今日はこの話題です。
11月13日、韓国の防弾少年団の所属事務所、ビッグヒットエンターテインメントが物議をかもしている例の「原爆Tシャツ」や「ナチス風パフォーマンス」について、見解を発表。「心に傷を負われた全ての方に丁重にお詫び申し上げます」と謝罪しました。
謝罪全文はこちらにありますけれども、平たくいえば、「傷つける意図はなかった」、「事前に十分なチェックが出来ないまま、防弾少年団に着させた。防弾少年団に責任はない」、「我が社の配慮が足りなかった」というもので、責任はビッグヒットエンターテインメントにあると、防弾少年団を庇うかのような声明となっています。
この日、防弾少年団は東京ドームでライブをしたのですけれども、ライブ終盤に、「原爆Tシャツ」を着用していたジミンが、このような騒動になってしまったことに対し『ご心配されたと思います。僕たちはこれからも会える機会がたくさんあると信じています』などと語ったと伝えられています。
けれども、問題の「原爆Tシャツ」や一連の騒動について直接言及することはなかったため、ネット上では「心配かけて申し訳ないって何だよ!」とか「ちゃんと謝ってない!」とか、「原爆Tシャツを着てたことについての謝罪は?」など、怒りの声が噴出しているようです。
事務所が責任を被って防弾少年団を庇うような声明を出していますから、それと辻褄を合わせるために、「例の件には触れるな」と事務所から言い含められているのだろうと思います。おそらく、今後も防弾少年団で売り出したいという思惑があるために"キズモノ"にしたくないのでしょう。
けれども、そんな思惑を他所に防弾少年団は更に延焼を始めました。
防弾少年団は今年10月に韓国政府から人気文化芸術賞として文化勲章を貰っていたのですけれども、多くの韓国人が、日本に謝罪したことに怒りを覚え、防弾少年団に与えた文化勲章を剥奪しろ、と大統領府に請願書を提出する事態に発展しています。
請願の概要について、こちらのサイトから引用します。
・請願の概要(和訳 / 要約)あれ程のことをしでかしたのにそれを棚に上げ「日本に謝罪する」ことが屈辱なのだそうです。ちょっとついていけません。
「韓国国民と韓国政府に愛される存在であり、韓国とハングルを世界に広めた功績を受けて文化勲章を得た防弾少年団(BTS)。その彼らが日本に卑屈に頭を下げた行為は、韓国独立運動家、朝鮮人原爆被害者、慰安婦被害者、強制徴用被害者と、愛国心を持つ韓国国民を屈辱を与えました。日本政府や日系企業、日本人タレントなどは、誰一人として慰安婦被害者、強制徴用被害者、朝鮮人原爆被害者に謝罪したことはない。しかし防弾少年団は、自分たちの日本での商業活動のため、「加害者に謝罪する被害者」のような行為をし、日帝統治下に苦労していた被害者の方々、そして正しい歴史意識を持つ韓国国民を一瞬にして酷く悲しませました。韓国の辛い歴史に大きな傷だけを残した彼らに、国威のような言葉は似合わない。よって、文化勲章の剥奪を請願します」
韓国ではこうした考えがどこまで一般的なのか。
防弾少年団の謝罪について、韓国の文化評論家のハジェグンなる人物が「防弾少年団の酷い謝罪だ」とする記事を寄こしています。機械翻訳では意味が取りにくいのですけれども、「日本と韓国は敵か?味方か?」ブログ殿で翻訳記事を掲載されています。
それによると「ユダヤ人団体まで日本に呼応してきたから、一度謝ってやる必要があっただけだ。加害者が被害者に脅して、被害者が頭を下げるなど理解できない」というのですね。
この「日本と韓国は敵か?味方か?」ブログ主は「防弾少年団は今後も必ず日本に対してやりますよ。これ絶対レベル」と防弾少年団は同じことをまたやる、と警告しています。
確かに、防弾少年団にしてみれば、事務所が謝罪しただけで、国内から「勲章を剥奪しろ」と突き上げられるのですから、その歪んだ汚名返上をするためには、同じか或いははもっと過激な事をしてみせるのも有効な手ではあるかもしれません。
けれども、そんな事をしたら、完全に終わります。
13日、防弾少年団の事務所が謝罪をしたことについて、サイモン・ウィーゼンタール・センターは、公式ホームページに「K-ポップグループ防弾少年団の経営陣のユダヤ人および第2次世界大戦の日本人犠牲者に対する謝罪を歓迎する」というコメントとともにビッグ・ヒット・エンターテインメント側が送ってきた書簡を公開しました。
ただ、これで全てが終わったとも思えません。サイモン・ウィーゼンタール・センターは謝罪を「歓迎する」とは言っても「受け入れる」とは言っていないからです。
サイモン・ウィーゼンタール・センターは謝罪を求める声明文で次のように述べています。
このグループは国連での講演に招かれており、日本国民とナチスの犠牲者に対して謝罪する義務があるということは言うまでもない。それだけでは十分ではない。このグループのキャリアをデザインし、宣伝している人々は、あまりにも過去の記憶を過小評価している。その結果、韓国と世界中の若者が、偏狭さや不寛容を『格好いい(クール)』ことだと同一視し、歴史の教訓を消し去ってしまう可能性が高くなるだろう。グループのメンバーだけでなく運営者も公に謝罪すべきだ
このように、グループのメンバーにも謝罪を要求しています。そして謝罪だけでは不十分であり、韓国と世界中の若者が、偏狭さや不寛容を「格好いい」と誤解しないよう要求しているのですね。
実際、サイモン・ウィーゼンタール・センターは謝罪を歓迎する声明文の中で「この驚くべき事件は、若い世代の未来を危険にさらす歴史的に暗い章に関する知識の基本的な欠如を示している。……防弾少年団とその経営陣が、国際的な名声を利用して悪の勢力に加担しないよう促す」としています。
けれども、韓国国内は、防弾少年団の勲章を剥奪しろ、と騒ぎ立て、文化評論家は「日本に謝罪するのが悔しい」と嘆く。バリバリ全開の偏狭さと不寛容さを見せています。
果たして、この韓国の現状をどこまでサイモン・ウィーゼンタール・センターが把握しているか分かりませんけれども、防弾少年団自身の謝罪がない現状では、謝罪を「受け入れた」とは言わないような気がしますね。
そして、仮にもし防弾少年団が、今後、同じことをしようものなら完全にアウトでしょうね。
それにしても、日本に謝罪しただけで叩かれる韓国という社会は、やはり偏狭に過ぎると言わざるを得ません。
「日本に謝罪するのが悔しい」と嘆いたハジェグンなる文化評論家は、謝罪について「日本よりも力がなく、私たちの立場をこれまで十分に促進することもなかったので、謝ったのである。悔しいが力を養うしかない」と、韓国が大国ではないことをその理由としているようですけれども、大国ならこんなことは逆に許されないでしょう。
なぜなら、彼らの偏狭さが世界標準から掛け離れ過ぎているからです。
仮に韓国が将来、"大国"になることがあったとしても、彼らの価値観や考え方がそのままであれば、今の中国よろしく世界から叩かれる事になるでしょうね。
海外留学した韓国人が本当の歴史を知って、ショックを受けたなんてのは、よく聞く話ですけれども、願わくば、今のうちに「世界標準」のものの見方を身に着けていただきたいものですね。
日韓が本当の意味で交流できるのはそれからの話ではないかと思いますね。
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