今日はこの話題です。



12月6日、最高裁は、NHK受信契約の義務規定について「国民の知る権利を充足させるための仕組みで、憲法上許容される」として合憲とする初の判断を示しました。

これは、2006年3月、自宅にテレビを設置した男性に対して、NHKが受信契約を結ぶよう求めたところ、男性がこれを拒否した件について、NHKが支払いを求めて起こしたものです。

一審、二審ではNHKの主張が認められ、男性が上告していました。

判決では、受信契約は義務とする一方、契約の開始時期については、「契約拒否者に申込書が到達した時点で自動的に契約が成立する」としたNHKの主張を退け、「NHKが裁判を起こしてNHK勝訴の判決が確定した時点で契約が成立する」としました。

もう既に色んな人が指摘していますけれども、これは、逆に言えば「受信料を払いたくない」という人は、NHKが裁判を起こさなければ払わないでも良い、ということです。

現在、NHK受信料の支払いを拒否している世帯は約900万世帯あると言われています。先の最高裁の判決も出るまでに11年も争ってきました。この900万世帯が全部が全部最高裁まで縺れこんで、それぞれ10年裁判で争われるとはいいませんけれども、仮にこの中のたった0.1%が裁判で争うことになったとしても9000世帯。

これらを裁判するだけでも費用も時間も掛かります。現実的には殆ど不可能でしょう。おそらく、NHKは今回の判決を錦の御旗にして、広く宣伝し、拒否者には裁判をすると内容証明を送るか、受信料徴収時にそういって、プレッシャーを掛けていくしかないでしょうね。そして見せしめ的に少しづつ裁判を起こす。そんなところだと思います。

今回の最高裁裁判の被告側代理人の高池勝彦弁護士は「最高裁の判断によると、未契約世帯は、テレビ設置時にさかのぼって受信料の支払い義務を求められるため、請求額が高額化する恐れがあります。一方、『受信機器』の定義を明確にしなかったので、携帯電話のワンセグ機能やインターネット放送についての受信料徴収の是非に関しては、結論が先送りされました」 と述べています。

NHKは「パソコンや携帯電話も受信料請求の対象」という主張をしています。今回の判決からいけば、ちゃんと契約を結ばなければいけなくなりますけれども、部屋で鎮座ましますテレビとは違って、NHKの受信料徴収者がやってきて、携帯があることを証明するのは非常に難しい。

それでもパソコン、携帯から受信料を取るのなら、家電販売店に委託して、販売時に契約を結ばせるとかするかもしれません。

ただ、それでも、その携帯やらパソコンでTV放送がみれるという前提があります。携帯はあくまで"電話"であって、"テレビ受像機"ではありません。ワンセグは"オマケ"なのですね。

目敏いメーカーの中には、わざとワンセグ機能を外して、テレビが見れない携帯を発売するかもしれません。

兎も角も、NHKが真っ先に考えるべきことは、NHKが嫌われ受信料支払いを拒否する人が、なぜ900万世帯もいるのかという事実です。

イギリスのBBCは、受信料の支払率が9割を超えているそうですけれども、専門家は「BBCの報道姿勢に対する、国民の評価に支えられている」と分析しているそうです。

果たして、NHKは国民の評価に支えられているのか。それに対する真摯な態度がない限り、NHKへの風当りは増々強くなるばかりでしょうね。
 

コメント

 コメント一覧 (2)

    • 1. kazusa
    • 2017年12月13日 08:37
    • こんにちは。
      今回の裁判はNHKを視聴している前提での裁判なので敗訴となりましたが新規契約の場合裁判に持ち込むにはTVが設置されていることをNHKが証明しなければ出来ないはずですので
      不可能だと思います。
      最悪、裁判に持ち込まれても覚悟があればその間TVを撤去すれば契約の前提がなくなるわけですから不起訴となるのではないですか。
      TV販売時の証明にしろ、ケーブルTV等にしろ個人情報保護法からは提供は難しいと思います。
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    • 2. 傍観者
    • 2017年12月13日 15:21
    • NHKは地震や大雨台風など災害時にしか見てないんだよね。
      国が専用の災害対応放送局作ってくれないかなあ。
      そうしたらNHK何か必要ないよ。
      NHKを完全民営化するか廃止するかした方が国民の負担も減るだろうね。
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