今日はこの話題です。



10月30日、太平洋戦争中に「徴用工として日本で強制的に働かされた」と主張する韓国人4人が新日鉄住金に損害賠償を求めた裁判で、韓国の大法院は、「個人請求権は消滅していない」として、新日鉄住金に1人あたり1億ウォン(1000万円)を支払うよう命じる判決を下しました。

韓国の裁判所で、日本企業に元徴用工への賠償を命じる判決が確定したのは初めてのことです。

原告は新日鉄住金が賠償に応じない場合、資産差し押さえなどの強制執行手続きができる為、弁護団は、新日鉄住金の資産が韓国にないことから、第三国での手続きを視野に入れるようです。

同様の訴訟は、新日鉄住金の他にも不二越など約70社を相手にした計15件があり、今回の最高裁の決定によって他の訴訟の判決に大きな影響を与えることは勿論、同様の訴訟が新たに相次いで起こされる可能性もあります。

とうとう来るところまで来たという印象です。

この決定について、記者団に問われた安倍総理は「本件については、1965年の日韓請求権協定によって、完全かつ最終的に解決しています。今般の判決は国際法に照らして、ありえない判断であります。日本政府としては、毅然と対応してまいります」と憤慨を露わにしています。

それにしても、「国際法に照らして、ありえない判断」という表現は、国際常識がないというも同然です。ここまで言われてしまった以上、今後、国としてまともに扱って貰えない可能性すらあります。

今回の判決を受け、30日午後、河野太郎外相は談話を発表し「断じて受け入れることはできない」と表明しました。

その外務省談話は次のとおり。
大韓民国大法院による日本企業に対する判決確定について(外務大臣談話) 平成30年10月30日

1 日韓両国は、1965年の国交正常化の際に締結された日韓基本条約及びその関連協定の基礎の上に、緊密な友好協力関係を築いてきました。その中核である日韓請求権協定は、日本から韓国に対して、無償3億ドル、有償2億ドルの資金協力を約束する(第1条)とともに、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決」されており、いかなる主張もすることはできない(第2条)ことを定めており、これまでの日韓関係の基礎となってきました。

2 それにもかかわらず、本30日、大韓民国大法院が、新日鐵住金株式会社に対し、損害賠償の支払等を命じる判決を確定させました。この判決は、日韓請求権協定第2条に明らかに反し、日本企業に対し不当な不利益を負わせるものであるばかりか、1965年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の法的基盤を根本から覆すものであって、極めて遺憾であり、断じて受け入れることはできません。

3 日本としては、大韓民国に対し、日本の上記の立場を改めて伝達するとともに、大韓民国が直ちに国際法違反の状態を是正することを含め、適切な措置を講ずることを強く求めます。

4 また、直ちに適切な措置が講じられない場合には、日本として、日本企業の正当な経済活動の保護の観点からも、国際裁判も含め、あらゆる選択肢を視野に入れ、毅然とした対応を講ずる考えです。この一環として、外務省として本件に万全の体制で臨むため、本日、アジア大洋州局に日韓請求権関連問題対策室を設置しました。
河野外相の談話といい、日韓請求権関連問題対策室の設置といい、すぐさま対応するあたり、前々から予想して準備をしていた節がありますね。

河野外相は請求権については、「完全かつ最終的に解決」されており「いかなる主張もすることはできない」と日韓基本条約と関連協定を根拠に否定しています。これは国家間合意であり、韓国はそれを破りました。

去年8月、「日韓基本条約をも無効にしようと目論む文在寅」のエントリーで、文在寅大統領は日韓基本条約そのものをも無効だとして蒸し返し、ひっくり返してくる可能性があるのではないかと述べましたけれども、今回の判決を受けて、何もしないのではあれば、やはりそうだったということになります。

今回の判決について、韓国の魯圭悳外交部報道官は定例記者会見で「政府は今回の判決が韓日関係に否定的な影響を及ぼさないように韓日両国が知恵を集める必要があることを日本側に伝達している」とコメントしました。要するに判決を政府としても肯定するということです。話になりません。

流石にここまでくると、日本のオールドメディアでさえも、報道しない自由も、庇い立ても出来ないのではないかと思いますね。

今回の件で、外交問題になるのは確実です。これまでの文政権の態度を見る限り、駐韓大使引き上げや国際裁判所への提訴は十分に視野にはいってきたと思いますね。

それどころか、政府の中には、韓国に諦めの声すら出始めました。

政府高官は「韓国には結局、民主主義は無理なのだろう」と漏らし、外務省幹部からは「韓国は、戦略的に無視していくしかない」との声も出始めているそうです。ようやくにして、「助けない、教えない、関わらない」の非韓三原則が国家レベルで実行される時が近づいてきたようですね。
 

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