今日はこの話題です。



6月10日、新潟県の米山隆一前知事の辞職に伴う知事選が投開票され、自民、公明両党が支持する前海上保安庁次長、花角英世氏が、立憲民主、国民民主、共産、自由、社民の野党5党と衆院会派「無所属の会」推薦の元県議、池田千賀子氏ら2氏を破り、初当選しました。

マスコミ、野党が相も変わらずモリカケを叫ぶ中、事実上の与野党対決となり、特に野党は党首が揃い踏みで応援に駆け付け、総力戦の様相を呈していました。

いくら野党が強い地方とはいえ、党首が揃い踏みで応援など、余程の事です。彼らがそれ程、新潟県政を重視しているのかと思いきや、その応援演説の中身は「知事選の勝敗が安倍政権の命運を決める」だの何だの、国政のことばかり。

池田候補の応援に駆け付けた評論家の佐高信氏に至っては「安倍のバカなバカ騒ぎを打ち破るためにも絶対に勝たないといけない。自民党に天罰を、公明党に仏罰を」と安倍政権批判に終始。とても地方選挙の応援演説とは思えません。

そのくせ、池田候補のバックには「新潟のことは新潟で決める」の横断幕があるのです。新潟のことを新潟で決めたいのなら、国政のことなど二の次、三の次の筈です。地方選挙で政権批判ばかり繰り返してしまえば、本当に新潟の事を考えているのか、と思われても仕方がないですね。

一方、当選した花角氏陣営は「県民党」を掲げ、多くの県内市町村長から応援を受けていました。応援に入った与党幹部は街頭演説に立つことはなく、業界団体を個別にまわるなどの「裏方」に徹していました。僅かに応援演説に立ったのは青山繁晴参院議員などでした。

そんな中で花角氏が勝利した事実は大きい。もはやアンチ安倍では票が集められなくなったということです。

もっとも、花角、池田両候補が獲得した票を年代別に見ると、世代間で違いが浮き彫りになっています。今回の選挙では、60代から80代までの世代では池田氏への支持が上回る一方、20代から50代までの世代では花角氏への支持が上回っていたそうですから、アンチ与党の訴えは高齢者にしか刺さらなったということですね。

最近、若年層で自民党の支持者が増えているという調査結果が出ていますけれども、それがそのまま反映しているだけとも言えます。

特にネットを使いこなす若年層は、与えられた情報を鵜呑みにせず、自分で情報を取り、自分で考える層です。今回の新潟知事選でも、投票呼びかけがツイッター等で盛んに行われていましたし、候補の演説内容なども数多く拡散していました。

そうした結果、花角氏が勝利した。マスコミと特定野党が一年以上もずっとモリカケで安倍政権を叩いていたにも関わらず、彼らの推す池田候補は敗れた。ということは、もはや選挙は単なるムードで流されないようになったということですね。

立憲民主党の近藤昭一選挙対策委員長は「森友・加計学園問題にみられる公文書改ざんや虚偽答弁など、国民の不信感を増幅させた安倍政権への批判の声は今回の投票でも示された」と述べ、また、国民民主党の大島敦選対委員長も「池田氏への支持の広がりは、新潟における安倍内閣の危うい政治運営に異議を唱える声が広がっていたという証左に他ならない」との談話を発表しています。

確かに、異議を唱える声自体はあるでしょう。けれども、選挙において大事なのは、その声が多数にならなかったという事実です。

安倍政権への批判の声は広がったなどと主張する前に、野党6党が束になって掛かっても勝てなかった事実を受け止められない限り、彼らの未来は暗いと思いますね。
 

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