今日はこのエントリーです。



5月10日、北朝鮮の機関紙「労働新聞」は、金正恩委員長とアメリカのポンペオ長官が面会したことを伝え、「朝米首脳会談の準備に向けて我が国を訪問した」と報じました。

記事の中で金正恩委員長は「来る朝米首脳の対面と会談が朝鮮半島の肯定的な情勢発展を促すと共に、素晴らしい未来を建設するための大きな第一歩を踏み出す歴史的な対面になるだろう……トランプ大統領の口頭メッセージを聞いて、大統領が対話を通じた問題解決に深い関心を持っていることについて高く評価すると共に、謝意を表した」としています。

更に、「朝米首脳会談の開催に向けた実務的な問題と、それに伴う手続きと方法が詳しく話し合われた……合衆国の国務長官と協議した問題について、満足できる合意をした」とも報じています。

また「朝鮮中央テレビ」は、金正恩委員長がアメリカが提示した「新たな代案」を高く評価したと伝えています。

訪朝を終え帰国したアメリカのポンペオ長官は「成功的会談のための環境をしっかり整えるため、いかに調整していくかについて実質的に対話する機会を持った……生産的で良い対話を行っている」と述べ、マティス国防長官も米朝首脳会談と非核化交渉について、「このような交渉が有益な結果に繋がるという楽観論には理由がある」とも述べていますから、それなりの手応えを感じているのかもしれません。

政府関係者の間では「議題について多くの対話をするなど、隔たりをかなり埋めたようだ」との見方が優勢のようです。

ここで注目すべきは、アメリカが提示したという「新たな代案」が何かということです。この代案について金正恩が高く評価し、満足できる合意をしたということは、北朝鮮にとっての要求が一定上通ったということでしょう。

では、その「新たな代案」とは何か。

これについて、日経新聞編集委員の鈴置高史氏は「完全非核化」と交換条件の「米韓同盟廃棄」だと指摘しています。

5月10日、トランプ大統領はポンペオ国務長官と、北朝鮮から解放された3人の韓国系アメリカ人を出迎えた際、記者から「何が最も誇らしい成果か」と聞かれ「これもそうだが、半島全てを非核化(denuclearize that entire peninsula.)できればそれが最も誇るべき成果になる」と答えました。

「北朝鮮の非核化」ではなく「半島全ての非核化」です。

鈴置氏はこの「半島全ての非核化」に着目し、「北朝鮮に加え韓国も含め非核化する――北朝鮮が非核化に応じれば、アメリカが韓国に差しかけてき核の傘も撤去する、つまり米韓同盟を廃棄すると示唆した」と指摘しています。無論、在韓米軍も撤退です。北朝鮮、引いては中国も願ったり叶ったりですね。

けれども、これは日本にとっては深刻な自体です。なぜなら日本が韓半島に対峙する最前線になるからです。

仮に、朝鮮半島の非核化が為され、米韓同盟が破棄されると、その次に起こることは半島統一への動きです。4月27日の南北首脳会談で結ばれた板門店宣言にも半島統一が謳われています。

半島統一を目指す際、そして万が一統一できた後も、統一朝鮮は間違いなく日本を敵視してくるでしょう。両国とも反日で纏まるからです。

400兆円とも500兆円とも言われる統一費用についても、統一朝鮮は間違いなく、日本にタカってくるでしょうね。

その時、日本はピシリと撥ね退けられるのか。たとえ、安倍内閣の間はちゃんと対応できたとしても、その後はどうか。筆者としてはそちらの方が心配ですね。

それにもっと注意すべきは、金正恩が統一朝鮮の指導者になった時です。

南北会談では、金正恩は文在寅大統領と仲がよいところを演出していましたけれども、彼は、伯父でも兄でも手に掛けて殺してしまう恐るべき独裁者です。それを忘れてはいけないと思います。

仮に統一朝鮮の指導者が文在寅大統領になったとしても、金正恩にとっては大したことではない。副指導者か何かになって待てばいいだけです。

なぜなら、待つことで、自らをこんな窮地に追いやったトランプ大統領も、面倒な相手である安倍総理もいなくなるからです。安倍総理が3選したとしても、たかだかあと三年かそこら。トランプ大統領も次の大統領選挙に勝って二期目を務めたとしても六年程度。文在寅大統領とて二期4年になったとしても最大8年。

都合10年も待てば、金正恩の時代がくるのですね。その時の日米が今の安倍総理とトランプ大統領と同じように統一朝鮮に対抗できる体制が組めている保証はありません。

金正恩はただ10年程度待ってればよい。そうして邪魔者がいなくなってから、またミサイルや核開発を再開すればよい。寧ろそのための時間を作るためにも、"統一朝鮮王"の座など、しばらく文在寅に預けておいた方がよい。それくらいの事は考えていると思いますね。

まぁ、文在寅大統領の方もが、中国の習近平主席のように大統領を終身制に変更することも考えられなくもありませんけれども、そのときは、伯父や兄のように分からぬように"消して"しまえば済むことです。金正恩ならやりかねません。

ですから、朝鮮半島が非核化されるのは一見平和が近づくように見えますけれども、日本にとっては由々しき事態。厳しい時代の幕開けとなります。

憲法改正は当然のこと、自分の国は自分で守る体制を確立し、統一朝鮮の恫喝をきっぱりと撥ね退ける。そうした国を作っていかなければならないと思いますね。
 

コメント

 コメント一覧 (5)

    • 1. らな
    • 2018年05月16日 07:29
    • いつも鋭い分析に感心しております。
      私たちもそれを訴えてきました。「自分の国は自分で守る。」でも道は険しいです。
      今後日本が独立国でいられるのか、某国の植民地になってしまうのか、江戸末期の頃のように、大きな変革の時代に直面しているのだと実感します。
      せめて、マスコミが某国らの悲惨な状況を人権弾圧の内容を流してくれたなら、平和ボケした国民も少しは目が覚めるのに。
      テレビの影響はいまだに大きいです。経済優先で目をつむっていては、痛い目に合います。
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    • 2. 金 国鎮
    • 2018年05月16日 11:35
    • 脱北者がアメリカの議会・ホワイトハウスに招待された時点で日本は気付くべきだ。
      次か北の収容所の問題が浮上してきた。
      その中には多数の北送された在日朝鮮人がいる。
      北送の当事者たちは今も日本の権力を握っている。
      官僚・大手メディアと日本人平民だ。
      戦後、天皇・皇族・旧日本軍に代わって登場してきた。
      その背後にアメリカがいる。
      アメリカは日本の体制保障を日本に要求するだろう。
      日本が北に相当の金額を払うのが当然という理屈だ。
      強欲な日本の正体を,安部晋三の正体をトランプが見抜いた。
      この男は政治には関心ないが金には敏感だ。
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    • 3. mony
    • 2018年05月17日 07:40
    • 金 国鎮さん
      毎回あなたの書き込みを見て思うのですが
      一度書いた文を見直しましょう。
      日本語としておかしい。意味がわからない。
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    • 4. 金 国鎮
    • 2018年05月17日 21:03
    • 私は他人の文章に一切何も言わない。
      分ろうと分るまいとどうでもいい。
      というのはこの程度の文章で分るとか分らないとか止めたら。
      アメリカは多民族国家だよ。
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    • 5. mony
    • 2018年05月17日 21:20
    • そんなことは自分のブログでやってくれ。よそ様のブログで意味不明なコメントするな。
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