更に続きの感想エントリーです。



11月1日、韓国の李洙勲駐日大使は、韓国記者団と懇談し、徴用工判決について「韓日関係は非常に難しい状況に来ているが、関係の破綻はないと思う」とコメントしました。

李大使は「両国の国民が賢明にケアすると考えており、そうなるために私も、両国政府も努力しなければならず、本国でもそのような努力をしている……可能な限り日本の政治家らに接触するなど、韓日関係にあまり否定的な影響を与えることのないよう常に努力する」と述べました。

更に韓国政府が対応策を打ち出さなければならないとしながらも、「判決文も検討しなければならないし、具体的にどうなるかは分からないが、少し時間がかかるのではないかと思う……両国が冷静になるためにも時間が必要だ」と慎重な姿勢を示し、その上で、「民間交流に少し影響はあるだろうが、大勢には大きな変化はないとみている……引き続き『ツートラック』で進めていく」との方針を明らかにしました。

まぁ、駐日大使という立場上、そういうしかないのかもしれませんけれども、随分と都合のよい言い分です。

この問題は、いくら日本の政治家に接触しようが、時間を取って冷静になろうが関係ありません。なぜなら、国家間の約束事である条約を破っているからです。

確かに感情的対立は時間を取れば冷静になれるかもしれません。けれども冷静になった後、どうするかというと、法に依って判断し進めていくしかありません。そこには双方が合意した決まり事があり、それに従うという前提があるからこそ成り立つものです。

時間を取ってお互いに冷静になりましょう、というのは、単に「法に従って」物事を進める為の前提に過ぎません。それを韓国は踏みにじった。依って立つところの根幹から覆した訳ですから、冷静になったところで何も変わりません。いえ、冷静になればこそ、法に従って粛々と進めていくことにしかなりません。

当然、ツートラックなんたらも成立する訳がありません。

それに今回の判決は政治問題だけに止まりません。

第一生命経済研究所の西浜徹・主席エコノミストは、「政権が代わり、国民感情が変わったら、国際ルールさえ通じない事態が起きてしまう。このままで大丈夫か。日本企業の間でそんな見方が広がれば、韓国関連ビジネスに二の足を踏むようになる可能性があります」 と指摘し、ある日韓ビジネス関係者は「韓国がまともな国じゃない、ということがよく分かった」 と漏らしたそうです。

一方、韓国では、強制徴用被害者を支援する行政安全部過去関連業務支援団に「うちの祖父も被害者だが、いま訴訟を起こせば勝てるのか」という問い合わせが殺到したそうです。

今回の判決について、韓国の李大使は「両国の国民が賢明にケアする」などと言っていますけれども、両国民がこんな状態で、一体何をケアするというのでしょうか。

日本政府は、同様の訴訟を起こされている企業向けの説明会を開始し「徴用工問題は解決済み」とする政府方針を説明。損害賠償や和解に応じないよう周知徹底する方針を出しています。

韓国が法を蔑ろにすればこそ、日本はそれこそ法を楯に取って、一切の感情を排して法による決着を付けるべきだと思います。

両国の関係がどうたらは、その後の問題です。

対馬の仏像盗難事件で、所有者の観音寺が返還請求しているにも関わらず韓国の裁判所は所有権を主張した韓国の寺への引き渡しを命ずる判決を出し、国際法を無視しました。その結果、「韓国に文化財を貸したら返って来ない恐れがある」との認識が広がり、どの国も韓国には自国の文化財を貸さなくなっています。

これと同じことが、全分野に起こるかもしれないという瀬戸際に韓国は立っています。果たして、その自覚がどこまであるか分かりませんけれども、今後、韓国との交渉には、「約束を守る」という確かな証拠をみせろ、話はそれからだ、という態度で臨むしかないと思いますね。

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