今日はこの話題です。
6月14日、安倍総理は総理官邸で拉致被害者家族会と面会しました。
安倍総理はその中で「私は北朝鮮に騙されない。1994年から拉致問題に取り組んできたが、何度もだまされてきた。北朝鮮の騙しの手口は分かっている……首脳会談をこちらがやりたいといえば、足元を見られる」と述べ、出席者の一人が「慌てないでください」と発言すると、安倍総理は「拙速にはやらない。北朝鮮が被害者をすべて帰すといったら行く」と答えました。
拉致問題解決に向けて、安倍総理は実に戦略的に動きました。
アメリカ、韓国に働きかけて、そちらから北朝鮮に拉致問題解決を促し、自分からは動かなかった。北朝鮮に決して足下を見せませんでした。
米朝首脳会談で、トランプ大統領は日本人拉致問題を取り上げ「完全な非核化を実現すれば経済制裁は解くが、本格的な経済支援を受けたいならば日本と協議するしかない」との旨を金正恩に説明し、「安倍総理は拉致問題を解決しない限り、支援には応じない」と伝えたとされています。
アメリカは体制保証と経済制裁解除のカード、日本は経済支援と手持ちのカードを分け、それぞれ非核化と拉致問題解決のカードと交換するように仕向けた訳です。これも予め安倍総理とトランプ大統領の間で示し合わせていたのでしょう。見事な連携プレーだと思いますね。
トランプ大統領の言葉に金正恩は「安倍晋三首相と会ってもよい。オープンだ」と答えたと伝えられていますけれども、日米の連携によって、北朝鮮の方から会いたいと言わせた訳です。
それが確認できたからこそ、日本からも日朝協議に向けて動きだせるようになったともいえると思いますね。
拉致被害者家族会の方々もそれは十分に分かっています。
家族会の増元照明氏は「国会議員の中で拉致被害者救出に一番熱心で北に対する考え方が間違ってないのも安倍総理が一番だと思ってるので金正恩との交渉の際は日本の総理として安倍さんに対峙して頂きたい。救出なしに支援は絶対するな、今年中にお願いしますと総理に申し上げた」と述べています。
また、横田めぐみさんの弟の横田哲也氏は「日本政府、安倍総理筆頭にご尽力頂いてる中で反対勢力というか、河野洋平さんのような見当違いの発言をする方もいる訳ですからそういう方に惑わされないように私達もブレずに政府と協力しながら進めていければと思ってる」と述べています。
更に、日本維新の会の足立康史議員によると、家族会の増元さんは、立憲民主の辻元清美議員を名指して、政局に利用しようとする動きを厳しく激しく非難。辻元氏らによる政局利用を阻むよう要請したそうです。
それはそうでしょう。辻元氏は拉致問題について過去に「拉致被害者を帰さないのは当然!北朝鮮には何も補償していないのに帰すわけ無いわ」などと言い放ったことがあります。国家犯罪を黙認するどころか金を出せ、です。現実にはそうであったとしても、公に口にしていい言葉ではありません。
既に、日本政府は北朝鮮当局との接触を始めています。
外務省幹部がモンゴルで開かれている国際会議に出席し、北朝鮮の政府機関関係者と短時間意見を交わし、すべての拉致被害者の帰国を求めるとした日本の立場を伝えたようです。
会議前の取材でこの北朝鮮当局者は日本と対話するのかと問われ、「話さない。日本との対話は謝罪や賠償がなければやらない」と言っていたようなのですけれども、まぁ、実際には交渉は始まっているとみていいでしょうね。支援が欲しいのは北朝鮮の方ですからね。
日朝首脳会談について安倍総理は、拉致被害者家族を前に「日朝の首脳会談については、拉致問題が前進していくものにならなければ意味がない。しっかりとそういったことも踏まえながら対応していきたい」と述べています。
しっかりかつ確実に拉致被害者を取り戻していただきたいと思いますね。
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