今日はこの話題です。




先日、こんな記事が…
各地でつまづく「アニメで町おこし」の現状 Jタウンネット10月31日(金)15時35分

アニメや漫画による地域振興が全国各地で盛んだ。

作品の舞台となった場所にファンが出かけて思いをはせる......という行為は昔からあったが、「らき☆すた」の舞台となった鷲宮神社(埼玉県久喜市、旧鷲宮町)は、聖地巡礼ブームが注目されるようになった場所の1つに違いない。同神社を訪れるファンはアニメ放送が始まった2007年くらいから急増し、ここ数年の初詣参拝客は47万人前後をキープしている。埼玉県内の初詣スポットとしては、氷川神社(さいたま市大宮区)に次いで2位だ。

これを機に観光資源としてのアニメ・漫画が強く認識されるようになり、今や多くの自治体がアニメツーリズムに取り組んでいる。

茨城県大洗町は「ガールズ&パンツァー」の聖地として大勢のファンを集めるのに成功したし、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」も、多くのファンが舞台の埼玉県秩父市を訪れている。

ドロンジョ様では別府温泉に客を呼べなかった...

その一方で、やや期待はずれなケースも相次いでいる。

2014年10月26日に読売新聞が報じたところによると、大分県別府市は、タツノコプロのキャラクターや初音ミクを起用する観光PR事業を2013年に行ったが、目標の2割にとどまったという。

昨年8月9日にはタツノコプロならぬ「タツノコ風呂」が開湯した。キャラクターをあしらったのぼりが市営温泉13カ所に立ち、温泉客を出迎えた。


やった、来月でも間に合う!入りたい! RT akahiza: 別府とタツノコプロがタッグを組んだ!その名も『タツノコ風呂』!ダッフンだ(>_<) 絶望したw 月に代わってお仕置きだぁぁあ! pic.twitter.com/rxnqJLohS7- ウエチリーヌ (Uechiline) 2013, 10月 26日

しかし、アニメファンの間からは「戦略ぶれぶれ」「作品と別府の関連性がないときついんじゃないか」といった指摘が挙がっていた。


あと別府のアレは狙ってる層がブレブレだったのもあるかも。ミクは大体若い層になるけど、じゃあ若い層が別府温泉って?ってのはあるし、タツノコは40代とかの人が家族連れでって狙いだったらしいけど、オタ趣味の人の既婚率はちゃんと考慮したのかなーと。- せりざわ絵描きさんじゃない方 (serizawaP) 2014, 10月 28日


yu_to_ryoku 別府とタツノコ作品の繋がりもなさそうだし、ヤッターマン自体に今そこまで力がないですよね...どうしてこうなった感...。作品の舞台になってないとアニメファンは足を運ばないことをおえらいさん方がわかってないのでしょうか 謎すぎる戦略です。- kino ask me another (kino_co) 2014, 10月 31日

現在、別府市の公式サイトにキャンペーンの痕跡はほとんど残っていないが、タツノコプロがプロデュースしたキャラクター・べっぴょんは宣伝部長として現在も頑張っている。

作品にその場所が描かれていればOKかというと、実はそうでもない。

千葉県鴨川市が舞台のロボットアニメ「輪廻のラグランジェ」や、静岡県下田市の「夏色キセキ」は地元の観光協会などが積極的にかかわった作品だが、「ガルパン」や「あの花」ほどファンを地元に呼び込めていない。

コンテンツビジネスは当たり外れが大きく、しばしば「ギャンブルのようなもの」と言われる。失敗したら資金を回収できる余地はほとんどない。

聖地巡礼者の数と作品の良し悪しは別次元の話なのは言うまでもないけれども、行政や商工関係者が考えるほどヒットの確率は高くない。

「りんくうタウンをアニメパワーで活性化!」と目論んだが...

関西国際空港の対岸にあるりんくうタウン(泉佐野市)。大阪府はここをアニメやゲームの集積地にしようと計画、「クールジャパンフロントのまちづくり事業」と命名して事業者を公募したものの、期限までに応募する事業者は1社も現れなかった。

東京の練馬区や杉並区はアニメ制作会社が多く立地していることで有名だが、両区とも行政が企業を誘致したわけではなく、「23区内にしては土地代が安くて、アクセスもまあまあ」だから集まったにすぎない。りんくうタウンと同じことを成田でトライしても厳しかっただろう。

政府の「クール・ジャパン」推進や「地方創生」政策を受け、今後も増えそうな「アニメで町おこし」。つまづきが続いて、自治体が「アニメはもうこりごりだよ〜(チャンチャン)」と言いださないといいのだが......。
ちょっと前に書いた「地方創生と聖地の人」のエントリーと同じテーマの記事ですけれども、こちらは、りんくうタウンはアクセスに問題ありという見方は筆者と同じ。あとこちらのほうがより「コンテンツビジネスは当たり外れが大きい」という視点のようです。筆者もあの記事を書いているときに、その点をもっと書こうかとは思ったのですけども、あえて抑え気味にしました。たしか「ラグランジェ」は、TVで町おこしの様子を特集しているのがあって、地元の人が、倉庫を指さして「アニメの絵が描いてありゃいいんだろ」と言っているのをみて、こりゃ駄目だと思ったことがあります。

勿論、コンテンツビジネスの当たり外れが大きいことは間違いないでしょうけれども、それだけでもないような気がしますね。

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