更に続きです。
5月20日、北朝鮮のニュースサイト「朝鮮の今日」は23~25日の間に実施を予定している北東部豊渓里の核実験場廃棄について「朝鮮半島非核化のためにわが国が主導的に講じている非常に意義があり重大な措置だ」と強調しました。
このサイトは2014年に開設された、中国に本拠を置く北朝鮮政府系のニュースサイトで、ニュース以外にも北朝鮮の宣伝映像、歌曲、出版物なども提供しています。
サイトは韓国の保守勢力が核実験場廃棄について「廃棄ショー」などとけなしているとして、「北南関係改善を阻もうとする醜悪な妄動だ」と非難しています。
北朝鮮の核実験場廃棄がショーだということについては、アメリカも指摘していました。
クリントン政権下で1994年の米朝間の合意をまとめたガルーチ元国務次官補は、講演で、北朝鮮が2008年に核施設の冷却塔を爆破したものの、非核化につながらなかったことに言及し「実質的なものというよりは宣伝やショーの要素が強い。我々が非核化の過程で求めるべきものにはほとんど関係がない……北朝鮮は核計画を取引しない。平和をリースする用意はあるだろう」と指摘しています。
このようにアメリカからも韓国と同じく核実験場の廃棄はショーに過ぎないとの声があるのに、北朝鮮はアメリカをそれで批判せず、韓国を責め立てました。
北朝鮮は、核実験場の「廃棄ショー」での外国メディアの受け入れについて。韓国取材陣だけを除け者にしています。非常に分かりやすい分断工作ですね。
ガルーチ元国務次官補は、北朝鮮が核実験の停止と引き換えに見返りを求めることを「平和をリースする」とし、そのリース代は上がっていくだろう、と述べています。
流石に対北朝鮮交渉を担当しただけのことはあります。北朝鮮の手口を良く分かっています。
既に、北朝鮮は、外国メディアに対して豊渓里の核実験場訪問費用として1人当たり1万ドルを要求していると、外信が伝えています。
正にガルーチ元国務次官補が指摘する「平和のリース代」ですね。
親北の文在寅大統領が、北朝鮮の謂われるままに"リース代"を払い続けるのか。
流石に日米が黙っていないでしょう。
今月22日には文大統領はホワイトハウスでトランプ大統領と会談するそうですけれども、今回は同席者なしの単独会談になるようです。
文大統領は4月27日の南北首脳会談で金正恩国務委員長と板門店の「徒歩の橋」で単独会談をした内容などをトランプ大統領に直接伝えるとみられており、会談は「北の完全な非核化と韓半島の恒久的な平和定着を実現するための具体的な履行案、北が完全な非核化を履行する場合に明るい未来を保証するための案についても協議する予定」としています。
議題はもうそれしかない、というものであることは言うまでもありませんけれども、同席者なしのサシでの会談ということは、相当突っ込んだ話になるということです。
筆者としては、在韓米軍撤退は元より米韓同盟破棄の話さえもあり得ると見ています。ですから、文在寅大統領の返答次第では決定的な半島情勢が大きく変わることも念頭に置いておいた方がよいと思いますね。
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