今日はこの話題です。



3月8日、金融庁は7社の仮想通貨交換業者に対し、行政処分を行いました。

行政処分を受けたのはテックビューロとGMOコインの登録業者2社と、コインチェック、FSHO、ビットステーション、バイクリメンツ、ミスターエクスチェンジのみなし業者5社です。

その内、FSHO、ビットステーションが1ヶ月の業務停止命令を受け、その他の業者は業務改善命令を受けました。

金融庁のサイトに行政処分について公開されていますけれども、FSHOについては「取引時確認及び疑わしい取引の届出の要否の判断を行っていない。また、取引時確認を検証する態勢が整備されていない」などと指摘。

ビットステーションについては、「100%株主であった経営企画部長が、利用者から預かった仮想通貨を私的に流用していた事実が認められており、資金決済に関する法律に違反するものとした」処分です。

随分酷い話です。流用された仮想通貨は数百万円相当で、すでに全額弁済されたのですけれども、ビットステーションは、この経営企画部長を懲戒解雇する方針。更に金融庁は経営企画部長を刑事告発する指示も出したようです。

金融庁は先月から、複数の仮想通貨交換事業者に改正資金決済法に基づき立ち入り検査をしていましたけれども、それに基づいた判断ということですね。内容をみれば処分も当然でしょう。

筆者的には、システムバグで、2000兆円相当のビットコインの売買をし、更に自社の取引所のビットコイン価格のみ大暴落をして、一部に「Zaif事件」とまで囁かれるテックビューロ社に重い処分が下るのではないかと思っていたのですけれども、業務改善命令で止まりましたね。

逆にいえば、業務停止命令が下された仮想通貨交換業者は相当悪質だったということですね。

ビットステーション社員が顧客資産を私的流用した件は論外ですけれども、FSHOの業務停止命令の理由に「疑わしい取引の届出要否判断」があるところを見ると相当怪しい取引があったと見られているということです。

また、業務改善命令の方も、業務改善計画の進捗を毎月金融庁に報告することになってますから、きっちり管理するということです。

今月19日からアルゼンチンで行われるG20財務相・中央銀行会議では仮想通貨の規制案が議題に上ると言われています。

ドイツやフランスはマネーロンダリングの観点から規制強化を主張していて、日本は、世界に先駆けて導入した仮想通貨交換業者の登録制などの取り組みを説明し、議論を主導する考えのようです。

今回の金融庁の行政処分も、あるいはG20を睨んで厳しく対応した可能性もあると思いますね。仮想通貨の規制についての議論を主導する積りなら、自国の管理が襤褸襤褸では話になりませんからね。

今回の行政処分には、巨額流出事件を起こしたコインチェックも入っています。2度目の業務改善命令になりますけれども、一ヶ月かそこらで二度も業務改善命令が下されるなど聞いたことがありません。金融庁は相当お怒りのようです。

一部にはコインチェックは計画倒産しようとしているのではないかと、まことしやかな噂まで一部で囁かれていましたけれども、金融庁が今回の行政処分で、顧客資産を流用したビットステーション社の社員を刑事告発するよう指示を出しています。それを考えると、コインチェック社に対する二度の業務改善命令は責任を取るまで許さないという意思すら感じますね。

今回の処分を受けて、コインチェック社は8日記者会見を行い、流出したNEMの補償の目途が立ったとして、来週中には報告するとしています。

仮想通貨については、昨年、2017年が仮想通貨元年だ、などと持て囃されていましたけれども、規制含めて、社会に定着するか否かのエポックメイキングという意味では今年が仮想通貨元年なのかもしれませんね。
 

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