更に昨日の続きです。



中国の情報機関が2人目のカナダ人を拘束しました。

拘束されたのは、カナダ人企業家のマイケル・スパバ氏。12月13日、中国外務省の陸慷報道局長は記者会見で、ICGのマイケル・コブリグ氏とマイケル・スパバ氏を拘束したと発言しました。

マイケル・スパバ氏は、中国吉林省の朝鮮族自治州・延吉を拠点に「白頭文化交流社」を展開しています。「白頭文化交流社」は、北朝鮮と政治を抜きにした文化やスポーツを通した民間交流を促進する団体です。

昨年の4月には、平壌でかつて金正日総書記の専属料理人を務めたかの有名な藤本健二氏の新たにオープンした寿司&ラーメンレストラン「たかはし」を訪れるという旅行ツアーを企画。スパバ氏はその企画の添乗員を務めたようです。

スパバ氏は、アメリカNBAの元選手デニス・ロッドマン氏の訪朝をサポートし、金正恩委員長に引き合わせたときに、同席し、数日間一緒に過ごした過去があります。

その際、金正恩委員長は、スパバ氏に対しなぜカナダ人が朝鮮語を話せるのかなど興味を持ち、それがきっかけで親密な関係を築き、金正恩党委員長と直接会える人物として一部で知られていました。

スパバ氏は12月9日、ツイッターに「ソウルに戻る」と韓国入りする旨を書き込んでいたのですけれども更新は、この日を境に途絶えていたのですけれども、中国外務省は、会見で、スパバ氏を12月10日に拘束したと認めました。12月10日は、ICGのマイケル・コブリグ氏が拘束された日と同じです。つまり、中国当局は同時に二人を拘束していたことになります。

13日、中国の国営メディアは「中国の安全保障に危害を及ぼす活動に従事」していた疑いで当局が取り調べを行っていると報じています。

昨日のエントリーで、中国はコブリグ氏を人質にしただけで終わりにはしないだろうと述べましたけれども、中国は既に次の人質も取っていたということです。

カナダ外務省は中国で拘束されたカナダ人がスパバ氏であることを確認。スパバ氏からカナダ政府に中国当局の聴取を受けていると連絡があった後は、彼と連絡は取れていないとしています。

12日、カナダのフリーランド外相はスパバ氏について、「所在の確認に懸命に取り組んでいるところだ。中国当局に対してこの件を提起している」と安否確認に務めていると発言しています。

ここまでくると、例のファーウエイ孟晩舟CFOの拘束に対する報復であることは明らかですね。

実際、相次ぐカナダ人拘束は、北京の外交官の間で報復と受け止められ、懸念が広がっているそうです。

このタイミングで、2人のカナダ人が中国当局の調べを受ける事態となったことについて、神田外語大学の興梠一郎教授は「やっぱり、カナダがカギを握っているのがわかっているので、どんどんプレッシャーをかけて、絶対にアメリカには引き渡さないように持っていくと。1人じゃ足りないと思ったんで、2人となる。肝心のアメリカには、ほとんど抗議しない。アメリカを怒らせたら、それを上回る制裁をするかもしれない」とコメントしています。

確かにその可能性は非常に高い。なんとなれば、カナダが孟晩舟CFOを無条件釈放するまで3人目、4人目と次々も拘束することだってないとはいえないと思いますね。

実際、アメリカと中国の企業幹部は、自分たちの逮捕を恐れて、相手国への出張旅行を相次ぎキャンセルしているそうです。

マーケティングコンサルティング会社CMRチャイナのマネージング・ディレクターを務めるショーン・レイン氏は、アメリカ企業の幹部の多くは中国が孟逮捕に対する報復をしてくることを恐れていると述べています。

ただ、昨日のエントリーでも述べましたけれども、中国はトランプ大統領の即時報復を警戒し、アメリカ人で、これから中国に入国する人よりも、既に中国に滞在しているアメリカの同盟国や友好国を狙ってくる。既にカナダ人が二人も拘束されているのをみれば、やはり、その可能性は高いと思いますね。

アメリカと中国の間で板挟みとなっているカナダ。厳しい状況はまだ続きそうです。
 

コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. almanos
    • 2018年12月14日 07:02
    • この件では中国側はどこまでつかまれたか? 知る為と彼女が裏切って逃げることを防ぐことが主な目的ではないかと思います。
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      kotobukibune_bot

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