昨日の続きです。



防弾少年団騒ぎがどんどん拡大していっています。とうとう韓国政界まで口を挟みはじめました。

11月10日、「共に民主党」のホン・イクピョ首席報道官は「日本の放送局が政治的な理由で防弾少年団の出演を取り消したとすれば望ましくない」と発言。「民間交流に政治的な色を着せるのは望ましくない。ただ政界で日本の民間放送局の判断に対し問題にするのは未来の韓日関係の役に立たないと考える」と付け加えました。

また、ユン・ヨンソク首席報道官は「フジテレビは2010年代初めに韓流ブームが起き番組を韓流中心に編成すると日本のネットユーザーなどから袋叩きにされ、2011年8月には抗議のデモまで起きたことがある……同じ理由でテレビ朝日も視聴者から『防弾少年団の原爆Tシャツ』を問題にされた。日本の放送が日本政府と一部ネットユーザーの顔色をうかがって番組を無差別に取り消す行動は世界の嘲笑を買って余りあるだろう……特に防弾少年団は日本国内でも人気がとても高いスターなのにメンバーのうち1人が着たTシャツだけで出演を取り消したというのは日本の文化的低級さを端的に見せる行動。日本政府は放送掌握を通じた韓流叩きが世界的な物笑いの種になるだけだということを肝に銘じるよう望む」と批判しました。

また、自由韓国党も論評で「日本の偏狭な文化相対主義と自己中心的歴史認識に深刻な遺憾を表わす」と述べています。

政権与党の主席報道官が「1人が着たTシャツだけで云々」とか「日本の文化的低級さ」などという辺り、韓国政府がこの問題を矮小化しようとしているか、あるいは本気で軽く考えているかを窺わせます。

それに、「民間交流に政治的な色を着せるのは望ましくない」と言うその口で、「日本政府は放送掌握を通じた韓流叩きが世界的な物笑いの種になるだけだ」と批判しています。まるで、日本政府が放送局に圧力を掛けて韓流叩きをしているといわんばかりです。まぁ、裏を返せば、この問題が拡散するのを嫌がっているということです。

けれども、既に防弾少年団騒ぎは日韓の二国だけの問題ではなくなりました。防弾少年団のナチ衣装と原爆Tシャツ問題です。

11月11日、ホロコーストの記録保存や反ユダヤ主義の監視を行うユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)」が、防弾少年団がナチを連想させる衣装を着たことや原爆Tシャツを激しく批判し、「防弾少年団の経営陣も含めて公式に謝罪すべきである」との声明を出しました。

筆者は、日本のネットを中心に騒がれていた防弾少年団の件がやけに早く世界に伝わったものだな、と思ったのですけれども、どうやら、高須クリニック院長・高須克弥氏が、サイモン・ウィーゼンタール・センターに対し、なぜ騒がないのかと立て続けにリプライを送ったことが契機となったようです。

高須院長は5日以降、ネット上で出回る問題の写真を、サイモン・ウィーゼンタール・センターの公式アカウントに、繰り返しリプライ。中には「What do you think this?(これをどう思いますか?)」というメッセージを添えたのもあったようです。

最終的に高須院長のツイッターアカウントはサイモン・ウィーゼンタール・センターにブロックされたようなのですけれども、それでも最終的に、防弾少年団に謝罪を要求する声明をだした事は一定の評価ができます。

事はおおごとになってきました。

今もネットでは、防弾少年団の過去が発掘され続けているようです。

先日公開された防弾少年団のラップモンスター自作のミックステープ「mono.」の一曲、Foreve RainのMVで黒い雨や日の丸の様な描写があり、日本と被爆者を愚弄しているのではないかと指摘されています。

筆者もそのMVを見てみたのですけれども、確かにそういわれればそうとも見えなくもありません。ただ、本人にその意図があると明らかにならない限りは、それ以上の批判は控えるべきでしょう。

また、一部で批判されているユニセフ爆弾の件についても、現時点では保留すべきと思われます。

ただ、プロとして、そうと疑われるような表現をした以上は、それなりの批判を受けることを覚悟すべきです。

人気ロックバンド「RADWIMPS」が6月に「HINOMARU」という曲をリリースし、一部からその歌詞が軍歌だと批判されたことがありましたけれども、歌詞を書いた「RADWIMPS」のボーカル・野田洋次郎氏はそんな意図はないと否定しつつも不快な想いをさせてしまった人がいた事について謝罪しています。

それに原爆Tシャツやナチ衣装はあまりにも直接的な表現であり、誤解の余地は殆どありません。

防弾少年団が、そんな意図はなかったと説明することは構いませんけれども、不快な想いをさせてしまった事については、「RADWIMPS」と同様に謝罪すべきと思いますね。

現に、日本人、およびユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が不快感を示しているのです。たとえ意図がなかったとしても、結果について責任が取れないのではあれば、その辺の活動家と変わりません。

防弾少年団がプロとして活動しているのであれば、自分の行動について責任を持つのは当然のことです。でなければ、他のテレビ局なりレコード会社は怖くて契約が結べません。局が彼らを起用すれば、その時点で局にも責任が発生するからです。

冒頭で、韓国の報道官が、日本の放送局が政治的な理由で防弾少年団の出演を取り消した云々、と述べていたことを紹介しましたけれども、テレビ朝日が防弾少年団の出演を取り消した件について、あるスポーツ紙記者は次のように述べています。
この種のトラブルで、ここまで事の経緯を明らかにするのは珍しいですが、それだけテレ朝も危機感を感じているということ。徴用工判決で嫌韓ムードが高まる中、もしBTSを出演させていたら、局に視聴者からのクレームが殺到して、収拾がつかなくなっていたはずですからね。しかし、テレ朝が何よりも恐れているのは、フジテレビの二の舞いです。だからこそ、局として"原爆Tシャツ"を問題視していることを明らかにし、反日でないことを視聴者に証明する必要があったわけです
テレビ朝日とて、視聴者からのクレームが怖いのです。これは、防弾少年団を出演させることに責任とリスクがある事を自覚している証拠ですね。

いずれにせよ、今回の問題で、韓国の実態についての認識がまた一段と広がるような気がします。2002年の日韓ワールドカップの時のような雰囲気を少し感じます。

ともあれ、防弾少年団サイドが「サイモン・ウィーゼンタール・センター」の謝罪要求にどう回答するのか。責任逃れは出来なくなったと思いますね。
 

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