更に更に続きです。



昨日のエントリーで、現時点で募集工、"いわゆる"徴用工問題を解決するには、個別補償を韓国政府が責任を持って行うしかないと述べましたけれども、韓国政府に動きはありません。

11月1日、韓国の国会で文大統領の施政方針演説が行われたのですけれども、文大統領の演説の大半は、国民生活や経済問題に充てられ、募集工問題には一切触れませんでした。

1965年以来、50年以上踏襲してきた日韓基本条約に反する判決が出たのですから、韓国政府としての見解を述べなくてはいけない筈なのですが、文大統領はダンマリを決め込んでいます。

唯一、見解に類するものがあるとすれば、10月30日に李洛淵首相の名前で発表した声明です。

声明では、「司法の判断を尊重し、関係省庁や民間の専門家などと諸般の要素を総合的に考慮して対応策を講じていく……強制徴用の被害者が受けた苦痛を残念に思い、被害者の傷が早急かつ最大限癒やされるよう努力していく」と強調し、日韓関係については「未来志向的に発展させていくことを希望する」としています。

韓国大統領府関係者は「国務総理室に任せてある。我々は関与しない」と語ったそうですから、 国務総理に面倒事を押し付けて逃げを打とうとしているようにも見えなくありません。国務総理の声明にしても当局者が直接発表せず、国務総理室のホームページに掲載しただけです。嫌々なのが丸見えです。

ただ、国務総理(首相)は、韓国で行政府の首班である大統領を補佐する官職です。大統領が、弾劾などによる欠位、或いは事故による職務遂行不能状態に陥ったときには、国務総理が大統領の任務を代行すると定められています。日本でいえば立場的には官房長官にあたるといえるかもしれません。

けれども、日韓請求権協定に明らかに反する判決について、政府声明で「司法の判断を尊重する」と宣言した以上、韓国政府としてこれを放置することは、国としてガバナンスが機能していないことを自ら証明することになります。それについては中曽根元外務大臣から既に「韓国は国家の体を成していない」と指摘されています。

これについて韓国はどうも、財団を作って、民間レベルで解決するスキームを考えていた節があります。

建国大法学専門大学院のパク・イヌァン元教授は「25万人の訴訟を司法府が行政力で処理することもできず、数十兆ウォンに達する賠償額も企業が負担するには現実的に難しい……両国が妥協できる接点を探して財団を通じて被害者の痛みを癒すのが正しい方向」と述べていて、韓国の法曹関係者の間には、韓国政府が中心となって財団を設立し、そこに日本の政府と企業が参加する構想が上がっていると伝えられています。

けれども、これは妥協云々の次元ではなく、法の遵守という根幹に触れる問題です。妥協で済ませられる話ではありません。なぜなら、ここを妥協すれば、過去に遡及して同じ訴訟がいくらでも出来るからです。

昨日のエントリーで取り上げた静岡県立大の奥薗秀樹教授は、インタビュアーの「専門家の間で両国の政府と企業が参加する「2プラス2」財団を設立して補償する形が解決法として提示されたりもする」という質問に次のように答えています。
「両国政府ともに両国関係を回復不可能な状況に悪化させることを望まないだろう。請求権協定を維持しながら解決方法を探さなければいけない。2プラス2方式にはハードルが高い。日本政府が参加するというのはあり得ない。請求権協定を無効にするのと変わらないというのが日本政府の立場だ。1プラス2があり得るが、韓国国内ではどうかと思う。『戦犯企業が出すべきお金を韓国国民の血税で代わりに支払うか』となるだろう。日本の企業も株主が異議を唱える可能性がある。日本政府は『民間企業が(財団出捐)すること』という可能性はある。それでもハードルが高いと見るのは、似た訴訟が数えきれないほど提起されることもあるからだ。財団方式にも限界があるのではと思う」
また、河野外相も、中央日報のインタビューで「読売新聞は『日本企業が賠償金を支払う代わりに経済協力金を受け取った韓国企業や韓国政府、日本企業や政府など4者が共に財団を設立する方案が非公式的に議論されている』と報じた」と問われ、「日本政府として御指摘のようなことは全く考えていない」と斬って捨てています。

河野外相はこの判決について「日本企業に対し不当な不利益を負わせるものであるばかりか、未来志向で今後も日韓間の友好関係を発展させようとする努力の土台が損なわれるという重大な事態だと考えている」との答えていますけれども、韓国政府がこれを本当に理解しているのであれば、100%国内問題として処理する他ありません。

それでも、おそらく文在寅政権は「慰安婦問題」と同じく、条約は破棄せず民間で解決という形を取るために、ズルズルと引き延ばしを図るのではないかと思います。それと並行して日本の"道義的責任"とやらを世界に広報していく腹積もりだったのではないかと思います。

けれども、今回は日本が先手を打ちました。政財界は揃って、韓国には一文も払わないと態度を固め、世界には外務省を中心として今回の件についての説明を始めています。

夕刊フジの報道によると、元在沖縄米海兵隊政務外交部次長のロバート・D・エルドリッヂ氏は「今回の判決で、残念ながら『韓国は約束を守ることができない国家』という印象を持った」と述べていますけれども、普通に考えれば、それ以外の感想など持ちようがありません。

日本はこのまま、韓国政府に国内問題として処理せよ、さもなくば、法に基づいて仲裁委員会を組織、国際司法裁判所に提訴するとプレッシャーを掛けていくべきです。

ただ、気になるのは「北朝鮮工作員としての文在寅に注意せよ」で述べたように、文在寅大統領が確信犯的に日韓関係を壊そうとしている可能性です。

元日経記者の鈴置高史氏は「北朝鮮の非核化を阻止したうえ、南北が一体化を進めれば『民族の核』を持つ強国としてアメリカから独立できる」と警告していますけれども、そこまで睨んでのことだとすると、日韓関係が壊れる以上に、文在寅政権を終わらせることを考える必要があると思いますね。

韓国は反日を煽れば煽るほど大統領支持率が上がる国です。ですから単に反日だけさせていてはこれまでと変わりません。反日には強烈な実害を伴うことを示さなければならない。

一番手っ取り早いのは、やはり経済面でしょう。

今年の5月、韓国GMが撤退するしないで揉めたことがあったかと思いますけれども、日本企業もこの問題を韓国リスクとして、事業の縮小・撤退を検討すべきだと思いますね。中国とは違って、韓国とは通貨スワップもありませんしね。

今回の問題に対する安倍政権の対応は非常に素早く、見事な手際です。

まるで、"韓国城"の周りを封鎖して水攻めにして、城内から兵糧を抜き取って逃げ出させているようにも見えます。

北朝鮮は北朝鮮で、経済制裁によって絶賛水攻め中です。

昨今、韓国が北朝鮮に対して制裁破りをして物資を送っていると批判されていますけれども、考えようによっては、この際、半島丸ごと水攻め状態にして文在寅大統領を引きずり降ろすのが、取り得るベターな戦略ではないかもしれませんね。
 

コメント

 コメント一覧 (2)

    • 1. 取り得るベターな戦略ではないかもそれませんね。
    • 2018年11月06日 01:47
    • 「取り得るベターな戦略かもしれませんね。」ですか?
    • 0
      kotobukibune_bot

      kotobukibune_bo

      t

      likedしました

      liked
    • 2. まだ座りが悪い気がします
    • 2018年11月06日 22:36
    • 昨今、韓国が北朝鮮に対して制裁破りをして物資を送っていると批判されていますけれども、考えようによっては、この際、半島丸ごと s/水/兵糧/ 攻め状態にして文在寅大統領を引きずり降ろすのが、s//日本の/ 取り得るベターな戦略 s/ではない/である/ かもしれませんね。
    • 0
      kotobukibune_bot

      kotobukibune_bo

      t

      likedしました

      liked
コメントフォーム
記事の評価
  • リセット
  • リセット