昨日の続きです。



9月21日の日経平均は195円高の23869.93円と6日続伸しました。アメリカのダウが最高値を付けたことや、安倍総理の総裁選勝利による政局の安定や経済対策への期待などが買い安心材料になったとされています。

マスコミは一生懸命、石破氏を健闘した、善戦した、などと持ち上げていますけれども、まぁ、冷静にみれば、ダブルスコアですからね。ギリギリであっても、接戦などではなく、圧勝の範疇です。市場は安倍総理の"ギリギリの圧勝"に素直に反応した訳です。

そうした中、マスコミの印象操作に対、石破氏は大惨敗したのだとはっきり言ったのが麻生副総理です。

21日、麻生副総理は麻生派の会合で、石破氏について「どこが善戦なんだ。ぜひ聞かせてもらいたい……「常識的に89が178ぐらいにならないとおかしい。倍に増えているんだから……いろんな新聞が書いているけど、よく選挙を知らない人が書いているのか、よく分かっていない人が書いているのか」と、石破氏が6年前の総裁選で議員票を89票から73票に減らしたことを指摘しました。

麻生副総理はこの日の閣議後の記者会見でもこの点に触れ、「議員の方が本人をよく見ている……89が160くらいいったっておかしくないのが73に減った。えらい少ない……この現実は政治の世界にいる者にとっては極めて大きい。善戦とも思わない」と述べました。

確かにその通りです。当時と比べて自民党の国会議員が倍近くに増えているのですから、石破氏の議員得票はそれに比例して増えていてしかるべきです。たとえ、現職の総理に挑むというハンデを割り引いたとしても前よりも減るというのは、それだけ議員内での支持を失ったということです。

この麻生副総理の発言に対して石破氏は「党員の気持ちとずれが起きている……結果を冷静に、謙虚に見る姿勢は常に問われる」と反発しましたけれども、そもそもこの反論は論点がズレています。

麻生副総理は、一般の党員よりも議員の方が本人を良く見て知っているだろうから、そちらを重視すべきであるというロジックをベースに論じているのに対し、石破氏は党員票の獲得数を持ち出しています。互いの議論のベースが違うのですから噛み合う筈もありません。

議員票と党員票の比率は50対50。安倍総理と石破氏とで獲得した議員票の比率は329対73。石破氏が獲得した議員票は2割程です。つまり、石破氏が接戦に持ち込むためには、党員票の8割近い数を集めなければならなかったということです。現実にはその党員票ですら石破氏は45%と、安倍総理の55%に遅れを取りました。

この得票率は6年前の総裁選を大きく下回るものです。石破氏は自身が述べた「結果を冷静に、謙虚に見る姿勢」を噛みしめるべきでしょうね。

さて、総裁3選を決めた安倍総理ですけれども、次に注目が集まるのは組閣人事です。安倍総理は来月1日にも内閣改造に着手すると見られています。

安倍総理は内閣改造について「しっかりした土台の上にできるだけ幅広い人材を登用していきたいと思う。しっかりとした土台の上にということで、おくみ取り頂きたい」と述べたことから、麻生副総理、菅長官、二階幹事長を留任させるのではないかと見られています。

その一方、石破氏や石破派議員の処遇にも注目が集まっているのですけれども、石破氏自身は周辺に「何を打診されても断る」と漏らしているそうです。総裁選の時には「負けても干すな」といっていたのが、手の平返しのこの発言。まるで、"軽い役なら受けない"と言っているように聞こえます。

もし、最重量級の役を狙っているとするなら、それは甘いというものです。総裁選であれだけ安倍総理を個人攻撃しておいて、タダで済む訳がありません。

総裁選前日、麻生副総理は秋葉原での安倍総理の応援演説で「いよいよ、この総裁選も明日が投票日となりました。今、いろんなことが言われてますけど、皆さん思い出してください。安倍晋三候補の後を受けて、麻生太郎と福田康夫候補と2人で総裁選挙を争ったことがあります。麻生派は、たったの15人。15人よ。あとは全派閥福田候補だった。その時に、私どもは何と言ったか、今でも覚えてますよ。間違いなく、俺についてくる人は必ず冷や飯を食いますと。冷や飯食うことを覚悟でついてくる人だけ、一緒にお願いします。そう申し上げて付いてきたもらった人が安倍晋三、中川昭一、菅義偉、甘利明。そういった人たちに付いてきてもらって、われわれは間違いなく、その1年間、残り1年間全く無役で終わりました。いいじゃないですか」と述べました。

全くその通りです。

安倍総理の個人批判に中身のない政策議論と、底を曝け出してしまった石破氏に次の目があるとすれば、「何を打診されても、全身全霊で持って取り組む」ことしかありません。なぜなら、今回で明らかになったとおり議員からの支持がないからです。

その為には、普段からの面倒見は勿論のこと、政策を詰め、信頼を勝ち取って、総理に相応しい器となっていなければなりません。それには、何かの役について"実績"を積むことが非常に重要なのですけれども、無役となれば、それも叶いません。

まぁ、麻生副総理のように、閣僚として多くの実績を上げ、実力があると見られているのなら未だしも、地方創生といいながら、その担当大臣として実績を上げられなかった以上、なんらかの形で実力があるところを見せておく必要があります。

石破氏がその機会を自分で投げ出してしまうのであれば、次の目は非常に小さなものになると思います。さしあたっては、石破氏および石破派の処遇と、冷や飯を食うであろう石破氏にそれでもついてくる人がどれだけいるのかが一つのポイントになるのではないかと思いますね。

麻生副総理ではないですけれども、冷や飯を冷や飯なりに上手く食えるのかどうか。石破氏の次の目が残るかどうかはそこに掛かって来るのではないかと思いますね。
 

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