今日はこの話題です。
3月31日、河野太郎外相は高知市で講演し、北朝鮮について「核実験をやった実験場でトンネルから土を運び出し、次の核実験の用意を一生懸命やっているのも見える」と新たな核実験に向けた準備ともとれる動きを見せていることを明らかにしました。
河野外相は「核やミサイルを二度と動かすことができないようにしなければ、北朝鮮への対価はない。国際社会は一致している」と述べ、「日本は何もやらなくていいのかという評論家がいるが、何もやらなくて構わない。焦る必要は全くない……北が『さあ、平壌に来てください』と言って皆がこぞって行くようになったら、足元をみられる」と指摘しました。
北朝鮮に圧力を掛けることについては、安倍総理も北朝鮮が非核化に向けて「具体的な行動を取らない限り制裁は維持しなければならない」と引き続き圧力をかけていく考えを強調しています。
一方、中国はロシアと同様に圧力よりも対話を重視し、北朝鮮の核問題をめぐる6者協議の再開にも前向きです。日米は6者協議の枠組みでは北朝鮮に対する圧力が弱まりかねないとして、協議の再開には慎重な立場です。現にいままで6者協議を行ってきましたけれども何も変わることはありませんでした。
先日、北朝鮮の金正恩委員長が訪中し、中国の習近平国家主席との会談で「朝鮮半島の非核化に尽力する」と表明したとされていますけれども、外務省幹部は「北朝鮮の『非核化』は何を意味するかよく分からないと慎重な姿勢を崩しません。
北朝鮮の『非核化』については、経済・金融ニュース解説紙「MONEY VOICE」の4月1日付記事で、「北朝鮮の非核化とは北朝鮮の金政権が中国の傀儡政権に成り下がり、北朝鮮の核ボタンを中国習近平に渡すことなのだ」と述べています。
果たして、先の中朝会談でどんな話し合いが為されのかは分かりません。
ただ、デイリーNKジャパン編集長の高英起氏によると、3月28日、中国中央電視台が中朝首脳会談の様子を報じたそうです。放送の中で中国の習近平主席は、椅子に深々と座りながら始終余裕の表情を見せていたのですけれども、一方の金正恩委員長は前屈みになりながら、神妙な表情で話を聞きながら、ノートに懸命にメモ書きする様子が見られたのだそうです。
いつもの尊大な金正恩のイメージからは大分違う様子ですね。
その意味では、完全に中国に尻尾を振って、本当に核のボタンを習近平に預ける話をしたのかもしれません。或いは、万が一のときの亡命先として受け入れてくれるかどうかの確認をし、其の為の条件を突き付けられたのかもしれません。
ただ、こういった映像自身もフェイクで、中国の顔を立てることで、少しでも米朝会談を有利に進める演出の可能性もなくはありません。断定は危険です。
というのも冒頭で述べたように、北朝鮮が此の期に及んで核実験の準備に入っているという観測もあるからです。もしも、北朝鮮が核実験を行ったら、米朝会談など吹き飛び、米朝開戦の危険が高まります。
そのことは金正恩委員長も十分分かっている筈。では何故そのような行動に出るのか。
考えられることがあるとすれば、先の中朝会談で、習近平主席から厳しすぎる要求をつきつけられ、とても飲めないと意思表示をしたこと。この場合は亡命先は中国ではなくロシアになるでしょうね。
あと、もう一つ、可能性は低いものの、米朝会談での起死回生の一発狙いです。
それは何かと言うと、五月辺りに行われると見られている米朝首脳会談当日の核実験実施です。
2017年4月、米中首脳会談がアメリカで行われましたけれども、トランプ大統領は、習近平国家主席に対し、デザートを食べながら、巡航ミサイル「トマホーク」59発をシリアに発射する命令を出したことを伝えたそうですけれども、それと同じことを金正恩委員長がトランプ大統領にしようとするのではないか、と。
つまり、米朝首脳会談で、米朝平和条約なりを結び、調印したタイミングで核実験を実施する。そうすることで、アメリカに北朝鮮の核保有を黙認させる。
あまりにも突拍子ない話かもしれませんけれども、平和条約を結んだタイミングでやられたら、アメリカは、いやトランプ大統領はどうでるのか。
もちろん激怒して、平和条約を破棄し、即米朝開戦も有り得るでしょう。けれども、米朝二国間だけならともかく、既に中国が一枚噛んでいる可能性があり、さらにロシアが横槍を入れてくることが考えられます。
対話によって平和条約に漕ぎ着けたのだから、今後も対話を続ければよい、とアメリカに圧力を掛けてくることも考えられます。
かなり際どい、そして綱渡りなやり方ですけれども、人の裏をかいてくる金正恩委員長なら可能性はゼロとはいえません。
その意味では、やはり、万が一には備えておいた方がよいかと思いますね。
コメント
コメント一覧 (1)
彼らは共に在韓米軍の撤退を求めているが北の金正恩について特別の関心はない。
在韓米軍を撤退させる朝鮮の指導者には関心を持っているだろう。
朝鮮はユーラシア大陸のメンバーである。
北と南の話し合いが進んでいるように見えているが肝心の北と南の軍関係者の話し合いは何もない。
北と南の相互の軍事査察・検証が進まない限り、南と北の話し合いは茶番である。
それが進まない限り北の人権問題に進展はないと見るのが常識である。
韓国軍は南では政治と独立した組織である。
南の左翼政権は韓国軍に今まで手は出してはいない、むしろ韓国軍の近代化に手を貸してきた。
彼らに南の政権が必要以上の干渉をすることはムンジェインに深刻な事態をもたらす。
韓国軍の通常兵器の能力は北のそれを凌駕している。
韓国軍は在韓米軍の撤退を既に視野に入れている。
というのは核兵器と一部の軍事兵器を除いて韓国軍は独自の軍事兵器生産ラインも持っている。
韓国軍は戦前の関東軍を彷彿させるレベルにまで来ている。
もう少し忍耐を必要とするかもしれない。
いずれにしてあまり大手メディアの反応に一喜一憂しないこと。
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