今日は、ラオス決壊ダム続報です。



7月29日、ラオスのトンルン・シースリット首相は決壊したダムについて「我々は事故原因について徹底的に調査する。事業に関与する他国との協力も進める」と述べ、ダムの設計、施工業者、コンサルタント企業に対しても調査を徹底する方針を明らかにしました。

また、被災者への賠償問題については「開発業者に100%関連する問題だ」と、責任は開発業者にあるとしました。

これに対して、韓国政府および施工を担当したSK建設は早くも責任逃れの言動を始めています。

7月30日、韓国外交部関係者はラオス被災地の復興支援について「ラオスに自ら再建する能力があるか、韓国との2国間関係を考慮して継続するかどうか決める」と今にも打ち切らんばかりのコメントをし、SK建設は、決壊は連日の豪雨のせいだとし、被害が拡大したのは、ラオス当局や現地住民の事故抑止意識の低さだとする調査報告を纏めています。

ラオスは責任は開発業者にあるとし、開発業者である韓国は、天災とラオスの対応の拙さが重なったのだ、と互いに責任を押し付け合う形になっています。

ただ、ダム決壊の状況からみて、全て天災のせいにするのは無理があるというものです。

ラオス政府は事故原因調査について、当初、建設を担当しているSK建設、タイの監理会社、設計を承認したベルギーの会社に独自調査を依頼していたのですけれども、外部の専門家を呼ぶことも検討しているようです。

ラオスのカンマニー・インシラス・エネルギー鉱業相は「規格を満たしていない工事と予想を超える量の豪雨が原因。ダムに亀裂が入っており、そこから水が漏れてダムを崩壊させるほどの大きな穴が開いてしまった」と述べており、施工に問題があったのではないかという見方をしているのですけれども、SK建設が自分の責任ではないという態度を崩さないことから、第三者として外部の専門家を招聘しての調査に乗り出そうとしているものと思われます。

これらについて、韓国世論は沸騰しています。連日の報道もさることながら、ネットユーザーは「毎年豪雨に見舞われる地域なのだから、それを考慮して設計すべきだった」、「豪雨に耐えられないダムはダムと言えない」、「当然、人災だ。毎日のように大雨が降るラオスでダムが崩壊したのだから」と設計ミスを指摘する声や、「ラオス政府は直ちにSK会長を逮捕し、真実を明らかにしてほしい」「米国や英国、欧州の専門家を呼んで。真実をお金で隠そうとしたら、天罰が下る」とSK建設の責任を問う声もあれば、「事故原因が設計ミスなら、承認したベルギーの会社の責任。手抜き工事なら監理したタイの会社の責任。対応の遅れならラオス自体の責任だ」とSK建設の責任を否定する声も出ているようです。

ただ、日韓両政府筋からの情報によると、既に、韓国のネット上で『工事で使った設計図は日本のものだ』『決壊した部分は日本の業者が工事した』という情報が流され、『すべて日本が悪い』という世論操作が始まっているという話もあるそうです。

韓国世論を逸らすには、「日本を悪者」にしておけばよいというのは、いつもの常套手段でもありますけれども、ただそうやって誰か他人のせいにばかりしていると、自らの反省や改善が出来ず、根本解決から遠ざかってしまう罠に陥ります。

ラオスのダムプロジェクトは今回決壊したダムだけではありません。首都ビエンチャンから北東約150kmのボリカムサイ県ボリカン郡のナムニアップ川に167mの重力式コンクリートダムと、出力約27万kW及び2万kWの2箇所の発電所を建設するナムニアップダム・プロジェクトが進んでいます。

このプロジェクトは、関西電力が筆頭株主となって実施する日本の企業が主体のプロジェクトで、2014年10月に着工し、来年2月の稼働予定で進んでいます。

けれども、このダムの施工に当たっては、悪い地質にずいぶん苦しめられたそうです。何でも川底は、泥岩と砂岩が下流下がりの互層になっていて、造山活動による大規模な褶曲帯があり、水平の弱層があったのだそうです。

しかもその弱層には直交方向に亀裂が走って、更に浅い所では岩盤の緩みもあったそうです。そこで川底を深さ20メートルまで更に掘って、コンクリートを流し込んで地盤改良したのだそうです。

ダムは巨大な水圧に長期期間耐えなければなりませんから、このような丁寧かつ十分な施工が必要であることはいうまでもありません。おそらく、設計にも施工にも十分な経験と実績が求められる筈ですね。

今回決壊したダム建設については日本企業も入札に参加してました。ところが日本の大手ゼネコン関係者によると、SK建設側が「日本より格段に安くする。日本より短期で完成させる」と強引に受注したそうです。建設関係者は「絶対無理。手抜き工事になると噂していた」そうですから、関係者には今回の事故は驚くことでもなんでもなかったということなのでしょう。

更には、驚くことに、SK建設がダムの施工経験がないのに受注したため、せめて設計は経験豊富な会社にするべきだという内部意見を押しのけ、SK建設社長と関係のあるダム建設経験の浅い企業に設計をさせた、などという噂まで韓国で流れているようです。

その真偽は分かりませんけれども、本当だとすると、大変なことです。人災と言われても仕方ありませんし、賠償も免れないでしょう。

今後、韓国企業の海外事業の受注は相当に厳しくなるでしょうね。
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コメント

 コメント一覧 (2)

    • 1. opera
    • 2018年08月02日 12:50
    • >…日韓両政府筋からの情報によると、既に、韓国のネット上で『工事で使った設計図は日本のものだ』『決壊した部分は日本の業者が工事した』という情報が流され、『すべて日本が悪い』という世論操作が始まっているという話もある…
       慰安婦問題捏造のときと同じ構造ですね。日本政府筋が掴んでいるなら、的確に釘を刺しておく必要があります。
       まぁ、日本式の設計をパクったなら、逆に決壊はなかったと思いますがw
      https://i0.wp.com/hosyusokuhou.jp/wp/wp-content/uploads/2018/07/ibDaUyS.jpg
       韓国式は、「ダム」ではなく、ただの「土手」と言われる所以です。
       また、SK建設の職員、セウォル号の船長、李承晩と敵前逃亡レベルの早さで崩れた韓国軍指揮官。責任ある者が責任を果たさずに真っ先に逃げ出す、という韓国人の伝統的な行動様式も相変わらずのようですしorz…
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    • 2. 日比野
    • 2018年08月02日 21:23
    • operaさん、こんばんは。御無沙汰してすみません。
      今回のSK建設の施工は調べれば調べる程怪しいですね。
      韓国は今回のダムだけでなく、橋やビルが倒壊したりすると、その場では物凄く騒ぐのですけれども、その場で犯人探しをして吊し上げ、うっ憤を晴らせばそれで済ませてしまう傾向があるように見えます。再発防止のための有効な手立てなり対策なりをしたとの情報が入ってきません。
      まぁ、報じらていないだけかもしれませんけれども、対策しても、何度もおなじことを繰り返すのなら、それは対策ではないですしね。
      「土手」ですよねぇ。最初に報じられたとき、ロックフィルダムとあったので、てっきり日本のロックフルダムの構造を調べていたんですけど、続報を追っかけると、ロックがない「アースダム」にアスファルトを被せただけ。
      被害は相当大きいみたいですし、韓国は賠償責任から逃れられないでしょうね。
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