今日はこの話題です。
6月28日、アメリカのマティス国防長官と韓国の宋永武国防相がソウルで会談しました。マティス国防長官は、会談冒頭「現在の在韓米軍の規模や水準を維持する」と述べ、会談では、北朝鮮が非核化に向けた対話を続ける限り、信頼構築や平和定着につながる措置を講じていくしながら、米韓同盟に基づく防衛態勢を維持することでも一致したようです。
更に、マティス国防長官は8月に予定されていた米韓合同軍事演習「フリーダムガーディアン」を中止したことについて「朝鮮半島の問題を平和的に解決しようとする外交官らの協議がうまくいく機会を増やす」のが目的であり、米朝間の協議に配慮したものだとし、「警戒を維持し、準備態勢を整えてどんな挑発にも立ち向かう準備をしている」と従来通りであることを強調しています。
マティス国防長官は4月の段階で同盟諸国や北朝鮮と、朝鮮半島からの米軍撤退について議論する用意があると述べ、トランプ大統領も将来的な在韓米軍の縮小を示唆する発言をしていたのですけれども、米朝首脳会談を前にした発言だったとはいえ、米朝会談後に米韓合同軍事演習をも中止にしたことを考えれば、相当に北朝鮮に配慮したともいえ、今後の在韓米軍の扱いを巡って、韓国内に相当な
今回のマティス国防長官の在韓米軍維持発言もそれら韓国内に広がった動揺を抑える狙いもあるとみられています。
けれども、「米韓合同軍事演習中止の衝撃」のエントリーでも述べましたけれども、北朝鮮にとって米韓合同軍事演習を目の前でやられることは、急襲さえれる事態に備えねばならないことを意味しており、それ自体が大きな経済的負担になります。
つまり、演習してみせるだけで、北朝鮮の体力を削っていた訳で、見方を変えれば、静かな攻撃をしていたと見ることも出来ます。それを中止したということは、攻撃から防御に切り替えたともいえる訳で、ある意味、大きな戦略転換だといえなくもありません。
マティス国防長官は翌29日、来日し、小野寺防衛相と会談しているのですけれども、北朝鮮の「瀬取り」に対し、日米が有志国と連携して取り組むことや、日米共同訓練の着実な実施を行うことで一致しています。
米韓合同軍事演習は中止しても、日米共同訓練は従来どおりであるところを見ると、やはりアメリカの対半島戦略は変更されつつある可能性も残して置かないといけないと思いますね。
あと、ちょっと気になるのは、韓国の文在寅大統領が「疲労からくる風邪のため、休暇を取った」として、ここ数日の公式日程をキャンセルしているんですね。
その御蔭で、予定されていたマティス国防長官との会談も中止になっています。
これは筆者の妄想にしか過ぎないかもしれませんけれども、やはり、マティス国防長官は内々には在韓米軍の撤退を通告しにいったのではないかと勘繰ってしまいますね。
文大統領はその通告を受けるが嫌だから、風邪と称してマティス国防長官との会談をドタキャンした。そんな気さえしますね。
それにアメリカは他の地域への軍事プレゼンスを見直そうとしている節があります。
6月29日、ワシントン・ポストは、アメリカ国防総省がドイツに駐留する米軍の移転もしくは撤退にかかる費用について検討していると報じています。
それによると、海外に駐留する米軍の中で最大水準の規模を誇る在独米軍の移転などについて、トランプ大統領が軍当局者らと話し合いを行っているそうで、匿名の情報筋の話として、在独米軍約3万5000人の現役兵のうち相当部分のアメリカへの帰還や、在独米軍の一部または全部のポーランドへの移転などが検討されているそうです。
一応、アメリカ国家安全保障会議のある報道官は報道内容を否定し、国防総省のエリック・ペイホン報道官も在独米軍の撤退計画は一切存在しないと述べていますけれども、火のない所に煙は立たず。そんな報道が流れること自体、何かあると疑ってしまいますね。
こうしてみると、世界は着実に変化しており、その中で如何に対応して国益を確保していくか。国家の方針と政治家の手腕が一段と問われる時代に突入しているかと思いますね。
コメント
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理由は単純だ、金がかかる。
アメリカが北に経済援助をする、できるだろう。
世界はドルを中心に回っている。
北の政治体制はその結果崩壊する。
南は経済的な構造転換を迫られるだろう。
金正恩・ムンジェインは政治的に消える。
それが南北統一の政治的側面だ。
朝鮮半島を軍事的に支えているのは韓国軍の通常兵器の能力。
それを一番よく知っているのは在韓米軍。
北の核ミサイルは政治的な脅しにしか過ぎない。
言い換えれば北は南のように軍事兵器の近代化に成功していない。
南は自力で通常兵器の生産能力を持つ数少ない国になった。
相当のレベルに来ている。
日本は持とうとすれば持てるがアメリカを恐れて独自の軍事兵器を持とうとしない国だ。
最近、習近平がアメリカというよりトランプとの貿易摩擦にも関わらず自由貿易を死守するという。
どちらが自由主義なのか理解に苦しむ。
世界はアメリカではなくてロシア・中国を中心とする政治・経済体制に移行しようとしている。
その証拠がどういう訳かテレビに連日連夜出てくる。
ワールドカップのロシア大会だ。
各会場のロシアの街と街を歩くロシアの人々を見ることだ。
最早ロシアに対する大手メディアの中傷は通用しないということだ。
アメリカを盟主とする政治の中で育ってきた日本人・韓国人には厳しい時代が始まろうとしている。
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