今日はこの話題です。
9月22日、今月末に迫った沖縄県知事選に立候補する意向を示していた自由党幹事長の玉城デニー衆院議員は「まだ、もうちょっといろいろ相談しながら考えないといけない」と述べ、出馬表明を先送りする考えを明らかにしました。
翁長氏死去に伴う沖縄知事選を巡って県政与党は、当初、各支援団体が推薦する候補者を中心に調整を進めていました。
推薦された候補者は金秀グループの呉屋守將会長、謝花喜一郎副知事、赤嶺昇県議、稲嶺進前名護市長、富川盛武副知事の5氏で、玉城氏は入っていませんでした。
それなのに突然玉城氏が候補者としてクローズアップされたのは、翁長雄志知事が8日に死去する前、後継の知事候補として呉屋守將氏と玉城氏を指名していたことが、18日に明らかになったからです。
指名は、死去する数日前に病室で音声録音されたもので、係者によると翁長知事は保守、革新の双方から支持を得られることを念頭に呉屋氏と玉城氏の名前を挙げたとしています。
この録音を受け、県政与党議員が両氏に出馬の意思を確認したのですけれども、この段階では両氏とも固辞していました。
ただ、玉城氏は記者団から、環境が整えば再考するかとの問いに「予断をもって言えない」と再検討に含みを持たせていたこともあり、県政与党が正式に玉城氏の擁立を決めると、「この状況になったら、しっかり重く考えないといけない。今週中には決めたい。後ろ向きではない」と方針変更していました。
それが再び先送りと慎重な姿勢に戻る、とちょっとフラフラしている印象です。
実は玉城氏は21日に自由党の小沢一郎代表と会談しているのですけれども、その際、小沢代表から「期日にこだわらず、しっかり考えてほしい」と伝えられたと明かし「確認したり、調整したりしないといけないことがある」と先送りの理由を述べています。
要するに小沢代表から"待った"が掛かったということですね。
玉城氏の確認やら調整やらが具体的に何かは分かりませんけれども、小沢代表から「期日にこだわらず、しっかり考えろ」と言われた事を考えあわせると、選挙に勝てるかどうか情勢をきちんと見極めろ、ということのように思いますね。
つまり、知事選に出馬して勝てるだけの体制を整えて貰えるのかどうか確認してからだということだと思われます。
沖縄県政界は、オール沖縄とも呼ばれる翁長派と反翁長派に大別されるのですけれども、玉城氏はオール沖縄からの支援を受ける事になります。
オール沖縄は社民党、共産党、自由党、沖縄社会大衆党、沖縄の風、うりずんの会、ニライ、おきなわ(旧称「県民ネット」)、および自民党を永久除名処分された一部の保守と名乗る議員で構成され、支援する経済団体・業界団体に金秀グループ、かりゆしグループ、オキハム(沖縄ハム総合食品株式会社)があります。
ところがこのうち、かりゆしグループは新基地建設阻止を訴える県民投票実施が困難であることと、オール沖縄が当初より特定の政党色が強くなったことを理由に、今年4月に離脱しています。
今回の知事選についても、かりゆりグループは「翁長氏を支援してきたが死去したことで、理由がない」として、自主投票とする方針を固めています。
既に、オール沖縄の一角が崩れ出しているのですね。
さらにそれだけはありません。
20日、会派おきなわは、翁長氏が後継指名したとされる音声の開示を求めたのですけれども、拒否されたことを受け、「直接音声を聞かなければ言葉のニュアンスが分からない」として、開示されない限り、候補者選考作業を進める「調整会議」への参加を見送るとしています。
元々、オール沖縄は、保革の違いを乗り越えようと、「腹八分、腹六分」、「イデオロギーではなくアイデンティティ」を訴え、微妙なバランスの元に成立していた集まりです。
自民関係者は「オール沖縄は翁長氏だからつくることができた」と指摘し、県連幹部は「オール沖縄は翁長知事が腹八分でまとめた繊細な芸術品。玉城氏の色が出た組織をつくらなければ、支持者は燃えないだろう」とコメントしています。
要するに、現時点では玉城氏が出馬しても、「オール沖縄」としての全面支援が得られるかは分からないということです。
玉城氏が出馬するかもさることながら、オール沖縄がその形を保てるのかも、注目したいポイントですね。
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