今日はこの話題です。
12月9日、北海道南部の松前町沖の無人島「松前小島」で見つかった北朝鮮の木造船の乗組員を窃盗の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは、いずれも北朝鮮国籍で、木造船の船長のカン・ミョンハク容疑者と、59歳と32歳の乗組員の男3人。
警察によると、3人は、無人島の小屋に設置されていた発電機のエンジンやテレビや小型バイクなどを持ち出したということです。警察は3人を警察署に移し、詳しい経緯を調べることにしているとのことですけれども、犯罪行為に対しては厳正に対処して当然です。
これについて、菅官房長官は「意図も含め、徹底して聞き取り調査をしている……北朝鮮の漁船と思われる船で、実は軍所有の木造船が日本海に漂着している例が、今月から見られ始めている。工作員など、いろいろな問題の可能性もあるので徹底して取締りを行っている状況だ」と警戒や取締りを強化していく考えを示しています。
逮捕された3人が乗ってきた木造船の「朝鮮人民軍第854部隊」と、ハングルと数字で書かれたプレートが取り付けられていたことが分かっていますけれども、これについて、北朝鮮経済に詳しい環日本海経済研究所の三村光弘主任研究員は「北朝鮮では軍所属のプレートが付いた船で漁に出ることは珍しくなく、乗組員も軍人ではなく、一般の漁業者が大半と見られる。そもそも、こうした軍所属のプレートをつけて特殊任務などを行う可能性は低いのではないか」と指摘しています。
また、マスコミも挙って「工作員ではない」と大合唱しています。官房長官が工作員の可能性について触れているにも関わらず、完全否定です。
けれども、たとえそうだったとしても、いや、だからこそ警戒すべきだと思います。なぜなら、こういった北朝鮮の船が漂着する事に"慣れて"しまうと、そこに本当の工作員を紛れ込ませた時に見逃してしまう可能性があるからです。
現に、北朝鮮の漂流船の乗組員で行方不明になった者も何人かいます。この中の誰かが工作員でないと断言できません。
逆にいえば、漂流漁船を毎日の様に送り込み、その中に本命の工作員を紛れ込ませることだって出来る訳です。
木の葉を隠すのは落ち葉の中の譬えの通り、100人の漂着民の中に1人の工作員を紛れ込ませてしまったら、どうするのか。見つけることはとても難しいでしょう。
高々1人の工作員で何ができるのか、という考えもあるかもしれませんけれども、安易に考えるのは危険です。
青山繁晴参院議員は「もしも上陸者ないしは侵入者、やむを得ず上陸した方も含めて、天然痘ウイルスに感染していた場合。北朝鮮が兵器化された天然痘ウイルスを持っているというのは国連の専門官の間でも常識であります。飛沫感染と言いまして唾で感染ります。……天然痘ウイルスはそうやって広がっていくので、もしも上陸者に一人でも感染させられた人がいたら、ワクチンを投与しない限りは無限に広がっていきます。その脅威は核ミサイルの非ではありません」とウイルステロの可能性があると国会で言及しています。
重要な指摘です。便衣兵を事前に発見するのは非常に難しいのです。その意味では、難民の中に武装難民を紛れ込ませてテロを起こすなんてのも同じですね。
たとえ可能性が低くても、可能性がある限りは対応を検討しておくのが政府の仕事です。100年に一度、1000年に一度にさえも備えるのが安全保障です。それを「コンクリートから人へ」などと人当たりのよい言葉で誤魔化し、等閑にしたらどうなるかは3.11で経験した筈ですね。
ましてや、今の北朝鮮の脅威は明日にでも起こっておかしくない喫緊の問題です。
政府にはしっかりと対応し、国民の安全を守るために全力を傾けていただきたいですね。
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