今日はこの話題です。
8月6日、東京医科大の裏口入学問題で、同大の内部調査委員会が調査報告書をまとめ公表しました。
こちらに報告書の全文がありますけれども、東京医大の点数操作の実態が赤裸々に綴られています。
報告書によると、2018年度の入試では、二次試験の小論文の点数をまず全員の点数を0.8倍に減点し、その上で、現役〜2浪男子は20点、3浪男子は10点を加点。4浪男子と女子には加点しないというシステムでした。昨年の一次試験で13名に対し8点から45点の加点。今年の一次試験では6名に10点から49点の加点が行われていました。
内部調査に当たった弁護士は記者会見で、合格者を不正に調整してきたと正式に認定。前理事長の臼井正彦被告と前学長の鈴木衛被告が主導したとし、動機を「同窓生の子弟を入学させ、寄付金を多く集めたいとの思いがあった」と指摘しました。
両被告は、特定の受験生に加点した謝礼として、受験生側から数十万円から数百万円を受け取ることがあったと認めているのですけれども、件数などは「覚えていない」としていることから、果たしてどこまで裏口入学が行われていたのか分かりません。
いずれにせよ、報告書に記されているとおり、理事長や学長自ら不正行為に手をつけていたことは、「大学の自殺行為に近い」といえます。
報告書では今年の一次試験の加点者として佐野氏なる人物が登場しているのですけれども、これは、「私立大学研究ブランディング事業」で東京医大に便宜を図る見返りに自身の息子に点数を加算して不正に合格させるように依頼したとして受託収賄容疑で7月4日に逮捕された文部科学省の科学技術・学術政策局長であった佐野太容疑者のことです。
一連の不祥事に文科省もがっつり噛んでいたという訳です。
そして、この佐野太容疑者と東京医科大学の関係者を結び付けたのが医療コンサルティング会社元役員の谷口浩司容疑者で、佐野容疑者の逮捕に合わせて受託収賄幇助容疑で逮捕されています。
この谷口容疑者は参院議員の「政策顧問」の肩書で官僚に接近。周囲に「人と人をつなげて金をもうける」と語っていたらしく、検察幹部は「人脈で仕事をするブローカー的な存在だ」と述べていて、文科省や厚労省の幹部らは「政治家や官僚、大学関係の人脈の広さをアピールしていた」とコメントし、複数の厚労省幹部は「国会議員の事務所関係者との認識だった」と語っています。
谷口容疑者は、東京医科大とJAXAも結びつけています。
東京医科大は2016年に創立100周年記念講演会として宇宙飛行士の古川聡氏の講演を行っているのですけれども、JAXAによると、宇宙飛行士の講演は大変難しく、職員の講師派遣を勧めているようです。
にも関わらず東京医科大は宇宙飛行士である古川聡氏の講演を実現させました。
この講演は、文科省の国際統括官でJAXAに出向中であった川端和明容疑者が斡旋することで実現したと見られているのですけれども、川端和明容疑者は、谷口容疑者から東京都内の飲食店で約140万円相当の飲食などの接待を受けたとして、東京地検特捜部に収賄容疑で7月26日に逮捕されています。
13日に共同通信が、講演の実現に当たって、東京医科大が立憲民主党の衆院議員を通じて谷口浩司容疑者に相談を持ち掛けていたと報じていますけれども、谷口容疑者が噛んでいたことは間違いないようです。
ただ、ここで気になるのは、そもそも東京医科大がどうやって谷口容疑者と繋がるようになったか、です。
こちらにその谷口容疑者の妻と名乗る方のサイトがあるのですけれども、それによると、東京医科大に裏口入学に絡んだ佐野太容疑者を紹介したのは、谷口容疑者ではなく、立憲民主党の吉田統彦議員だとしています。
マスコミは谷口容疑者は参院議員の政策顧問の肩書で活動してたと報じていますけれども、このサイトによると谷口容疑者は国民民主党の羽田雄一郎参院議員の政策顧問として活動していたようです。
しかし、この谷口容疑者の妻と名乗る方のサイトに掛かれている内容は、仮に身内贔屓があったとしても、表で報道されている内容とはおよそ懸け離れています。
このサイトに記されている、吉田統彦議員は、東京医科大学の臼井正彦前理事長から政治献金をたくさん貰っている、という内容が本当であれば、東京医科大と吉田統彦議員の関係はもっと追及されてしかるべきでしょうね。
ただ、マスコミは文科省の一連の不祥事について、野党議員が絡んでいることを少しも報じていません。
評論家の上念司氏は「裏口入学に関しては立憲民主党の吉田統彦と国民民主党の羽田雄一郎の名前が出てるのにTVは追及しない。反安倍なら無罪なの？そういう出鱈目なことをTVや新聞はやってる可能性がある」と述べていますけれども、ネット界隈では、また報道しない自由かよ、と非難の声が上がっています。
東京医科大は裏口入学で「大学の自殺行為」をしたと報告されていますけれども、オールドメディア自身も「マスコミの自殺行為」をしているかもしれないのだと自覚した方がよいかと思いますね。
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