ラオスダム決壊続報です。



7月28日、ラオスのダム事故現場が初めて公開されました。幅700m、高さ20mを超える堤防が見るも無残に崩壊しているのをみる限り、明らかに決壊であり、SK建設が主張する流出には見えません。

そもそも、決壊当日には大雨など振っていませんでした。こちらに現地の7月の降雨データ・予報が記載されていますけれども、決壊した24日は降雨0、前日こそ27mmの降雨がありましたけれども、それくらいで、それ以前は殆どなく、二週間ほどさかのぼって、11日の56mm、10日の24mmが目立つ程度です。

SK建設関係者は「ラオスの建設現場に通常の3倍を超える集中豪雨があった」などと述べたそうですけれども、気象データからはそんな様子は見受けられません。

当初の予定よりも前倒しで施工できたということからも、やはり元々の設計か施工に問題があったのではないかと疑わざるを得ません。

崩壊現場を見てもやはり、表面にアスファルトらしきものが乗っかっているだけで、その中は全て土のように見えます。ロックフィルダムというよりは、表面遮水を施した均一型フィルダムのようにも見えますね。

設計・施工を担当した企業は当然この工法で問題ないと判断したのでしょうけれども、既に、設計や施工の不良ではないかとの議論が起こっています。

26日、ラオスのカンマニー・インティラート・エネルギー鉱業相が記者会見で「基準に満たない低水準の建設が事故の原因」とコメントしていますし、スタンフォード大学工学部の元非常勤教授で元ダム建設業者のichard Meehan氏は、今回のダム事故は不十分な基礎準備、悪質なグラウト、ハイリスクな設計などの施工不良に基づく「内部の浸食による事故」のように感じたとコメントしています。

こちらの建設コンサルタント会社が公開しているフィルダムの調査・設計の手順によると、均一型フィルダムは締め固め強度が低く、高いダムには適さないとなっています。

決壊したダムは幅8メートル、長さ770メートル、高さ16メートルであり、日本の河川法で定められているダムの高さ基準15メートル以上からみても、高いダムではありません。従って、均一型フィルダムに表面遮水を施したダムであっても、きちんと施工すれば問題なかったのではないかとも思えます。

ただ、今回のダム決壊では、日本の黒部ダムの貯水量の25倍、50億立方メートルもの大量の水が一気に流れ込んできたと言われていますから、それほどの規模のダムに締め固め強度が低い均一型フィルダムで本当に大丈夫だったのかという疑念もあるにはあります。であれば、なおのこと施工には最新の注意を払うべきだと思うのですけれども、予定より5ヶ月も前倒しで完成した裏に何があったのか。

となると、やはり、ラオスのカンマニー・インティラート・エネルギー鉱業相やスタンフォード大学工学部の元非常勤教授が指摘するような低水準な施工不良が原因である可能性を考えてしまいますね。

韓国は救援隊を組織して先発隊ラオスに派遣したのですけれども、肝心のラオスは彼らの入国許可を出していませんし、先に述べたラオスのカンマニー・インティラート・エネルギー鉱業相が災害補償の責任は建設会社がすべて負うと語っています。ラオスの怒り具合が窺えます。

流石に韓国側もラオスの怒りは認識しているようで、韓国の政府関係者は、「ラオスはいい感情ではないだろう」とコメントしています。

しかし、この救援隊派遣についても、韓国事情に精通するジャーナリストの室谷克実氏は「韓国は東日本大震災でも日本に救援隊を送ってきたが、当初10人弱だった。今回も、これだけ広い地域の水害に、30人弱でどこまで支援できるのか疑問だ。今回のダム決壊について、今後、韓国への損害賠償請求といった議論が出てくるだろう。その時に『やることはやった』『救援隊も送った』と主張するための形だけの行動に思えてならない」とコメントしています。

アメリカの華字メディア・多維新聞は、今回のダム決壊事故について、施工を担当した韓国が東南アジアでの支持を失う可能性があると報じていますけれども、救援隊派遣の意図が室谷氏の指摘の通りただのポーズだったとすると、誠意に掛けることは勿論のこと、長い目でみれば信頼を失うことに繋がります。

日本も先日西日本豪雨災害があったばかりです。インフラは生活の土台となり支えるものですから、たとえ目立たなくても、手を抜かずにきちんと仕事をすることが大事だと改めて気づかされます。

手抜き仕事はあとでしっぺ返しがくるのだと肝に銘じたいものです。
 

コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. 通りすがり
    • 2018年07月30日 05:50
    • >「ラオスダム決壊はSK建設の手抜きが原因か」
      原因ではなく元凶の間違いでは
      前科者崔sk建設会長は、救援金1000万ドル(約112億ウォン)を供出し「一日も早く、ラオス住民の生活が日常に戻り、傷つけられた心が癒されるように最善を尽くしたい」
      韓国人らしく加害者なのにはした金支援で被害者面するあたりは慰安婦問題と同じいつの間にか被害者側に成りすます。
      本当に煮ても焼いても食えない連中だ!
      >手抜き仕事はあとでしっぺ返しがくるのだと肝に銘じたいものです。
      韓国人には通じないお言葉ですよ。
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