今日はこの話題です。



朝日新聞が7月14~15日に実施した世論調査で、政治や社会の出来事を知る際、どんなメディアを一番参考にするかを尋ねたところ、「テレビ」が44%で最も高く、次いで「インターネットのニュースサイト」が26%、「新聞」が24%、「ツイッターやフェイスブックなどのSNS」が4%でした。

これは全体の調査結果なのですけれども、これが年代別になるとがらりと変ります。

年代別では18~29歳は「ネット」38%、「テレビ」35%、「SNS」16%、「新聞」8%の順で、30代は「ネット」53%、「テレビ」28%、「新聞」12%、「SNS」7%の順。

そして40代以上はいずれも「テレビ」が最多で、年齢層が上がるほど「新聞」の割合が増え、「ネット」や「SNS」の割合が減る傾向が見られました。

若年層はネットから情報を取っていることがはっきりと分かる結果です。

更に面白いのは、参考にするメディア別の内閣支持率で、内閣支持率が最も高かったのは「SNS」と答えた層で48%(不支持率22%)。次に「ネット」と答えた層が42%(不支持率38%)、「テレビ」は38%(不支持率41%)、「新聞」は32%(不支持率54%)となっています。

ツイッターやフェイスブックは速報性に優れ、また、情報発信者が直接発信するといういわゆる一次情報に近いものが多いと思いますけれども、そこから情報を得た層の内閣支持率が高く、テレビや新聞から情報を得ている層の支持率が低いということは、SNSおよびネットとテレビや新聞などのオールド・メディアとで流している情報がそれぞれ異なっている可能性が高いということです。

ひと昔前、情報格差、デジタルディバイドという言葉が持て囃されたことがありましたけれども、10年近く経って、いよいよそれが現実のものとして現れてきたように感じますね。

デジタルディバイドが表面化してくると、オールドメディアも生き残りを掛けて色々と手を打たざるを得ません。

もっとも安易なのは、まだテレビや新聞を見てくれる層をターゲットにした番組作りです。

テレビの番組などは既に長時間テレビを見る高齢者をターゲットにした編成に組み替えているようです。

けれども、それすらも人気が無くなっているという調査結果もあります。

「気になるアレを大調査!」するニュースサイト、しらべぇ編集部が、全国20〜60代の男女1477名に「テレビについて」の調査を実施したところ、「最近のテレビはつまらないと思う」と答えた人が、全体で52.3%と半数を超える割合になったそうです。

確かに、高齢者をターゲットにした懐メロとか流されても、若い世代には知らない人の事。面白い筈がありません。更には、ターゲットのはずの高齢者からもつまらないと思っている人が少なからずいるようなのですね。

その要因は色々あるのでしょうけれども、放送作家協会理事会で日大芸術学部の上滝徹也名誉教授は、「テレビ局の部長課長にコンプライアンス系の人が就任するようになってから、テレビドラマがつまらなくなる」と指摘しています。

確かにそれはあるかもしれません。ひと昔、ふた昔やっていたようなバラエティ番組は今は到底無理だとも聞きます。今はそっち系のはっちゃけた番組は有名ユーチューバ―がやっている感がありますね。

ただ、それでも人気の出るドラマは番組というものは存在するものです。例えば、池井戸潤氏原作のドラマ「半沢直樹シリーズ」とか大当たりしました。良く指摘されることですけれども、池井戸潤氏原作のドラマは時代劇を現代に焼き直した勧善懲悪ものの側面が強く、そっち方面の需要はまだまだある。

これは筆者の個人的な感想ですけれども、今の社会が余りにもストレスフルであるため、それを解消してくれるようなドラマなり、何なりが求められているのではないかと思いますね。

卑近な例であれですけれども、なろう系の小説のようにストレスフリーの話があそこまでウケるのも理由がないわけではない。

裏を返せば、誰とはいいませんけれども、ダブルスタンダードを使いまくって自分達だけの利益を図ろうとする輩の存在は、それそのものがストレスの発生源であり、「成敗されるべき対象」に見えてしまうところがあるのではないかとも思うんですね。

番組を作る人達は日々視聴率獲得に頭を悩ませているかと思いますけれども、ストレスフリーあるいはストレス解消という観点で見直せばまた新たな視野が拓けてくるのかもしれませんね。
 

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