今日はちょっと妄想が入ったエントリーです。



5月30日、沖縄の嘉手納基地にアメリカのF22ラプター6機が飛来しました。

沖縄防衛局によると、今回嘉手納基地に全部で14機のF22を約1ヶ月配備されるということです。

アメリカ軍は「地域の安全保障のために必要な期間滞在する」としていますけれども、軍関係者は「開催の調整が進められている米朝首脳会談を踏まえての対応だ」と述べています。まぁ誰が見てもそれ以外にはないでしょう。

30日、北朝鮮の金英哲・朝鮮労働党副委員長がニューヨークに入り、アメリカのポンペオ国務長官と会談、6月12日の米朝首脳会談開催を目指し、最終調整を行うとしています。

こちらのSkynewsでは、「北朝鮮の金泳高官とマイク・ポンペオ国務長官は、ニューヨークで『良好な』会談を行っている」と報じているところをみると、シンガポールでの会談をやる方向で進めているようですね。

ポンペオ国務長官のツイッターを見ても険悪な感じは見受けられません。

けれども、米朝首脳会談は北朝鮮の非核化をどのように行うかを交渉するためのものであって、開催することが目的ではありません。当然決裂することだって有り得ます。

先日、FNNは、米朝首脳会談が決裂した場合、武力行使に踏み切るしかないとの意向をアメリカが日本に伝えていた、と報じていますけれども、そんな重要なことがマスコミに漏れること自体、裏を返せばその通りにはならないともいえる訳です。

では、米朝首脳会談の結果に関わらず、アメリカは北朝鮮を攻撃することは絶対ないのか、というと必ずしもそうとはいえないと思います。

放置することは、北朝鮮を核保有国として黙認することになるからです。

では、どうするのか。

ひとつあるとすれば、斬首作戦があるかもしれません。

斬首作戦とはその名のとおり大将首を一気にとってしまうという作戦ですけれども、それをやって一気に終戦させる。そういう手が考えられます。

金正恩は米朝首脳会談の為にシンガポールまで専用機で来ますけれども、端的にいえば、それを撃ち落としてしまえば、それで終わりです。

会談が決裂したとして、金正恩が北朝鮮に戻る途中に、トランプ大統領が宣戦布告して金正恩専用機を撃ち落としてしまえばそれで終わりです。米朝戦争を行う場合、米朝首脳会談は最大のチャンスでもある訳です。

ただ、いきなり専用機を撃ち落とすとなると、それなりに北朝鮮本国からの報復攻撃も考えられますから、もしやるにしてももっとスマートにやると思います。

たとえば、金正恩がシンガポールから北朝鮮に戻る途中のタイミングでトランプ大統領が北朝鮮に宣戦布告する。沖縄から戦闘機を上げて、金正恩専用機に接触。そのまま沖縄の嘉手納基地に強制着陸させる。

同時に、半島周辺に展開している空母から艦載機を出して北朝鮮上空の制空権を確保。北朝鮮軍が反撃する場合はその拠点を精密爆撃で潰して置く。

そこで、沖縄で拘束された金正恩に降伏すれば平壌の空爆は行わないと伝え、北朝鮮を武装解除。金正恩は第三国に亡命するという作戦です。

これも一種の斬首作戦に当たるかと思いますけれども、多分、これが一番人が死なないシナリオではないかと思いますね。

ただし、これが成立するためには二つの条件があります。

一つは、米朝首脳会談に影武者でない金正恩本人が専用機で来ること。もう一つは北朝鮮軍部が金正恩の命令を聞かず暴発するということです。

金正恩には影武者が何人もいるといわれていますけれども、米朝首脳会談にやってくるのが影武者であれば、この作戦は成立しません。拘束したのが金正恩の影武者では人質にならないからです。

また、金正恩が自分の専用機ではなく、一度中国に寄って、習近平主席と一緒に中国機で往復する場合もこの作戦は使えないでしょう。中国は安全確保の名目で戦闘機を護衛につけてくると思います。もっとも護衛という意味では北朝鮮も戦闘機を出してくることもなくもありませんけれども、北朝鮮の骨董品まがいのミグなんちゃらではもとより米軍機の敵ではありません。しかも世界最強とも謳われるF22が相手ではどう転んでも勝てっこありません。

更に、仮に金正恩の専用機を沖縄に着陸させることが出来たとしても、金正恩に北朝鮮を武装解除させなければなりません。もしも、北朝鮮軍部が金正恩の命令を聞かず、暴発させてしまったら、ある程度の被害は覚悟せねばなりません。

北朝鮮は報復攻撃として、野戦砲によるソウル砲撃をするかもしれませんし、ノドンなどでの在日米軍基地なども狙われる危険があります。

後者については、米軍による先制攻撃で北朝鮮の攻撃拠点をある程度潰しておくことも出来るとは思いますけれども100%は難しい。やはりある程度は被害が出ると思いますね。

それ以上に気をつけるべきはやはり前者です。金正恩が専用機を使わずに他国の首脳を巻き込むケースです。

昨日のエントリー「米朝二国間協議になるよう巧みに手を打つアメリカ」で述べましたけれども、アメリカは中国に対して余計な手を出さないように釘を刺していますし、武装解除後の北朝鮮に中国が影響力を持てるのであれば、あえて北朝鮮に手を差し伸べないかもしれません。

けれども、ここでもやはり障害になるのは、空気を読まない韓国です。

既に文大統領は米朝首脳会談に合わせてシンガポールに乗り込む気満々です。おそらく、金正恩が一緒にシンガポールに行こうと声を掛ければ、ホイホイと韓国の専用機を出すでしょうね。そうでなくても、シンガポールからは一緒に帰ろうなどと言い出しかねません。

このようなアメリカによる"斬首作戦"については、金正恩は当然警戒しているでしょう。その意味では、韓国の文大統領の専用機に便乗して帰るといった"平和ムード"の演出を装う裏で自らの身の安全を確保しようとすることは十分考えられます。

果たして金正恩はどの飛行機でシンガポールにやってきて、どの飛行機で帰るのか。筆者はこの点にも注目したいと思いますね。
 

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