今日はこの話題です。



11月18日、ソウルで日韓協力委員会の総会がソウルで開かれました。

日韓協力委員会は、日本と韓国の協力、親善、友好及び相互理解を計ることを目的として1969年に発足。毎年、日本と韓国で相互に合同総会を開催し、日韓間の政治、経済、社会文化及び環境など両国間の懸案をテーマ韓国側と討議し、総会の決議を共同声明として両国政府に伝達するそうです。

総会では韓国側から、米韓同盟や日韓関係の重要性を訴える意見が出され、日本側も関係修復に言及したようです。

総会では、韓国は、文在寅大統領がメッセージを送り「植民地時代は韓日双方につらい過去だ。だが、つらいからと真実から目を背けてはいけない。持続可能で堅固な韓日関係のためにも、われわれは真実を直視せねばならない」と訴えたのに対し、日本は、河野太郎外相がメッセージで、「未来志向の日韓関係構築に向けた協力」を呼びかけるも、元募集工判決などを念頭に「韓国で逆行するような動きが昨今、続いていることに強い懸念を抱いている」と釘を刺しました。

文大統領は久々に口を開いたかと思えば、真実を直視、などと一般論です。本当に真実を直視する気があるのなら、日韓基本条約および日韓請求権協定に基づいた処置をすべきでしょう。それがないのなら、何もしないも同然です。

けれども、元募集工問題以外に視野を広げれば、韓国は寧ろ、後退しているかもしれません。

11月20日、韓国政府の高官は2015年の日韓慰安婦合意に基づき設立された「和解・癒やし財団」の取り扱いについて、「今週中に財団の解散決定を発表することを関係官庁で検討している」と明らかにしました。

「和解・癒やし財団」の解散については、今月中旬までに「近く解散を決定する」との見通しを日本政府に伝えているそうなのですけれども、韓国側が慰安婦合意を履行せずに解散するということは、今後、慰安婦合意を実行する積りはないという意思表示にも取れます。

韓国側の財団解散の動きを受け、19日、日本政府は「和解・癒やし財団」を解散した場合、韓国に厳重抗議する方針を固めました。日本政府としては、財団解散を持って、韓国が慰安婦合意を破棄したとは見做さず、引き続き合意の履行を迫るとしています。

その法が外交に有利との判断なのだそうですけれども、確かに韓国が自分勝手に日本に協力を求めてきたとしても、合意を履行しろ、話はそれからだと突っぱねることが出来ますからね。悪い判断ではありません。

それに今はそれに輪を掛けた、元募集工判決があります。韓国はそれを放置するならば、日本は韓国の非道を世界に宣伝し、彼の国との関係を狭めていくだけです。

先日のAPECでも安倍総理は各国首脳と積極的に会談していましたけれども、韓国の文在寅大統領とは会談を行いませんでした。何度か会って、握手をする時もあったそうですけれども、挨拶程度の立ち話で終わったようです。

外相レベルでは、元募集工判決に対応せよ、100%韓国に責任がある、とガンガン要求し、首脳レベルでは会談など一切しない。韓国が元募集工判決で政府見解を示すまで「戦略的放置」を続けるという方針は一貫していますね。

あとは、この間に、韓国との関係をどこまで減らしていけるのかという問題があります。

というのも、例の元募集工問題で次の判決が迫っているからです。

19日、韓国大法院は三菱重工業に徴用された韓国人が同社に賠償を求めた裁判の上告審で29日に判決を言い渡すと発表しました。

既に、新日鉄住金の元募集工裁判で賠償判決を出していますから、三菱重工業にも同じく賠償命令を出すのではないかとも見られています。

日本に放置され親韓派からも見捨てられる韓国」のエントリーで、述べましたけれども、三菱重工は韓国に資産を残さないようにしずしずと撤退準備を進めているようです。ただ、2件目の賠償命令となると、訴訟を抱えている他の企業にもプレッシャーとなります。

一方、ダンマリと続ける文大統領も支持を落しています。世論調査専門機関リアルメーターが去る12日~16日に実施した世論調査では、文大統領の支持率は前週より1.7%ポイント落ち込み、53.7%と7週連続の下落となりました。

また、韓国の大手メディアからも、元募集工判決に対する批判の声が上がってきています。

『朝鮮日報』は、「文在寅政権よ 非難ばかりしていないで自分でやってみろ」と題したコラムで、「53年前の請求権協定に署名したいわゆる『積弊』が、時代と国力の中でどれだけ辛酸をなめ、実を結ばせたのか、その一部でもいいから同じ扱いをしてみよ。非難ばかりするのではなく、自分でやるのだ」と手厳しく批判しています。

韓国に進出した法人企業の撤退が先か、文在寅大統領の退陣が先か。もうそんな状況が近づいてきているような気がしますね。
 

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