今日は感想エントリーです。



今週は大変な自然災害の週となりました。

西日本を襲った台風21号に北海道地震。亡くなられた方、被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。

史上最強と警告されていた台風21号は、それに違わぬ暴風で関西地方に大きな爪痕を残しました

吹き荒れる暴風の様子がネットに動画で上がっていましたけれども、風で車や家が引っ繰り返ったり、看板や屋根が吹き飛ぶ光景は初めてみました。

50年に一度の高波にも耐えるとしていた関西国際空港は冠水して海のようになり、関空と陸地を繋ぐ連絡橋に、風に流されたタンカーが衝突。関空に数千人が閉じ込められる事態となりました。

これまでの常識で測ってはいけない事が起こっているようにも感じられました。

それに、追い打ちを掛けるように台風が過ぎ去った直後に北海道の地震です。最大震度6強、一部では震度7という報道もあるようです。

山肌は崩れ、土砂が道を塞ぎ、交通網が寸断。更に。地震に伴って北海道内の全ての火力発電所が停止。北海道全域で停電が発生しました。

北海道内全域での停電は1951年の北海道電力創設以来初めてのことです。

一般家庭に供給される電気は、電流の向きが一定時間で入れ替わる所謂「交流」と呼ばれるものです。

交流における電流の向きは、東日本では1秒間で50回(50Hz)入れ替わり、西日本に流れている電気は、1秒間に60回(60Hz)電流の向きが入れ替わります。これがいわゆる周波数と
呼ばれているものです。

交流では一定量の電気が行ったり来たりしますから、発電する電気の量と使う電気の量が同じでないと、50Hzが45Hzや55Hzという具合に周波数が変動してしまいます。

わずか数%の周波数変動でも、発電機タービンや発電機の軸などが壊れてしまう危険があり、かな
り厳密に周波数を維持しなければなりません。其の為、電力会社は常に需要と供給が一致するように発電能力を調整しながら運用しています。

ところが今回の北海道地震によって、165万キロワットの発電能力を持ち、北海道内の電力の半分を担う苫東厚真発電所が停止しため、需要と供給のバランスが一気に崩れてしまったのが、北海道全域の停電の原因のようです。

どうやらタービンが火災になり、またボイラーにも破損があり、復旧には時間がかかるとのことです。

現在、懸命な復旧作業が行われていますけれども、今回の台風と地震で明らかになったのは、インフラの大切さ、とりわけ電力供給を如何に確保するかという点だと思うのですね。

一般家庭でも電気がなければ生活にかなり支障をきたします。とりわけ病院は、停電とすると各種医療機器が使えなくなり、生命に危険が及ぶことだってあります。

東日本大震災と福島原発事故以来、日本には原発停止の流れが出てきていますけれども、では原発の代わりがあるかというと、現実にはありません。

原発の代わりにと稼働している火力発電所とて、今回の北海道地震で、電力供給能力に限界があることが明らかになりました。

風力や太陽光といった再生エネルギー発電とて、台風21号は、風力発電の風車を悉くなぎ倒し、太陽光パネルを吹き飛ばしています。

筆者はこれまで、再生エネルギー発電について何度かエントリーしたことがありますけれども、屋根が車が簡単に飛ばされている映像をみて、これは無理だ、と思わされました。

となると、やはりベース電力として計算できるのは原発しかない。老朽化した原発を廃炉することは仕方ないにしても、もっと安全度を高めた原発を建設・稼働させ、電力供給力を上げる方向で考えていくべきだと思いますね。

コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. masa
    • 2018年09月07日 12:52
    • 原発がベース電力として有力であるのは確かで、即時停止は非現実的です。しかし現状の体制では問題が多すぎます。
      �@ヨーロッパの原発は発電所1つにつき原子炉が1~2基、アメリカでもせいぜい3基なのに対し、福島第一は6号機、柏崎刈羽に至っては7号機まである。同時多発的にトラブルが発生した時に原子炉の数が多すぎます。安全を考えれば「発電所1つに対して稼働させる原子炉は3基まで」という制限が必要だと思います。
      �A�@の背景として、日本全体に原子力アレルギーがもともとあるところに原発推進したため、地元の了承さえ取れれば地質調査や安全性への配慮を軽視してでも建設を進めようという力が働いたと思われます。
      では事故後に安全性を考慮して現行の全原発を再調査したのか・・・というと、やはり再稼働ありきで甘い検査になったような気がしてなりません。
      �B欧州では地震がない代わりに洪水があります。原発建設に際しては過去10万年で一度も浸水したことのない地点を調査して決めているとのこと。100年に一度、1000年に一度は大地震に見舞われるようば場所に建設したのがそもそもおかしい。
      �C原発に自衛隊が配備されていない。特に日本海側の原発は北朝鮮の工作員による破壊工作のリスクがあり、武器を持った自衛隊員が常駐するべきです。
      �D文化的な話になりますが「これだけ対策すれば事故は起こらない」と考える日本人と、「どんなに対策しても事故は起こる」と考える欧米人の哲学の違い。より甚大な災害が発生した時の対策が用意されているのだろうか?
      他にもいくつかありますが、発電業界に身を置いていた父親が「日本人は性格的に原発をやってはいけないのではないか」とこぼしていたリアルな話です。このままでは危なくて仕方ないので、原発を国有化して�@の運転制限をしつつ代替エネルギーを模索していくのが良いと思います。
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