今日はこの話題です。



3月14日、アメリカのトランプ大統領は、中西部ミズーリ州で行われた支援者による資金集めパーティーで約30分にわたり演説しました。その中でトランプ大統領は対韓関係について「我々はとても大きな貿易赤字を抱えているのに、彼らを防衛している。貿易で金を失い、軍事でも金を失っている……北朝鮮と向き合う韓国に3万2000人のアメリカ兵がいる。何が起こるか見てみよう」と述べ、韓国との貿易不均衡が改善しなかった場合、在韓米軍の撤退を検討する考えを示唆しました。

この発言は録音をもとにワシントン・ポスト紙が15日報じたものなのですけれども、ポスト紙は「貿易交渉が意のままにならなければ在韓米軍を撤収すると脅した」と論評しています。

ホワイトハウスはこの発言について、事実ではないと否定していますけれども、普段から放言しているトランプ大統領だけに、本人自ら否定しない限り、まわりはそう思ってくれません。

在韓米軍を巡っては、5月にも開催されると見られる米朝首脳会談を前に北朝鮮が撤退を要求していることから、それに対するメッセージでもあると見られていますけれども、それと同時に韓国との経済赤字を絡めて発言する辺り、絶妙ですね。

要するに韓国に対しては、我が陣営に属するのか、レッドチームに入るのか、行動によって示せ、と踏絵を迫るも同然ですからね。

トランプ大統領の発言について韓国では、11月の中間選挙を控えての強硬発言ではないのか、という意見も出ているようですけれども、このタイミングでこうした発言をされることの意味を分かってない筈がありません。

16日、トランプ大統領と韓国の文在寅大統領は電話会談しています。

トランプ大統領は「5月末まで」に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会談する意思があることを改めて表明し、引き続き「最大限の圧力」をかけ続けることで一致したと報じられています。

韓国政府は自らを米朝会談の仲介役を自認しているようですけれども、本当に仲介役を果たしているのであれば、アメリカ側から「仲介に感謝する」などのしかるべき発言があってよさそうなものです。相手が言ってないことさえも、自分の都合の良いように発表するなど、かの国では当たり前のように行われてきましたからね。

それらを考えると、トランプ大統領の韓国の位置づけは、米朝会談のカードに過ぎない可能性すら感じられます。

実際、米朝会談の下交渉は韓国抜きで進んでいる節があります。

北朝鮮は、李容浩外相はスウェーデン入りし、16日からスウェーデンのバルストロム外相との会談を続けています。当初会談は16日だけだったのですけれども、其の日には終わらず17日も続けて行われているようです。

スウェーデンは、北朝鮮と国交がないアメリカの窓口となる利益代表の役割も果たしていて、米朝首脳会談について調整が続いているとの観測がありますけれども、16日に李氏と面会したロベーン首相は記者会見で「我々が仲介役になれるならそうしたい」と述べているところをみると、やはりそういうことなのでしょうね。

ともあれ、米朝首脳会談が5月末までに行われる流れは固まりつつあるように見ていいかもしれませんね。
 

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