今日はこの話題です。



6月14日、アメリカ国防当局は8月に予定する定例の合同指揮所演習「乙支フリーダムガーディアン」中止に向けた最終調整に入ったと報じられています。

これはアメリカのトランプ大統領が12日に行われた米朝首脳会談後に合同軍事演習は「挑発的」であるとして中止する意向を表明していたものを受けてのものです。

14日、ハリー・ハリス前太平洋軍司令官は上院外交委員会の公聴会で、北朝鮮情勢について「首脳会談後に状況が劇的に変わった」と指摘。北朝鮮の非核化への行動を対話を通じて促すため「大規模な軍事演習は一時中止すべきだ」と述べました。

ハリス氏は大規模演習が凍結された場合でも、在韓米軍の通常の訓練を継続すれば米軍の即応性には影響が小さいとの見方を示したものの、北朝鮮の核兵器の脅威については「懸念は残る」としています。

同じく14日、アメリカのマティス国防長官は、韓国の宋永武・国防相と電話協議し、合同軍事演習のあり方に関して協議。更にマティス国防長官は小野寺五典防衛相とも電話協議し、アジア地域で米軍の即応性を維持する考えを確認しています。

まぁ、何をもって即応性と定義するのかは別として、例え即応性が確保されたとしても大規模な米韓合同軍事演習が中止されることは北朝鮮にとって非常に助かることは間違いありません。

アメリカと韓国は通常、3月に合同軍事演習「キー・リゾルブ」、4月に合同軍事演習「フォール・イーグル」を行ってきました。

特に今年は米軍からは最大1万7000人、韓国からは30万人超が参加するとも見られ、空母はもとより、原潜、ステルス機等が投入され、昨年は「斬首作戦」を想定した特殊部隊派遣も行われました。

但し、今年4月の「フォール・イーグル」では、米軍1万1500人、韓国軍約30万人が参加したものの、空母は派遣せず、演習期間も半分に短縮。規模を縮小しています。

それでも、何十万人規模の軍事演習は北朝鮮には大きな負担です。なぜなら、演習にかこつけて攻撃される自体に備えなければならないからです。

北朝鮮は例年、12月に約150人規模の冬季訓練を開始し、1月に1000人前後の大隊規模に拡大。2月に近づくと10000人余りの師団規模、3月には30000人から50000人の軍団規模の訓練を行います。

けれども、経済制裁を受け、困窮する北朝鮮にしてみれば、この万単位の軍の訓練は大きな負担になります。

北朝鮮は再三再四、米韓合同軍事演習の中止を要求してきたのも、自国の軍事演習による負担を支えきれなくなってきたこともあるのでしょうね。

その意味では、アメリカにとっては単なる大規模軍事演習の中止に過ぎなくても、北朝鮮には大きな恩恵であり、トランプ大統領は「大きなカード」を切ったとも言えると思いますね。

トランプ大統領は、米朝首脳会談後、一週間も経たずに米韓合同軍事演習中止に動くなど、非常に動きが速い。まるで、こちらのやることはやった、後はお前の番だ、といわんばかりです。無論、北朝鮮の非核化のことですね。

無論そのことは日本も同じ認識です。

16日、安倍総理は読売テレビの番組で、米韓合同軍事演習の中止について「信頼を醸成するための善意だ」と理解を示し、「北朝鮮が迅速に対応するかどうかが極めて重大だ」と指摘しています。

けれども、そうであるからこそ、北朝鮮が確実に非核化に動くかどうかが非常に重要ですし、非核化が終わるまで、経済制裁を解除するべきではありません。

拉致問題を含め、本当の外交交渉はこれから始まると腹を括って事に当たらなければなりません。日米政府の連携と対応が注視されます。
 

コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. 愛知のシーサー
    • 2018年06月17日 17:47
    • https://info.hr-party.jp/files/2018/06/17151641/3bghwykh.pdf
      米朝会談の真相
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