀典関連の事項は儀典関連の部署が検討する」と竹島周辺で獲ったエビを"独島エビ"と称して出したことを外務省は関与していないと言い訳を始めています。

それにしても、近頃の文政権のアメリカに対する裏切り行為が目につきます。

米韓首脳会談後の共同声明には「トランプ大統領は相互信頼と自由・民主主義・人権・法治など共同の価値に基づいた韓米同盟がインド、太平洋地域の安保、安定と繁栄のための核心軸である」となっていたのですけれども、声明発表の翌9日、金顕哲・青瓦台経済補佐官がジャカルタでの記者会見で「日本がインド・パシフィックラインだとして日本・オーストラリア・インド・アメリカをつなげる、そのような外交的ラインを構築しようとするが、韓国はそこに編入される必要がない……韓国はそのような対決構図ではなく、この部分の戦略的な要衝地を戦略的に活用しなければならない」と話しました。

共同声明発表の翌日に、その声明を覆す発言を政権内部の人間が平気で行う。国家間の約束を如何に軽く見ているかの証左といえると思いますね。

また、8日、文正仁大統領統一・外交・安保特別補佐官は、個人的見解としながらも「南北関係がうまく解決すれば、韓米同盟にこだわる理由がない。韓米同盟にこだわる理由がなければ、韓中関係がギクシャクすることもなく、それでは中朝関係も改善するだろうし、そのような状況で米朝関係も良くなり、米朝、韓米、韓中、中朝、南北、このように好循環をもたらすだろう」と発言しています。要するに、南北対立さえなくなれば、アメリカとの同盟は解消すればいい、そうすれば中国と仲良くできる、という訳です。

おそらく、中国に対して約束したとされる「三不宣言」が効いているのでしょう。

アメリカはトランプ大統領のアジア歴訪の期間に合わせ、3つの空母機動部隊を日本海に派遣し、日米韓合同軍事演習を提案していたのですけれども、韓国の反対で結局米韓二ヶ国の演習となりました。

三不宣言の一つに「日米韓3ヶ国の軍事同盟に発展させない」というのがありますからね。そういうことなのでしょうね。

この文正仁大統領統一・外交・安保特別補佐官は同じく8日「三不宣言」について「私が考えるに、『三不』原則は常識的な主張だ。中国が言う『3つのノー(NO)』は、私が考えるに快く受け入れられるものだ」と述べた上で、「バランス外交は実は中庸外交で、中庸外交はあらゆる外交の根本だ。どちらかの側に偏りすぎれば、いわゆる隷属・従属・依存関係が生じ、そうなれば外交的に身動きが取れなくなる可能性ができる……韓米関係は同盟であり、韓中関係は戦略的パートナーであるため、それに合わせて行けば良い。韓米同盟は非常に重要だが、それにすべてを賭けたら、そこで支障が生じた時どこに行けばいいのか。だからリスク回避しなければならない……保険をかけるという意味からも、すべての国との関係を維持し、身動きができるようにし、外交的なすそ野を広げる必要がある。行き過ぎを避けるためにバランスという表現を使うことも可能だが、むしろ『中庸外交』と言った方が良かっただろう」と述べています。

いわば、公然と蝙蝠宣言をしているともいえると思いますけれども、その思考の根本にはやはり事大主義の匂いを感じます。

筆者は3年前のエントリー「生存戦略しましょうか」で韓国は生存戦略として事大主義を採用しているが、群雄割拠の時代には弱点となる、と指摘したことがありますけれども、正にそれにどっぷりと嵌っているように思えてなりません。

トランプ大統領が文大統領のことを指して「あいつは何を考えているんだ」と安倍総理に愚痴ったと言われていますけれども、かの国はまたまた事大主義に走っているということを念頭に置いておかなければならないと思いますね。
 

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