昨日の続きです。
11月29日、韓国最高裁は戦時中に徴用工などとして強制的に働かされたとする韓国人が三菱重工業に損害賠償を求めた2件の訴訟で、共に賠償を命じる判決を下しました。
判決が出たのは、元徴用工5人が三菱重工業に賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審と、女子勤労挺身隊員として過酷な労働を強いられたとして賠償を請求した訴訟の上告審です。
韓国最高裁は元徴用工1人当たり8000万ウォン、元挺身隊員や遺族には1億から1億5000万ウォンの支払いを命じました。
判決を受けた三菱重工は「日韓請求権協定およびこれに関する日本政府の見解、並びに日本の確定判決に反するもので、極めて遺憾」とし、今後については「日本政府と連絡を取りつつ適切に対応していく」と政府方針に沿うコメントをしました。
日本政府は判決後、李洙勲駐日韓国大使を呼び出して抗議し、直ぐさま外務大臣談話を発表。日韓関係の法的基盤を根本から覆すもので断じて受け入れられないと述べています。
談話には参考として、日韓請求権協定の文面も添えられていて、韓国の国際法違反をより明確に示すものとなっていますけれども、判決後直ぐに発表したところを見る限り、こうなることを事前に予想して前もって準備していたのでしょう。
先の先まで読んだシナリオがあることが窺えます。
これに対し、韓国は相変らず態度を明確にしません。李洛淵首相が中心となって対応策を立案するようですけれども、法的にみれば、請求権協定に基づいて3億ドルを受け取った韓国政府が肩代わりするほかありません。
29日、韓国与党の共に民主党の「歴史と正義特別委員会」は討論会で、元徴用工被害者に対する賠償・補償に向け、日本と韓国両国の政府、企業で「2プラス2人権財団」を設ける案が提示されました。
この案を提案したキム・ミンチョル慶熙大教授は「この案は日本政府と企業の拠出を前提としたものでなく、現実的に日本政府が拠出する可能性はない」としながらも、日本企業が拠出する可能性を念頭に、日本政府が反対できないようにする戦略が必要と述べたそうですけれども、日本政府と企業が賠償金を出すことはないとしながら、企業に金を出させる戦略が必要などと、言ってる意味が分かりません。
あるとすれば、日本政府と企業を分断し、賠償金ではなく、お見舞金とか他の名目で少額でも出させようとするくらいでしょうか。
第一、検討委員会に「歴史と正義」なる枕詞を付ける辺りからして、自分達が国際法違反をしているとは考えていない気配が感じられます。
歴史認識だの自国の正義だのを国際法の上位に持ってくる時点で、世界基準からズレています。これでは何故日本が怒っているのか十分に理解できていないのではないかと不安になりますね。
29日、韓国外交部は、日本が韓国に強く抗議していることを受けて、長嶺安政・駐韓日本大使を呼んで抗議したそうですけれども、御門違いも甚だしい。
今回の判決について、河野外相は次のようにコメントしています。
日韓関係を未来志向にしていくために、タスクフォースあるいは有識者会議を立ち上げてそれぞれ議論し、お互いのメンバーでも議論してきた……未来志向の日韓関係をつくろうと言いながら、残念ながら韓国側でエビや統一旗の話、国会議員が竹島に上陸するあるいは海上での行動など、未来志向に反するさまざまな行為があったのは極めて残念。特に日韓合意について、日本側は求められている義務を誠実に履行してきたが、韓国側にも誠実に履行していただきたい。国際社会も韓国が日韓合意を履行するところを注視している。至極真っ当なコメントです。
そうした問題と前回、今回の大法院の判決とは全く違う。1965年の日韓国交正常化、今日までの日韓両国の根本的な、法的な基盤を完全に覆してしまうようなこと。国際法違反はもとより、関係を維持していくことが難しくなるような事態。最初の判決以来これを申し上げているのは、これまでの未来志向に逆行する動きとはケタ違いの影響を及ぼす重大な出来事であると、韓国政府に認識してもらう必要がある。
これは日本の外務大臣の発言がきついきつくないというレベルではなく、関係を維持していこうという人間にとってみれば、法的基盤を覆して、今日まで韓国政府の措置が何も取られていないことを憂慮している。韓国政府には一刻も早く是正措置を取ってもらいたい。韓国政府が措置を取らないならば、請求権協定にもとづいた協議あるいは仲裁、国際裁判に訴えざるをえない状況になる
特に「国際法違反はもとより、関係を維持していくことが難しくなるような事態」や「これまでとはケタ違いの影響を及ぼす重大な出来事」というコメントは最後通牒といっていいほどの
警告ではないかと思います。
河野外相も指摘しているように、日韓関係破綻の瀬戸際にあるにも関わらず、韓国が河野外相の発言を「きついきつくないというレベル」でしか捉えていないのだとするならば、日本を舐めているか、甘えているかのどちらかでしょう。
けれども最早、どちらも許されることはありません。
日本も今回を機に、韓国と正常で対等な二国間関係を作り直すべきでしょうね。たとえその行きつく先が事実上の"断交"であったとしても、それが普通に対応した結果であると考えるべきだと思いますね。
コメント
コメント一覧 (2)
世の中の対立は「善(正義)と悪」の対決だという世界観がある
文明国では、主に幼い子供たちが持つ世界観であり
大人になると、世の中の対立が「善と善」の対立だと気が付き
自分の善と相手の善を比較対照し、妥協点を探り始める
しかし残念ながら、大人になっても「善と悪の世界観」を固守し
自分は絶対的に善であって、相手は絶対的に悪だと主張する
【童話的正義】の持ち主も存在し、周囲を非常に混乱させる
さらに残念なことに、国全体が【童話的正義】という国家も存在し
自分たちの善(正義)を頑固に信じ、主張し続ける
自分たちは絶対善と信じ、彼らにとっての絶対悪(日本人)に対して
常軌を逸したしつこさで謝罪と賠償を求め続けている
彼らの【童話的正義】は、子供の頃からの反日教育に基づき
宗教的確信となっているので、話し合いで妥協する余地は乏しい
最終的には「体で分からせる」しか方法は無いように思われる
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徴用工判決で原告ら会見 海外資産差し押さえも検討 https://www.sankei.com/world/news/181129/wor1811290022-n1.html @Sankei_newsさんから
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