今日はこの話題です。



8月28日、菅官房長官は午前の記者会見で、朝日新聞が過去の報道内容を取り消した一部の英語版記事を、インターネットでは検索できない設定にしていた問題について政府としてどう受け止めるかとの質問に「「個別の報道機関の対応であり、コメントは控えたい」と述べ、「政府としては慰安婦問題に関する考え方や取り組みをさまざまな形で説明している。国際社会から正当な評価を受けるよう、そうした努力は続けていきたい」とコメントしました。

これは、既にネットでは有名になっているのですけれども、朝日新聞デジタルで、過去の慰安婦報道での過ちを認めた英訳記事や、日々の誤報を伝える「訂正・おわび」の記事にわざわざインターネット上の検索を困難にするメタタグを設定していたことが発覚した問題です。

こちらのサイトではその辺りの経緯について纏められていますけれども、簡単にいえば、慰安婦誤報おわび記事について、グーグルで検索できないようにしていた、ということです。

事の発端は、今年2月に評論家のケント・ギルバート氏が「朝日新聞は『慰安婦の嘘』を今も英文報道で発信し続けている」との題での講演でした。

こちらのケント氏とオーストラリア・ジャパン・コミュニティ・ネットワーク代表の山岡鉄秀氏との対談記事に、朝日の慰安婦英文記事のミスリードについて触れられています。次に該当部分を引用します。
山岡 朝日新聞に話を戻すと、吉田清治記事を取り消したあとも、慰安婦問題に対する「誤解」を特に海外にふりまいています。

朝日新聞の英字記事では、慰安婦に関する報道で、〈forced to provide sex〉、つまり「セックスを強制された」という定型文を必ず入れてきます。もうほとんどコピペかフォーマットのようなもので、慰安婦(comfort women)という単語のあとには〈forced to provide sex〉という説明が必ずつくのです。これはケントさんのようなネイティブスピーカーからすると、「物理的な強制によって性行為を余儀なくされた」というイメージを与える表現なんですよね。

ケント そうです。「性行為を強制された」というイメージで、この表現では女性側に断る余地はない。

山岡 朝日新聞の英字記事はたしかに〈sex slave〉、つまり「性奴隷」という表現は使わなくなってきていますが、本人の意思を無視して性行為を強制されるという表現は、限りなく〈sex slave〉に近いものになる。これを印象操作と言わずして何というのでしょうか。

裁判でも〈forced to provide sex〉という表現について、「仮に〈sex slave〉という言葉を使っていなくても、それを想起させる表現を使うのはおかしい」と指摘しました。これに対して朝日新聞側は、「これは強制連行や性奴隷だと明言するものではない」と主張しているのですが、では一体、何を表現しているのか。「無理やり性交渉を行った、としているけれど『強姦』とは言っていない」というようなもので、極めておかしな表現です。朝日新聞はどういう意図で〈forced to provide sex〉という表現を使い続けるのか、その説明責任を果たしていません。

ケント 使っている単語を文字どおりに取ってくれというなら、そうしましょう。〈forced to provide sex〉という表現に従えば、女性の側に断る権利はない。しかし、慰安婦になった女性たちには客を断る権利はあった。多額の報酬も受けていた。

朝日の英字記事では、〈forced to provide sex〉のあとに、〈to Imperial Japanese soldiers〉、つまり「大日本帝国の兵士に」と続きますが、旧日本軍や軍の兵士が女性の権利を奪って「性行為を強要」したのではない。仮に一定の自由を奪われていたとしても、直接女性たちの権利を抑圧した主体は軍ではなく、女性たちを管理していた業者のはずです。つまり、朝日がいくら弁解しても、この表現は事実と異なることを報じていることに変わりはない。
ケント氏の指摘は反響を呼び、朝日新聞に説明文の使用停止と、記事撤回の再告知を求める署名活動が始りました。僅か数ヶ月で1万人を超える署名が集まったのですね。

7月6日、山岡・ケント両氏は朝日新聞に対して次の申し入れを行いました。
・今後“forced to provide sex”の表現は使用しないことを求める。
・吉田証言は虚偽であり、記事を撤回した事実を英文で告知することを求める。
・もし“forced to provide sex”の表現が軍隊による強制連行や性奴隷化を意味しないのなら、何を意味するのか明確な説明を求める。
・今後、説明的表現が必要なら“comfort women who worked in brothels regulated by the military”(=軍当局によって規制された娼館で働いた慰安婦)などの表現を使用することを求める。
これに対し、7月23日朝日新聞は申し入れには応じられないとの回答を行います。ところが朝日は「吉田証言は虚偽であり、記事を撤回した事実を英文で告知することを求める」との申し入れに対して「2014年8月5日付記事の英訳版は『朝日新聞デジタル』に掲載し、現在も下記のURLで全文閲覧できます」と回答したのですね。

ところが、その記事は山岡氏やケント氏がいくら検索しても見つけられず、朝日が指定したURLを入力したときだけ表示されたのですね。

その後、ケント氏が出演した番組で、検索できない問題について触れたところ、ネットユーザーが朝日新聞の英文記事のソース画面をチェックをして、その結果、サーチエンジンよる検索を回避させる『noindex』『nofollow』『noarchive』というメタタグが発見されたという訳です。

指摘を受けた朝日は件のメタタグをこっそり削除した上で、産経新聞の取材に「記事を最終確認するため社内のみで閲覧できる状態で配信し、確認を終えてから検索可能な状態にした。その際に2本のタグ設定解除の作業が漏れてしまった」と言い訳しました。

社内のみで閲覧できる状態であるのに、更に検索回避のメタタグを埋め込む。一体何を確認したかったのか。

まるで、"検索できないことを事前に社内で確認するため"に仕込んだように思えてきます。

更に、それだけではありません。ネット有志が朝日新聞デジタルに現在掲載されている日々の誤記を通知する『訂正・おわび』の記事をチェックしてみると、同じように検索回避のタグが発見されました。

案の定、ネットでは「卑怯」「日本の恥」「故意ではないか」などと大炎上。

自民党の山田宏参院議員も「姑息さがバレたら、今度はそ知らぬ顔してこっそり消す。 本当に情けない新聞社だ。大新聞を自称するなら、堂々と非を認めて、お得意の主張の説明責任とやらを自ら果たしなさいな」と批判のツイートをしています。当然ですね。

更には、元朝日新聞の記者であった長谷川ひろし氏も「朝日新聞は、何も反省していない。検索回避を故意にやっていたとすれば、重大な話だが、問題の核心は別のところにある……4年前に記事を取り消してから、海外の主要紙に向け、虚偽の認定と記事の撤回を伝える社告をいまだに出していない。最低限の義務を怠り、『不正』を続けている」とメディアの義務をも守ってないと非難しています。

今回の問題について、産経新聞が追及の姿勢を見せています。菅官房長官の会見で態々この質問をぶつけたこともその一つでしょう。官房長官会見で取り上げられると人目に付きますからね。宣伝効果としては抜群ですし、他社との差別化も図れます。

山岡氏は、朝日の検索回避メタタグ埋め込みについて、他のお詫び記事にも埋め込まれていたことから、『作業上のミス』という説明を信じることはできず、むしろ朝日新聞社内には『訂正やおわびの記事は、なるべく検索されないようにする』という方針があり、それが慰安婦問題の英文記事にも適用されたと考えるのが自然だと述べています。

こちらのサイトでは、朝日の全ての記事に検索の期限を設けるメタタグが埋め込まれていると他社記事との比較も交えて検証していますけれども、これでは、山岡氏の指摘する「訂正やおわびの記事は、なるべく検索されないようにする」どころか、「全ての記事についても検索されないようにする」という方針があるのではないかとさえ思いますね。

こんな事をしていると、増々信用を無くすだけですし、単なるプロパガンダ紙と見做される日もそう遠くないような気がしますね。
 

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