今日はこの話題です。
この程、日本政府は地上の目標を攻撃できる対艦巡航ミサイルを開発する方向で検討に入りました。
これは、防衛省が2018年度から研究を始める予定の対艦巡航ミサイルに対地攻撃能力の付加を計画しているもので、日本として対地巡航ミサイルを本格的に開発するのは初めてとなります。
といっても、要素技術の研究開始を来年度から行うというもので、平成30年度から平成34年度まで研究試作を実施、試験は平成34年度に行うとしています。
対艦巡航ミサイルはその名の通り、自身に搭載したレーダーなどによって攻撃目標に向かう精密巡航兵器ですけれども、アメリカのトマホーク巡航ミサイルがよく知られています。
トマホークは発射前に入力されたレーダー地図とトマホークに搭載されたカメラで照合しつつ飛び、途中で何度か軌道修正しながら目標に目標に到達・破壊するものです。
トマホークは使用する目標によって対艦攻撃用、対地攻撃用の主に二種類があるのですけれども、対艦攻撃用の射程460km程度あります。
トマホークの開発は、主にレイセヨン社が携わり、1970年代に開発がスタート、1980年から実戦配備され始めました。結構古い兵器なのですね。
それもあってか、トマホークの巡航スピードは800km程度で現代兵器としては遅い部類に入ります。昼間に発射すると、目視確認できてしまう為、対空砲で迎撃されてしまう危険があります。それゆえ、トマホークの発射は、探知されにくい夜に行うのが通例だそうです。
防衛省が今回開発する対艦誘導ミサイルはトマホークと共通点が多いことから、「日本版トマホーク」と位置付けているそうなのですけれども、無論、トマホークの「迎撃されやすい」弱点を補強するものになっています。
防衛省は今回の対艦誘導ミサイルを開発する理由の一つとして「現有装備品よりも射程及び残存性の大幅な向上を必要とするため、現有装備品の改善 や改修では対応が困難である」を挙げています。
防衛省は今回の開発について、次の技術的知見を得るとしています。
(ア)長距離飛しょう技術 射程を延伸するため、長距離飛しょうを実現する技術を確立する。機動力の向上とステルス化によって、迎撃されにくい誘導弾とし、更に射程を伸ばすことも研究するようです。
(イ)高機動化技術 残存性を向上させるため、誘導弾の機動性を向上させる技術を確立する。
(ウ)ステルス化技術 残存性を向上させるため、誘導弾のレーダ反射断面積を低減させる技術を確立する。
防衛省は、今回の開発事業説明として次のように述べています。
防衛省の施策である島嶼部に対する攻撃への対応等において、近年の我が国周辺国の水上艦艇の量的増強や防空能力向上に対して有効に対処するため、将来の対艦誘導弾に必 要である。統合運用下において遠方からの射撃機会増加のための射程延伸や、対艦誘導弾 のステルス化及び高機動化による残存性向上に関する要素技術の研究を行うものである。周辺国の水上艦艇の量的増強や防空能力向上に対応する為、となっています。もうどこの国を想定しているのか言うまでもありません。現実は既にその段階に入っているということです。
まぁ、漸くにして対艦誘導ミサイル開発着手といったところですけれども、現実に国土を護ることを考えると必要な装備は惜しんではなりません。国土を獲られてからでは遅いのです。
コメント
コメント一覧 (3)
kotobukibune_bo
t
がしました
時々拝見させてもらってます。
問題は、実戦配備するのが間に合うかどうかですねえ。
少なくとも8年前くらいにやってればねえ。
kotobukibune_bo
t
がしました
北朝鮮中国の戦略戦域核は、日本向け移動式発射台で報じられてて、
命中精度半径六百メートル❔九百メートルの爆弾って?
何とも時代錯誤の印象。
kotobukibune_bo
t
がしました