更に続きです。



5月17日、北朝鮮・祖国平和統一委員会のリ・ソングォン委員長は国営メディアで、前日の16日に予定されていた韓国との閣僚級会談を中止したことについて、韓国政府が対話の再開を求めていることを「恥知らずだ」などと非難。「会談を中止させた重大な事態が解決されない限り、南の政権と向き合うことは容易に実現しない」と対話を再開する条件として米韓合同軍事演習の中止を要求しました。

また、翌18日には、今月23~25日に北朝鮮北部で予定される核実験場廃棄の式典を取材する韓国記者団の名簿の受け取りを拒否しています。

北朝鮮は韓国に対し強硬的な態度を誇示することで、アメリカを牽制する狙いがあるとみられています。まぁ、韓国を駒にして、アメリカの圧力を少しでも和らげることができたらというところでしょうね。いつもの北朝鮮といえば北朝鮮です。

ここにきて北朝鮮が強気に出てきた理由として、中国が後ろ盾に立ったからだという見方も出ています。

17日、韓国政府の当局者が明らかにしたところによると、今月7~8日に北朝鮮の金正恩委員長が中国の大連で習近平主席と会談した際、習近平主席が「米朝首脳会談の結果に関係なく中国が積極的に北に経済・外交支援をする」と約束したそうです。つまり、金正恩が強行姿勢に転じたのは中国がバックについたからだということですね。

14日には、北朝鮮の要人とみられる人物が平壌から北京国際空港に到着し、中国政府の国賓級用の車両に乗り市内に向かったことを消息筋が明らかにしています。

その目的は明らかにされていませんけれども、6月12日の米朝首脳会談や非核化の方法や経済支援などについてすり合わせるとの観測が出ています。

まぁ、中国としても、ここで北朝鮮に餌をぶら下げることで北朝鮮への影響力を維持すると同時にアメリカへの牽制の意味合いもあるでしょうね。中国が北朝鮮に支援を始めれば、今北朝鮮に掛けている経済制裁も大きく後退することになります。

現在、中国はアメリカとの貿易摩擦がありますけれども、あるいは、バーター取引的に、北朝鮮に対する経済制裁を続けたければ、米中間の貿易摩擦で譲歩せよと迫っている可能性も考えられなくもありません。

17日、トランプ大統領は記者団に対し、米中当局が協議を通じて両国の関係修復に努めていることを評価しつつも「それが成功するかどうかは疑問に思いがちだ。なぜなら、中国が非常に我儘になったからだ」と意味深なコメントを残しています。

また、トランプ大統領は、北朝鮮の非核化について、いわゆる「リビア方式」は適用しないと発言したとも伝えられています。無論、北朝鮮が「リビア方式」に反発していることを受けてのものでしょうけれども、「米朝首脳会談」を行う方針に変更がないことを北朝鮮に返信した形になります。

まだまだ水面下交渉は続き、激しい駆け引きが行われている状況だと見てよいかと思いますね。
 

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