今日はこの話題です。



9月30日投開票の沖縄知事選で、玉城デニー氏と佐喜真氏が接戦を繰り広げています。

こちらのサイトでは、9月25日時点での各社の選挙情勢報道を比較していますけれども、玉城デニー氏がわずかにリードあるいは互角と報じられているのが多いようです。

選挙前当初は玉木氏が先行しているというような報道だったように記憶していますけれども、佐喜真氏が懸命に追いかけて互角の選挙選に持ち込んでいるようです。

こちらのサイトでは前回2014年の知事選での報道と今回のそれを比較していますけれども、前回は、ほぼ一様に「翁長氏優位」をレポートしていたのが、今回「玉城氏優位」を報じているのは、2つの調査しかないとしています。

また、こちらのサイトでは、玉城デニー氏陣営が、公示前に選挙活動を始めたり、沖縄県庁に玉城デニー氏のポスターを掲載したりなど、公職選挙法違犯の疑いのある活動も散見されているようです。こうしたものは、ツイッター等でネットで大分拡散していますから、御存知の方も多いかと思いますけれども、沖縄の選挙実体が以前に比べてより知られてきているような印象を受けますね。

では、ネットを使わない、見ない人達はどうなのかというと、意外と口コミで拡がっている面もあるようです。

こちらのサイトでは、キャバクラ3軒ハシゴした結果「沖縄で暮らしている7~8割くらいの若者たちが、ネトウヨが流しているデマに影響を受けており、正常な判断ができない状態だ」などとショックを受け、憤慨している"左サイド"な方と思われる記事が掲載されています。

この方は、彼女らはSNSで頻繁にネトウヨの情報に触れているわけでもなく、「みんながそう言っているよ!」で判断していると憤慨しています。

彼女達が"みんながそう言っている"という内容というのは「玉城デニーさんが知事になったら中国に占領される」とか「沖縄2紙は偏っていて、一番偏っていないのは八重山日報だ」というものです。そして、若者ほど翁長雄志氏の評判は悪く、その理由は「沖縄を中国に明け渡そうとしていたから」だというのですね。

筆者からみれば、実に正確でまともな認識であると思うのですけれども、件のサイトの主には驚愕の事実だったらしく、若者達の認識を正さねばと憤っているようです。

ただ、「みんながそう言っているよ!」という遣り口は、これまで"左の方"が散々使ってきた手法です。それも新聞やテレビは、時には印象操作や捏造を交えて「みんながそういっている」を装って流してきました。

それが、SNSやネット動画で、オールドメディア以外の人々が情報発信するようになって、判断材料が増えた結果、「みんながそう言っているよ!」に様々な色が混ざるようになってきた。それだけのことだと思いますね。

では、玉城氏が知事になったら、本当に中国に占領されるのか、については、玉城氏自身が気になる発言をしていると指摘されています。

今年5月の衆院内閣委員会で、玉城氏は安倍総理に質疑を行い、その中で「最後に総理に要望を申しつけたいと思います。沖縄を『一国二制度』にして関税をゼロにし、消費税をゼロにする。そのぐらい大胆な沖縄の将来を見越したそういう提案もぜひ行っていただきたい」と言って質問を終えました。

「一国二制度」という言葉は「一個国家・両種制度」の略で、中国がイギリスからの返還期限が迫った香港、マカオの主権回復と、台湾統一を実現するために打ち出した統一方針で、中国発祥の言葉です。

玉城陣営の一部は、これは「そのぐらい大胆な提案を」と言わんがための一種の比喩だと反論しているようですけれども、「一国二制度」という言葉自体、日本の自治を受けない自治領的なニュアンスを持つものです。人によっては、沖縄独立論を連想する人もいると思います。

ただでさえ、沖縄は沢山の中国人観光客を受け入れています。「一国二制度」を謳って返還された香港がどうなったかを考えれば、安易に「一国二制度」を掲げるのは非常に危ういものを感じます。

万が一、玉城氏が「大胆な提案」の積りで言ったのだとしても、この言葉を使うこと自体相応しくないと思いますね。

また、玉城氏は別の番組で尖閣諸島についての見解を問われ「琉球王国と大和と中国の歴史も含めて検証すべき」と発言しています。沖縄は日本ではないといわんばかりです。

その意味では、沖縄の若者に広がっているという「玉城デニーさんが知事になったら中国に占領される」というのは、的外れではないと思いますし、直観的に危ういものをキャッチしているのかもしれません。

新しい沖縄知事は誰になるのか。注目です。
 

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